2011年3月30日水曜日

原発13 福島第一原発の現況と、身体への影響 (3/29)

友人L氏からのメールを本人の許可のもと転載。
もともと私個人には全く関係のない団体のメーリス向けに書かれた文章ですが、このブログでも紹介したことのある参考サイトがわかりやすくまとめてあるのと、一連の出来事に対する彼の考察に共感するので、こちらにも貼ります。
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 前回は、ネガティブな感情を交えての発信になって、すいませんでした。

 しかし、懲りずに、発信します。主に、日常への影響について書きます。


・原子炉の様子

 放水手段を見つけ、倍倍の勢いでの悪化は避けられましたが、放射線のだだ漏れは続いています。電源系統の復旧までは遠く、長期化の様相を呈しています。リスクについては、前回述べた通りです。
 最新の詳細は、ここによくまとめられています。
 http://www.hattori-ryoichi.gr.jp/blog/(衆議院議員服部良一のブログ)


・外部被曝について

 直接、放射線に当たることによる影響です。

 福島県周辺での、3/24までの二週間の被曝量の合計は、この地図に載っています。
 http://www.asahi.com/photonews/gallery/infographics/110324speedi_2.html(SPEEDIのデーター。公開は遅かったです)
 一番外側の黄色い線が「100ミリシーベルト=緊急作業従事の場合に認められている上限(1年間)」に相当しています。
 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/28/1303577_0325_3.pdf日常生活と放射線。文科省作成)
 判断は各自してもらえればと思いますが、30kmという避難域の設定に対して海外は否定的です。
 福島県以外は、http://atmc.jp/文科省のデーターをグラフ化しているサイト)で見られます。栃木県から神奈川県にかけて平常より高めですが、身体には影響のないレベルです。


・内部被曝について

 放射性物質を含む水や食べ物を通じて、体内で起こる被曝です。基本的には、多く放射性物質を摂取すると、将来、癌になるリスクが上がります。

 今、一番、身近な問題である「水道水」を例に説明します。

 まず、各県での放射性物質の量は、http://atmc.jp/water/
などで見られます。例えば、最近の東京都でのヨウ素131は、20ベクレル/kg程度となっています。

 これがどの程度の影響を及ぼすかですが、「100ベクレル/kgの水を1リットル1年間飲むと、甲状腺癌のリスクが2人/10000人上がる」というのが参考になります(3/24の産経新聞など参照)。
 場所によって違いますが、現在は、気にしても気にしなくても、おかしくないレベルでしょう。気にする人、若い人は、水道水を飲むのではなく、ペットボトルのお茶などを飲みましょう。
(*政府の言う暫定基準値300ベクレル/kgは、今回の原発事故後に設定されたものなので、注意して下さい。基準値は様々で、アメリカで0.11ベクレル/kg、ドイツで0.5ベクレル/kg、WHOで10ベクレル/kgです。)

 他のものも含め、そのうち、専門家からまとまった発信があるはずです。

 外部被曝にしても、内部被曝にしても、影響は「ただちに」ではなく、数年後、数十年後に出るので、今は大丈夫だと思っていても気を配りましょう。


・少し、個人的なこと

 私は、大学4年の時、科学ジャーナリストの見習いをし、原発関連の取材をしました。(推進派として原子力安全保安院の当時の院長、反対派として弁護士の海渡雄一氏、また、風力など自然エネルギーを推進している飯田哲也氏を取材しました。)
その時に学んだ知識、物理学科で得た知識、今回改めて調べた情報を元に発信しています。

 職業を通じて、今まさに起きていることに携われないのが悔しいですが、参考になればと思います。


  L氏氏名、Eメールアドレス

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以上。

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