2012年7月24日火曜日

The Amazing Spiderman


公開中だけどネタバレ自重せずに感想書く。

正直舐めてた。
シリーズ4作品目?ということで、「あの伝説のヒーローが帰ってきた!巨大組織の陰謀をぶっつぶせ!」って話かと思った。
スパイダーマンシリーズは一度も見たことがなかったが、要するにヒーローが悪をやっつける話なんだろうし、頭空っぽにして楽しむものだろうから問題ないと思ってた。

全然違った。思春期の少年の葛藤と成長を描いたハートフルヒューマンドラマだった。
結局最後まで謎の組織の正体も両親の死の真相もわからず、それが続編作る気満々なのか単に収集つかなくなったのか判別できないけど、そんなことがどうでもいいと思えるくらい爽やかなグローイングアップ物語だった。

後で調べたら、スパイダーマンシリーズは前作までが「三部作」という括りで、今回は別シリーズというか、リメイク版のようなものらしい。全然知らずに観に行ったけどラッキー。少年ピーターがスパイダーマンになる過程から見られて良かった。なかなかスパイダーマンにならないんでビックリしたけど(笑)。

養父母である伯父夫婦とピーターとの家族愛が素晴らしかった。難しいお年頃の男子高校生を厳しくも温かく見守る養父母がさりげなく、しかし丁寧に描かれていてじーんとしたし、それがあるからこそ家族を訪れる不幸の悲惨さが際立った。

最愛の伯父が殺されたこと、伯父の死にピーター自身が大きく関わっていることからピーターはいろいろな感情で苦しみ、その葛藤を犯人への殺意に置き換えてしまう。そして犯人に似た風貌のならず者たちを毎夜狩っているうちに、自分は街の安全を守る正義の味方なんだ、と思い込んでしまう。そこら辺が「勧善懲悪のヒーローもの」とは一線を画していて良かった。スパイダーマンはヒーローじゃなくて、浅はかで姑息で傷つきやすい、それでいて純粋で一生懸命で正義に心酔してしまう、そういうリアルな男子高校生だった。

 ガールフレンド、グウェンの父親がいいよね。ピーターにしてみればグウェンとの恋もスパイダーマンとしての活動も邪魔する存在なんだけどさ。彼はスパイダーマンの短慮や、私怨による犯罪者狩りを見抜いて指摘する。図星を突かれたピーターはハッとする。このグウェン家族とのディナーのシーンがすごく好き。でも私が子どもの頃に観たら全然わからずに、「ムカつくオッサンだな」と感じたんじゃないかな。これは思春期卒業しないとわからないよ、うん。
良い映画って、観る年齢によって受ける印象が全然違うことがあるよね。

敵役にも彼なりの正義や、破壊行動を起こすに至った事情を持たせてあるのも良いね。まあ最近そういうの多いけどさ。流行りだからって安易に取り入れるとなんだか中途半端になってしまうけど、この作品は充分説得力があった。

まだまだ良いシーン、好きなキャラについて語りたいけど割愛。

映像はさすがの迫力だった。アクションがすごく爽快!
でも「3D」である必要はあまり感じなかった。
単に2D映画を3D化しても、そのくらい2D観ているときに脳が勝手に処理して似たような立体映像に感じることができるわけで、あんまり感動しない。やっぱり3Dらしさが欲しいと言うか、いきなり顔面に銃弾が飛んでくるとか、手に届きそうなところに水飛沫が舞うとか、そういう演出を期待したいんだよね。
最後スパイダーマンが客席に蜘蛛の巣飛ばしてきてたけど、あんな感じの演出をもっと多用した方が良いと思う。
今までいくつか3D映画を観てきたけど、なんだかんだ言って一番感動したのはディズニーシーのジーニーのアトラクションだし。


思わぬところで( ;∀;) イイハナシダナーって映画に出会えたので大変満足。

2012年7月23日月曜日

Snow White & The Huntsman


Snow White」観に行った。ネタバレは自重しない。

正直、期待はずれだった。
期待しすぎた。
駄作と言うほど悪くはないが、良作とは言い難い。
1000円で観る分には良いけど、1800円で観たら金返せと言いたくなる。
そんな感じ。
ちなみに私はカードのポイント使って500円で観た。

