2014年11月18日火曜日

ディズニーアニメの訳詞

「アナ雪」翻訳の難しさ…「ありのまま」主人公に思い重ねて
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141117-00000543-san-movi

上記の記事に関して。

>「作品でしか成立しない歌ではなく、単独でも成立するような歌詞がほしい」

確かに松たか子の歌う日本語版は「単独でも成立」してたと思うけど、作品の中では成立していなかったように思う。

とは言え、初めて日本語版の「Let it go」を聴いたときは、松たか子の歌唱力の高さも相まって、すごく感動した。

ディズニーアニメの訳詞って酷いのが多いんだよね。
例えば「ノートルダムの鐘」の「Out there」なんかが顕著。
曲も良くて、原語の歌詞も素晴らしくて、日本語吹替えの石丸幹二も素敵だったのに、日本語訳の歌詞がぶち壊しだったわー。

原語


日本語


そもそも日本語は英語と比べて一音節に含まれる情報量が格段に少ないから、英語の歌詞の意味を全部日本語に置き換えて同じメロディに突っ込むなんて無理なんだよな。

だから一語一句にはこだわらず、曲全体を通して伝えたいテーマや感情、情景を日本語で表現すればいいと思うわけ。そのためなら順番入れ替えてもいいし、省略してもいいし、なんならオリジナルの文章を加えてもいい。

逆に一語一句を訳すことにこだわると、かえってその歌曲の本質が失われると思う。英語と日本語は違いすぎるからね。

あと、訳詞といっても「詩」だから、詩として成立させて欲しい。
英語には英語の韻の踏み方があるように、日本語には日本語の韻の踏み方があるわけだからさ。

そういう意味で「Out there」は酷かった。日本語舐めてんのかって感じ。なんか、英語歌詞をそのまま訳して無理矢理メロディに乗せた感じで字余り字足らずが目立つし、リズム感も無いし、言葉の選び方にセンスを感じない。



ディズニーアニメの訳詞は程度の差はあれどガッカリクオリティが多いんだが、山寺宏一の歌う「アラジン」の「Prince Ali」は好き。

原語


日本語


例えばイントロのコーラスで
Make way for Prince Ali
Say hey! It’s Prince Ali

なのが日本語では

♪頭(ず)が高いぞ
プリンスのお成りだ

ってなってるんだけど、「Make way」が「道を開けろ」じゃなくて「頭が高いぞ」ってところに鳥肌立った。
英語では「頭が高い」なんて一言も言ってないし、そもそも米国人には「頭が高い」という概念は無いわけだが、アラジンをアリ王子に仕立てて荘厳なパレードをするというこのシーンは、日本人にとって「頭が高いぞ」という表現が最も当てはまると思う。

で、アナ雪の「Let it go」は私にとって「Plince Ali」以来の素晴らしい訳詞なんだ。

原語


日本語


日本語の歌として成立してる。字余り字足らずがほとんど無く、一語一句を訳すことに執着せず、日本語ならではの表現とリズム感で曲の世界観を表している。まるで元々日本語の歌として作られたかのよう。
あと記事にもあるけど、リップシンクがすごい。
そりゃ一昔前のセルアニメと違って、完全に英語の動きになっている口に日本語を歌わせるのは無茶なんだけど、例えば

The cold never bothered me anyway

が日本語では

♪少しも寒くないわ

ってなってて、「anyway」と「ないわ」のリップシンクがすごい。本当に「ないわ♪」って歌っているように見える。

もちろん「The cold never bothered me anyway」は「少しも寒くない」という意味ではない。
直訳すると「ちなみに私は寒さに煩わされたことなど一度もない」って感じになるのかな。
つまり、寒くないわけじゃない。寒いけど、雪の女王であるところのエルサにとってそれは不快であるどころか、むしろ心地良いことなんだよな。
今まで他人を傷つけないように、他人に恐れられないように自分の力を抑圧してきたけれど、彼女の力は彼女自身を傷つけたことは一度もない。だからもう力を抑圧することはやめて、人里離れて好きにやってやる。誰もいないところでありのままに生きていく。
そういう複雑なニュアンスを含んだ文章なんだけど、日本語ではたった十音節でそれを表現することはできない。なので「少しも寒くないわ」は良い妥協だったと思う。

というわけで、私は「Let it go」をすごく気に入っているんだが、文頭に書いたように、日本語の歌として単独でも成立している反面、劇中曲として成立していないと思うんだよな。

どっちも「ありのままに生きていこう!」って歌っているんだけど、原語は日本語のポジティブなイメージと真逆で、むしろネガティブな歌だと思うんだよな。

記事に
「今の普通の若い女性たちが気持ちを重ねられるような歌詞」
とあるように、日本語版は「もう自分を偽らなくて良いんだよ」「ありのままのあなたが一番素敵なんだよ」「自分を装わないで、生身の自分で社会生活を送ろうよ」って感じ。「ありのまま」は自制・自罰・自虐からの解放を意味している。

