こちらもだいぶ前に見た映画の感想。
しかし最近映画見てないな。学生料金のうちにもう一度くらい映画館に行きたいんだが。
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主役の夫婦が宮﨑あおい&堺雅人と聞いて、大河ドラマ『篤姫』が大好きだったので観に行った。
全体の感想としてはまあまあ。特に心揺さぶられる展開もなく、宮﨑あおいと堺雅人の夫婦っぷりを2時間愛でる感じ。
堺雅人が演じるウツ旦那がハマってた。
ウツ経験者やその家族の方々は身につまされるところだと思うのでこういう物言いは不謹慎かもしれんが、萌えた。
宮﨑あおいはとてもかわいらしかったが、かわいすぎるのが難点。
あんな天使みたいな嫁がいてウツになる男がおるかい。
美人でもいいけど、もうちょっと生活にくたびれた感じがほしかったな。
いや、髪ぼさぼさだったり普段着が地味だったり、「くたびれ感」を演出する意気込みは伝わってきたんだが・・・まだ足りない。生活の垢が足りない。
住んでる家が豪華なのも現実味がない一因かも?いや、結婚5年目の30代?ご夫婦が一般的にどんな家に住んでるのか知らないけど。
なんか立派な和風の一軒家で、「結婚5年目の夫婦の新居」というより「夫婦どちらかの実家」って雰囲気だった。
結構広いし、二人暮らしの割に部屋がいくつもありそうだったし。
原作がそうなってるんならまあいいんだけど、賃貸とかもっと慎ましい感じの方が感情移入しやすい気がする。
ハル(宮﨑あおい)が幹夫(堺雅人)を「ツレ」と呼ぶのは原作もそうだっけ?
第三者に「うちのツレが云々」と言うならまだ分かるが、自分のツレに「ツレ」と呼びかけるのはおかしくないかい?夫を「夫」と呼ぶのと同じじゃない?
まあ夫婦のことだし、好きに呼び合ったらいいけどさ。
幹夫が自分の心身の不調を覚えたとき、「ハルさ〜ん」と普通に妻に相談するところがよかった。こういう病気を取り扱ったフィクションで、夫婦仲が芳しいのはそんなに多くない気がするので。
ハルはウツの幹夫に対してすごく思いやりが深いし色々頑張ってるんだが、そのせいで幹夫のウツが発覚する前の無神経っぷりとか、仕事のストレスでウツの幹夫に当たるところなんかが取ってつけたように見えた。
いやもちろん、「元々無神経だったのが、ウツ診断をきっかけに改心した」「幹夫に当たってしまうほどハル自身追いつめられていた」というフォローはできるんだけど、そこの描き方が足りない気がする。
「仕事をください!」のシーンも、そこだけ悲壮感漂わせてもなんだかなぁ、って感じだった。
原作はウツ患者とその配偶者の日常をあえてコミカルに描いたものだったけれど、映画の方は漫画を実写化したというより、その漫画を作るに至った夫婦の苦悩の日々を描いていたように思う。
その割には全体に軽くてほのぼのとしているので、病気への掘り下げが今ひとつ中途半端だった。ところどころ「こりゃ大変だわぁ」と同情するシーンもあるんだけどね。
全体にのんびり淡々としているだけに、天井のシミの伏線にはぞぞぉーっと来た。あと最後の公園から幹夫が姑に電話するシーン、あれどう考えても自殺フラグだよね?ウツの婿からあんな電話来たら、慌てて娘に連絡取るよ。
それから幹夫の性格が神経質すぎるというか、強迫的というか、なんか初めから病気っぽいので、どれがウツの症状なのかわからなかった。
まあそれが現実に近いのかもしれないけど・・・でもあれでは「ウツは誰でもかかりうる心の風邪のようなもの」という映画のメッセージが伝わりにくいと思う。「ウツは異常に神経質で特殊なこだわりを持つ人間が患いやすい精神疾患」って思っちゃうよ。
原作の方がウツになる前後の書き分けがはっきりしてて分かりやすかった。