それでも前半部はそれなりにワクワクしたし、おもしろかった。
王国が悪の女王に籠絡される過程とか、幼い白雪姫が囚われて幽閉されるところとか、ベタだけど見応えがある。
美しい娘に成長した白雪姫が女王の企みを察知して、動物たちの手を借りつつ知恵と体力で脱獄するところもなかなかだった。

でも白雪姫暗殺を命じられた狩人が、白雪姫に寝返って女王に獣の内臓を捧げるシーンは削ってほしくなかったなぁ。もちろんこの白雪姫は原作やディズニーアニメとは別物なんだけど、「魔法の鏡」「毒リンゴ」と同じくらい「狩人の裏切り」は白雪姫の重要なモチーフだと思うんだ。
いや、この作品にも狩人は出てくるんだけど、違うんだよ。獣の内臓を捧げて女王を出し抜く部分が重要なのだよ。まあ私の趣味だけど。

狩人と王子の三角関係が微妙だったなー。
まず王子が空気過ぎる。いや、彼は頑張ってたんだけどね。王国一の弓の名手であることを活かして、白雪姫追跡隊に潜り込んでさ。命がけで姫を守ってさ。カッコイイじゃん。まさしくヒロインの相手役にふさわしいじゃん。
そして当然、狩人もカッコイイよ。彼もヒロインの相手役として不足はない。
だから白雪姫の選択には「狩人を選んだ理由」と同様、「王子を選ばなかった理由」が必要だと思うんだけど、それがないせいで王子が空気だった。
「魔法にかけられて」はそこら辺がちゃんと描かれてて素晴らしかった。王子を魅力的に描きながら、姫が「王子に憧れる少女」から卒業して大人になってしまったことを劇中でちゃんと説明していた。

まあでも恋人の選択に理由がないのはリアルだってことで妥協しよう。遠く離れた幼なじみの男の子より、最近よく私を守ってくれる男に惚れるのは良くある話だ。しかしそれならそれを貫いてほしいんだよね。王子と再会した段階で既に白雪姫が狩人に惚れてた、とかさ。
でも白雪姫は王子にも惚れてるよね?王子のリンゴを食ったのは惚れてたからだよね?なのに王子のキスでは目覚めなかった。つまり白雪姫にとっての王子は「王子」ではなかったってことだ。じゃあなぜリンゴを食ったんだ。リンゴの呪いに王子本人は全く関与していないのに。食ったならなんで目覚めないんだ。食うなら起きろ。起きないなら食うな。

いや、製作者はそこまで考えていないと思うよ。だからこそガッカリ。「王子のリンゴを食べる」というオリジナルを創出しておきながら、それをぞんざいに扱う製作者の「わかってなさ」にやきもきする。

で、狩人の白雪姫に対する想いの変化も納得できない。
変なガキ拾っちまったな→命を掛けて君を守る!
というベタな展開を、「魔法にかけられて」や「塔の上のラプンツェル」はものすごく丁寧に描いていて、感動したんだよね。
でも「Snow White」は全然ダメ。全く伝わって来ない。ここが「ディズニー作品」と「似非ディズニー」の違いか。
奥さんを亡くした男が、ただの小娘を大人の女性として見るようになるには、それなりの過程が必要だと思う。そこを丁寧に描かないと感情移入できない。それがなくちゃ単に節操のないオッサンだ。

まとめると主要キャラ3人に関して、「姫の心境の変化が杜撰」「狩人の心境の変化も杜撰」「王子が空気」ということだ。

「姫の心境の変化が杜撰」なのは王子から狩人への乗り換えだけでなく、逃亡から復讐への転換でも感じた。

トロールやシシ神様とも心通わせる聖少女が、闘志を燃やし殺戮をも厭わない女になる。

これってさ、今までの「白雪姫」にはないオリジナル設定だよね?ここが書きたかったんだよね?CMを観て私は、「ブラック・スワン」みたいな白雪姫のダークな脱皮を期待したんだよ。

でもそんなものはなかった。ダークな脱皮も成長もなかった。
リンゴ食って死んで、狩人のキスで起きたらそうなってた。
一度死んで蘇るという、心理学的になんとでも蘊蓄がつけられそうなネタだったのに……もったいない。

「殺されたくない」から「殺してやる」への変化が描かれなかったので、目覚めたら急にジャンヌダルクばりの演説を始めたのにはびっくらこいた。

白雪姫「我は女王を倒す!我に続け!」
群衆「うおおおおおおお!!!!!」
私「ええええええええ???」

展開によってはすごく血湧き肉踊るシーンだったのに……もったいない。
こんなんだったら、監禁生活の間中「いつか父の仇を取ってやる、女王を殺してやる」と闘志をたぎらせていた方がまだ整合性があったよ。

「我に続け!」が英語で「Who is my brother?」って聞こえた。
我の兄弟は誰だ→我の同志は誰だ→我の同志よ、共に行こう→我に続け!
英語のこういう表現がかっこいい。

城攻めも力押しでなんだかなぁ。
せっかく白雪姫には動物と交感したり、傷を癒したりという不思議パワーがあるんだから、それをうまく活用してほしかった。
つーか、あれで勝てるなら白雪姫の有無関係ないよね。早くやればよかったのに。
勝てないから今まで女王に蹂躙されていた。
白雪姫が加わったことで勝算が生じた。
だから決起したんだろうけど、その「勝算」が全く描かれてなかった。
仮に「勝算もないのに、発狂状態の白雪姫に乗せられて特攻した」だとしたら、それこそお粗末すぎる。

これ、「アバター」でも感じたなぁ。青肌族が愛と根性で人間に勝ったんだけどさ。これって「不思議パワー設定がもったいない」ってのもあるだけど、力押しだと単なる戦争になっちゃうんだよね。女王VS姫の戦争で、善悪がない。どっちもどっち。

そもそも白雪姫を「穢れなき純粋な心」と評してるけど、白雪姫めっちゃしたたかやん。女王の弟を出し抜いて脱獄したり、狩人と取引したり、めっちゃ世の中知ってるやん。
いや、私はそういうヒロイン割と好きだよ。「魔法にかけられて」も「ラプンツェル」もそうだった。でもこの2作品はヒロインを「穢れなき心」とは言わなかったと思う。他人の下心を見抜き、それを利用して自分に有利に物事を進めるのは、「悪」ではないけど「清らか」とも言い難いだろう。

あと最後の女王との一騎打ちもダラダラしてテンポが悪い。くんずほぐれつ、殴ったり殴られたりしつつ、その流れで何となく白雪姫が女王を刺した感じ。
もっとこう、頭を使ってさ、アッと言う方法で逆転してほしい。狩人に教えてもらった護身術を出すことで伏線回収したつもりなのかね。

しかも、不死身設定の女王をなぜ白雪姫が殺せたのか。
うん?白雪姫の不思議パワーのおかげでしょ?わかるよそのくらい。
しかしさ、「女王を殺せるのは私だけ」と言ってはいたけど、本当にそのままの意味だったとは。もうちょっと捻りようがあるでしょ。
「女王に物理攻撃を当てられるのは私だけ」って意味に過ぎないんだとしたら、それはそれで伏線を立てておくべき。白雪姫の不思議パワーはそれまで「動物と話せる」「傷が癒える」など「聖なる力」っぽいのだけだったので、「女王を物理的に殺せる」っていう能力だけが異質。もっとこう、ベタにさ、聖なる力で悪を討ち滅ぼすとかさ、そういうのが良かったな。
「白雪姫の聖なるイメージを敢えてダークに塗り替えてみました!」でも良いけどさ、それにしても「女王と戦ったらギリギリ勝てた」じゃあなんとも盛り上がりに欠ける。圧倒的脅威に対して、知恵なり特技なりを使って打ち勝つ、そういう展開がいいんだけどなぁ。

それで刺した後、「女王は出血することで魔力を失うのだ」って言ってたけどさ、その設定いらないよね。後出しもいいとこだ。
女王を刺す→出血→魔力失う→女王死ぬ
より、
女王を刺す→女王死ぬ
の方がスマートじゃん。
もし「血」とか「心臓」とかが重要なら伏線を張るべき。序盤の血が滴るシーンや、「心臓が欲しい」って言ってみたり、捕虜の心臓抜いたり、製作者は伏線張ったつもりかもしれないけど、そういうのじゃないんだよなぁ。少なくとも「なるほど!女王を出血させれば良いのか!白雪姫あったまいい〜」とはならなかった。

ディズニーは毎回とどめの刺し方がうまいよね。ラプンツェル然り、アラジン然り。白雪姫もディズニーのはよかったな。美に執着した女王が醜い老婆のまま自滅するとかさ、カタルシスだったよ。

まあそんな感じでいろいろ惜しいけど、雰囲気は悪くなかった。「良いシーン」をつぎはぎにしたような印象。要するに「ジャンヌダルクっぽい白雪姫って新しいでしょ?」って言いたかったんだな。

映画館で観るほどでもないけど、テレビで観たらなおさらつまらない、そういう作品だった。

2012年7月19日木曜日

ウォーターサーバーに興味がある

引っ越してから飲み物代を節約するために麦茶を作っている。
お湯沸かすのめんどくさいんで、水出しのやつね。
しかしやっぱりカルキ臭いというか、本能的に危機感を覚える味なんだよね。
それに東北の水はどうも信用ならない。セシウムさん的な意味で。

それでこないだヨドバシカメラで見かけてから気になっているのがレンタルウォーターサーバー。
ググってもらえればわかるけど、よくビジネスホテルのロビーとかスーパーとかに置いてあるやつね。別売りの水タンクをセットしてつまみを引くと、水が出る。サーバーの機種にもよるけど、瞬時に熱湯が出たり冷水が出たりとなかなか便利。

基本的にサーバーレンタル代(0600/月)+水代(+電気代)だけで良いらしい。
水は12 L くらいのタンクを買う形なんだけれども、500 ml あたり70円前後。
ペットボトルの水を定価で買うよりは安い。スーパーから持ち帰る手間が無い、お湯を沸かす手間が無い、というのも特徴。

なんかいいことずくめなんだけど、見落としてる点はあるかな?
メーカーによっては水代だけで良いってことだけど、彼らは何で稼いでいるんだ?水代だけでぼろ儲けってこと?まあそれならそれで良いよ、ペットボトルより安いんだし。

考えられるデメリットは、サーバーが場所をとる、水代にノルマがあるメーカーもある(月24 L は強制的に買わされる)、一定期間以上使用しないと解約時に違約金が生じる(水がマズくても後戻りできない)ってことくらいしか思い浮かばない。

なんか契約しちゃいそうなんだけど、最近家電ばっか買ってるからなぁ……引っ越しのテンションで自分がどっか麻痺しているかもしれないし……でも最終的に契約するなら早い方がいいし……直ちに影響が無い程度の放射性物質が含まれているかもしれない水道水を飲むのはあまり気持ちのいいものじゃない。浄水器に全く興味がないのはそのせいだ。

もしレンタルウォーターサーバーを使ったことがある人がいたら、使用感等教えてちょうだい。

いま軽くぐぐったら、ネットでペットボトル水ってすごく安く出てるのね。これと比べるとウォーターサーバーの水ってちょっと高い?通販だったら重い思いをしなくていいしね。とりあえずこれで12 L 買って、何日でなくなるか試してみようかな。

2012年7月13日金曜日

不登校ノススメ

大津市の中学生いじめ自殺の件とはあんまり関係ないけど。 

なんか学校の先生って、不登校の問題に対する解決目標は「学校に来させること」だと思っている人が多い気がする。 
学校の先生との付き合いはここ6年ほど無いので実際のところはわからないけど。 

自分が生徒だった時も感じたけど、大学の教職の授業でさらに感じた。 
不登校の子がいたらどうしますか?みたいなありがちなお題のディスカッションで、「いかに学校に来させるか」に固執している人が結構多くてびっくりした。理学部在籍の「とりあえず教免」って連中より、生粋の教育学部で本当に教師になりたい人にそういう意見が多かったと思う。 

子どもに義務教育を受けさせるのは大人の義務だ。それにクラス内に不登校児がいるということは、担任の学級運営に問題があることを明示している。だから否が応でも登校してもらわねば困る。という考えの人間は論外だけどさ。そうじゃなくて、「学校に行くこと」が本当にその子のためになると純粋に思っている人は、教師に限らずとも多いと思う。 

いや、不登校の子が何らかの問題を抱えているケースは多いだろうし、いじめにしろ家庭内の問題にしろ、その問題の解決に取り組むのは教師の仕事だよ、うん。でも問題解決のゴールは「学校に来ること」じゃないと思うんだよね。 

別に学校行かなくても死なないしね。義務教育の学習範囲は押さえといた方がいいとは思うけど、あの程度の勉強なら学校じゃなくてもできるし。学校には通いたいけどあのクラスは嫌だ、って言うなら転校したっていいし。その子にとって最善の選択が「学校に行かない」ということはごく自然にあり得る話だと思うんだ。義務教育は親の義務であって子どもの義務ではないし。 

私が中学でいじめられた時は死ぬ気で通ったよ、うん。なんであんなに頑張っちゃったんだろうね。そこまでして行くほど大した場所でもないのにね。 

もちろんそのときはそのときの理由があったよ。何よりもまず「これ以上バカになったらヤバい」って思った(笑)。学校を休んでもいいけど、家にいても勉強しないだろうし。中学行けなくなったら高校にも通えなくなって、勉強しないから大学受験もできなくなって、そのままズルズル人生の落伍者になってしまう気がした。加害者のせいで私が落ちこぼれるのは割に合わないと思った。 

あとはやっぱり負けたくなかったんだね。「学校行けない=負け」っていう価値観だった。私は間違ってないのに、なんで負ける必要があるんだ。間違っているのは加害者。正義が勝つなら、負けるのは加害者。故に私が学校に行けない敗者になってはならない。私は堂々と登校していればいいし、そうしなければならない。という厨二理論。 

それから現実的な問題として、不登校を決め込むなら親にいじめのことを相談せざるを得ない、ということがあった。今となっては実際そうすべきだったと思う。でもそれはなんとしても避けたかった。その心理を言葉で説明するのは難しい。 
親に言うとすごく心配される。その心配顔を見たくない。親の手を借りないと自分自身の問題すら解決できないのは恥ずかしい。頑張って受験して入った学校が糞であることを認めたくない。高い授業料払ってる学校がクズであることを知らせたくない。学校が辛い分、家では「充実した学校生活を送っている自分」でいたい。だから親に話すなんて有り得ない。 

当時の自分に「学校なんかそこまでして行く価値ないよ」って言ってあげたい。 
そこに気づくことができたら、だいぶ楽になったと思う。不登校になるかどうかはさておき。

昔好きだったラジオの深夜放送で中高生の悩み相談みたいな番組があったんだけど、そのパーソナリティーがいじめに苦しんで自殺を考えている子に「とにかく逃げろ。不登校でも転校でもいい。不登校児が集うコミュニティに参加する手もある。何でも良いから逃げろ。逃げることは恥じゃないから。」と言っていたんだよね。当時の私は「いや、逃げるって恥でしょ。負けでしょ。なんで被害者の方が変わらなきゃならんの。間違ってないのに。」と思った。でもそうじゃないんだよね。 

「逃げる」という言葉が気に食わないなら「選択」と言ってもいい。学校に行かないことを選択する。というか「学校に行く」こと自体、多くの選択肢の中のひとつでしかない。辛いことしかない学校に行く意味無いじゃん。他にいくらだって有効な時間の使い方があるでしょ。 

とはいえ、私はあの時学校に通い切ったことを後悔していない。 
アレに耐えられたのだから、これから先の大概の理不尽には耐えられる気がする。 
もし私が不登校を選んでいたらだいぶ人生変わっただろうけど、今とどっちが幸せかなんて比べようがない。 
でも今の自分はすごく幸せだし、あの時いじめられたことが「風が吹けば桶屋が儲かる」式に今の自分に繋がっているのだから、やっぱり通ってよかったと思う。 
いや、加害者らに「いじめてくれてありがとう!今の私があるのはあなたたちのおかげよ!」なんて言わんよ。そこまでマゾじゃないw 
いじめの経験をプラスににしたのは加害者じゃなくて、心が前向きで純粋で頑丈にできている私のおかげだ。どうだ参ったか。 
むしろ私が加害者を告発した遺書を遺して自殺しなかったことを感謝したまえ。加害者が今何してんのか知らんけど、どうせ結婚でもしてもしかしたら子どももいて、かつて私にしたことも忘れて今回の大津の事件の加害者に義憤を募らせているんだろう。貴様が今そうしていられるのも、私があの時貴様に屈しなかったおかげなんだよ。くだらん。 

だけど大津の子は学校に行かなければよかったのに、と思う。 
いや、私の貧困な想像を遥かに超える事情があったのかもしれないけどさ。 
それでももし、命捨てる前に学校捨ててれば済む問題だったのだとしたら、悔やみきれない。 

今大津の子がこういう形で亡くなり、教委のクズ対応もあってたまたまセンセーショナルに取り上げられているけど、こうやっていじめに苦しめられて今日明日中に死のうと思っている子は日本中にいると思う。 
大津の加害者らがバッシングを受けているのをみて、「私もあいつらをこういう目に合わせたい!自殺してあいつらを不幸にしてやる!」って思う子も少なくないかもしれない。 

そういう子にはまず学校を捨ててほしい。 
ズル休みは許さん!って親も多いし、みんなそれぞれのっぴきならない事情を抱えているんだろうから、ことはそう簡単じゃないけどさ。 
でももし私みたいに「学校はとりあえず行くもの」という概念に縛られていて、そうやって自分で自分の選択肢を狭めているんだったら、学校はそれほど大事じゃないってことに気づいてほしい。 



まあここで何を言ったところで、本当に自殺したいくらい追いつめられている子には届かないけどね。

2012年7月9日月曜日

ペット飼い始めました。


引っ越しとかいろいろ頑張った自分へのご褒美(笑)にペットを購入した。
その名も……



Roomba


狭い部屋なんだから掃除くらい自分でやれよ、と言うかもしれない。
確かにその通りだ。一分の隙もない正論だ。
しかし私が購入したのはお掃除ロボではない。ペットである。愛玩物である。
その子が自律的にお掃除するお利口さんだったとしても、一向に苦しゅうない。

さっそく稼働してみる。
かわいい。かわいすぎる。
あちこち頭ぶつけながら方向転換して、部屋の中をうろうろ。
丸いボディなので、角や端は苦手なのかな?と思ったが、エッジブラシなるものをピュンピュン回して器用に角のゴミをかきとっていく。
ベランダに続く窓の桟にも乗り上げて、しっかりお掃除。
電源コードなどは巻き込んでしまうだろうか、と敢えて床の上に放置してみたが、思いの外大丈夫だった。

意外にもダメだったのは、折りたたみ式ベッドのパイプ。ルンバがパイプを「このくらいの段差ならいけるかな?」と登ったはいいものの、乗り越えたパイプが本体のローラーか何かに挟まり、身動きが取れなくなった。しばらく「う〜ん、う〜ん、」と頑張っていたがそのうち諦めて、「助けてくれい」と言い出した。
実際はお姉さんが流暢な英語で冷静にしゃべってたのでよく聞き取れなかったのだが、要するに「へるぷみー」だったのだろう。

ルンバを救出して、作業再開。ルンバが二度と「乗り越えよう」という気を起こさないよう、パイプの部分にはゴミ箱や箱ティッシュでバリケードを作った。
そのほかは特に問題無さそうだったので、掃除を任せて私は出勤。
ルンバは一度の掃除に1時間だか1時間半だかかけているらしい。

んで、夜部屋に帰ってみると、ちゃんとルンバはホームベースに戻り、充電もされていた。
なんというお利口さん!
私はまたどっかに引っかかって力尽きているんじゃないかと覚悟していたのに。
そしてダストボックスを開けてみると、そこには驚くほど大量のホコリと髪の毛が!
すっごいな……引っ越し一週間でこんなにゴミが溜まるのか。
私は今まで床掃除はクイックルワイパーのみだったんだが、なんかそれとはホコリの形状が異なるね。ルンバの方が粒子が細かいというか、目が詰まっててフワフワ。掃除の原理の違いによるホコリの固まり方が違いか、吸い取ったホコリの性質そのものの違いかはわからないけど。

クイックルワイパー一辺倒だった私にとって一番嬉しいのが、カーペットの掃除もできるってことだね。ときどきコロコロを使って掃除してたんだけど、あれロール紙がすぐなくなっちゃうし、何よりめんどくさいし。偉いぞルンバ!

初稼働から二日後、床に落ちた髪の毛が気になり出したので、またルンバに頑張ってもらうことにした。前回の掃除から二日しか経っていないから、今回はそんなにゴミはないかな?と思ったんだけど、どっこい!ダストボックスを開けてびっくり。フィルターにはシート状のホコリがびっしり。

たった二日でこんなにゴミが溜まるのか……良くて一週間、時には一ヶ月クイックルワイパーを出さなかった今までの私の生活がどれだけホコリまみれだったか偲ばれるね!
でもこれからはちゃんと部屋を綺麗に保つことにするよ。ルンバがね。

思うに、ルンバは今の私の生活にぴったりなんじゃないかな。
まず部屋の形状。ほぼ四角形で単純。段差がない。物が少ない。
以前F市に住んでいた時は部屋が狭い上に収納スペースがなかったので、ベッドの下、こたつの下などにも物を置いていた。床面積が狭く障害物も多いのでは、ルンバを使う意味がない。
あと、人によってはルンバが壁や家具にガツガツぶつかるのが気になるかもしれない。傷がつくほど激しくぶつかるわけじゃないけど。
それから私は一人暮らしなので、出勤前にスイッチを入れ、帰ってきたら掃除が終わっている、という状態に満足なんだけれども、掃除のスピードで言ったら人間の方がはるかに速い。だからそういう意味での掃除の効率アップにはならない。
ゴミの種類も重要。私の場合はルンバの得意なホコリと髪の毛が中心なので問題ないけど。
そしてルンバは「掃除機」じゃなくて、「掃除もできる愛玩物」という意識を持つのが一番大事だと思う。ゴミすれすれのところを通って取り逃したり、どこかにハマって動けなくなったりしても、イライラしないで萌え萌えすることが肝要だ。



そうこうしてたら大学院入学時に買ってもらったノートPCがお釈迦になった。
享年六歳三ヶ月。
ルンバとか買ってる場合じゃなかった。

2012年7月4日水曜日

あなたが私にくれたもの


・サーモンピンクのおサイフ

学位取得を記念して、S先生からいただいた。
なんかフェミニンな洋服や小物を扱っているブランドのものらしい。
私は1000円未満のサイフしか使ったことがなく、ちょうど年齢にふさわしいちゃんとしたおサイフを買おうとしていたところだったので、このプレゼントはすごくありがたかった。大事に使っていきたい。
何より先生が「サーモンピンク」を選んでくれたことに感動。私のこと、女性扱いしてくれてるんだ!みたいな。

・ウサビッチ プーチンのぬいぐるみとトートバッグ

後輩たちが企画してくれた「学位取得祝勝会」の席でSくんとNくんがくれた。
UFOキャッチャーの戦利品で、非売品。
なんでもその日の昼間にラボを抜け出して、ゲーセンへ狩りに出かけたらしいwなかなか苦戦したようで、祝勝会に間に合うかヒヤヒヤだったらしい。
いったいいくら投資したの君たち……。
こんな後輩に恵まれて、私はつくづく幸せ者だ。


 
 
 
  


 
 


 
by boe のピアス

送別会でラボのみんなからいただいた。この贈り物を選んでくれたのはLさん、さかっち、Kちゃんの女子三人。
いやさ、送別会の前の金曜日、上記の三人がそろってマグネットを「外出」にしていたので、「もしや私のプレゼントを選んでくれているのでは」とそわそわしてたんだよね。
by boe Kちゃんお気に入りのブランドらしい。華奢な金の蝶結びが繊細でとってもキュート。そして私が持っているピアスの中で段違いに高級ww
嬉しいわ〜すごく嬉しい。デザインが素敵、品物が高価というのもあるけど、何より「私のプレゼントにピアスを選んでくれた」っていうのが一番嬉しい。
殊更にピアス大好きアピールなんかしたことないと思うんだけど、どうして伝わったんだろう。
あとね、三人で私のことを考えながら、ああでもないこうでもない、コレとアレどっちが似合うだろう、なんてカンカンガクガクやってくれたんだろうな、と思うと幸せすぎる。
そんで、そういうショッピングはすごく楽しいものなんだ。そこがまた良いよね。私も参加したいくらいだww

・初音ミクのフィギュア
NくんがまたもUFOキャッチャーの戦利品をくれたwwもちろん非売品。
超感動。
前々からフィギュアには興味あったんだけど、どれか一つ買う、となるとなかなかむつかしくてね。良いものはやはり高いしね。だからすごく嬉しい。
もらった初音ミクはなかなか手の込んだ造形。お顔はもちろん、パンツの皺とか、太ももからヒップにかけての繊細な曲線が素晴らしい!
開封するなりひっくり返してパンツを凝視する私を見て、ラボメンバーの一部は大受けし、残りはどん引きしたw
キャラが初音ミクなのも嬉しい。アニメなりゲームなり世の中にキャラクターは数あれど、私にとって最も思い入れが深いのはやはり初音ミクだ。なぜそれをNくんが知ってるんだ。
いや、初音ミクが好きと言ったことはあるけど、それと同じテンションで「マミさんハァハァ(まどマギ)」「黒子ハァハァ(超電磁砲)」とか言いまくってたからさ。なぜその中から初音ミクを引き当てられたんだろう。
ちなみにフィギュアを獲ったのはNくんだが、このプレゼントにはFくんも貢献している。
二人で「どっちが早くばっちさんのプレゼントをゲットできるか勝負しようぜ!」ってノリでゲーセンに繰り出したらしい。といってもFくんは早々に軍資金500円が尽きて敗北したらしいがwwつーか、Nくんはいくら投資したんだ……。
嬉しいなぁ。私のためにそこまでしてくれたという点と、私を口実に二人で遊んで楽しんだという点でww


・色紙ならぬ、寄せ書きアルバム


今回もさかっちが頑張ってくれた!ラボの全員が付箋にメッセージを書いてくれ、それをさかっちが抜群のセンスで配置、様々なシールなどで飾り付けをしてくれた世界でたった一つの逸品。
ページをめくるたびに涙ちょちょ切れだよ。
S先生が「Perfume見たかった」って書いてくれただけでも笑えるのに、「Perfume」の文字がちゃんとあの可愛いロゴを再現しているという芸の細かさ!
S先生、あなたは一生私の師匠です……



本当に良い6年を過ごしたな。素晴らしい人たちと素晴らしい関係を築くことができた。プレゼントが嬉しいのは「ちょうど欲しかったんだよ、ラッキー!」って意味じゃなくて、そこまで私のことをわかってくれる人に出会えたからなんだよ。プレゼントはそういう6年間の証というか。

それだけのことを私は誰かにしてあげられただろうか、と思うと反省することしきりだけど。

新しい職場でも、そういう人間関係を築いていきたいなぁ。
VPS