原語版にも「自分からの解放」というニュアンスも無くはないけど、それよりも「他者からの解放」の方にウェイトが置かれていると思う。たとえば

Don't let them in,
don't let them see
Be the good girl you always have to be
Conceal, don't feel,
don't let them know

この辺に他者からの抑圧に対する恨み辛みが込められてる。で、さらにここから

Well now they know (手袋ポイッ)
Let it goLet it go~……

と続くわけだ。
「よい子でいろ、絶対にバレるな、って言われてきたけどバレちゃったもんはしょうがない。隠しても無駄だし好きに生きるわー。」と開き直ってる。

Turn away and slam the door
直訳:背を向けて、ドアを思いっきり閉めてやる
I don't care what they're going to say
直訳:誰が何と言おうと気にしない
I'm never going back, the past is in the past(ティアラポイッ)
直訳:二度と戻るもんか、過去は過去へ

ここら辺の歌詞からも、エルサを「ありのまま」でいさせなかったのはエルサ自身じゃなくて「他者」であり、エルサがそれを嫌悪していることが伺える。
極めつけはこれ。
Let it go, let it go
That perfect girl is gone
意訳:好きなようにさせていただくわ。ご所望の「よい子」はもう死んだの。

なんかこう、日本語版と違って原作はかなり攻撃的でやけくそだよな。どう考えても、「会場のみんなも一緒に歌おう!」ってテンションの曲じゃない。

で、この歌の後エルサがやったことは単なる引きこもりだろ?
「自分を装わないで、生身の自分で社会生活を送ろうよ」なんてとんでもない。
エルサは他人を傷つけたり怖がらせたりさせないように、社会をシャットアウトした。
エルサがありのまま生きるには、社会と断絶するしかなかった。
引きこもる場所が実家かマイホームかだけで、本質的には何も変わらない。
Let it go」は壮大な引きこもり宣言なんだよな。底抜けに明るいネガティブソング。
それに対して、日本語のポジティブで前向きな歌詞は、映画の展開と矛盾してると思う。



上述のネガティブな歌詞は、和訳では全く別の言葉に置き換えられていることが多い。

I'm never going back, the past is in the past(ティアラポイッ)
直訳:二度と戻るもんか、過去は過去へ

が日本語では

♪輝いていたい もう決めたの

になってたり。
あと、原語でエルサは「よい子でいなさい」と抑圧されたことにかなり執着を持っているんだけど(”Be the good girl you always have to be” や “That perfect girl is gone” など)、日本語版では「よい子」に関わる歌詞が出てこない。



それから、同じ意味として和訳しているんだろうけどニュアンスが全然違う歌詞も結構ある。

例えば日本語では

♪二度と涙は流さないわ

なんだけど原語では

Youll never see me cry

になってる。「二度と涙は流さない」という意訳も正しいだろうが、この場合は直訳の「あなたが私の涙を見ることは二度とないだろう」の方が本来の意味に近いと思う。
「私、もう泣かないの!ありのまま笑って生きるわ!」なんてポジティブな意味じゃない。
「二度と貴様の前で泣くかバーカ」くらいネガティブで挑発的な歌詞だと思う。

あとはサビの部分で何度も出てくる

♪風よ吹け

いかにも「明日は明日の風が吹く」みたいな、エルサの新しい人生や将来への希望を彷彿とさせるような言葉だけどさ。原語では

Let the stome rage on
直訳:嵐よ荒れ狂え

なんだよね。「風よ吹け」っちゃまー「風よ吹け」なんだけど、テンションに天と地の差があるよね。希望どころか、破壊衝動を感じる。

と、長々とボロカス言ったけど、「Let it go」も「ありのままで」も好きな歌です。

でも完全良い子ちゃんな「ありのままで」よりも「Let it go」の方が毒を感じるから好きかな。

2014年9月10日水曜日

私の海外渡航歴

1996年7月 タイ
2004年2月 スペイン
2005年3月 台湾
2008年2月 韓国(済州島)
2008年8月 ウズベキスタン
2008年8月 キルギス
2008年8月 カザフスタン
2008年9月 シンガポール
2012年4月 中国(上海、蘇州、杭州)
2014年2月 モロッコ

国の数はまあまああるけど、地域は限定されているな。
東アジア、東南アジア、中央アジアと、やはりアジア圏が主。
スペインとモロッコも地中海をはさんでお向かいさんだし。
そしてなぜか英語圏・キリスト教圏を避けたラインナップ。
まあシンガポールは英語圏、スペインはキリスト教圏と言えるかもしれないが。

ハネムーンはどこに行こうかなぁ。
そろそろ普通に欧米列強に行きたい気もする。

2014年7月2日水曜日

生理カップ

Twitter でもつぶやいたけど、今回は生理カップなるものを使ってみた。

http://www.amazon.co.jp/DIVA-CUP-Größe-ディーバカップ(モデル1-1個(海外直送品)/dp/B00CBT0WDS

以下、そのレビューをば。

生理カップは現在日本では製造・販売されていないが、アメリカ・イギリス・カナダ等では数十年前から普及しているポピュラーな生理用品らしい。
日本における生理用品の定義は
・経血を吸収処理することを目的とするもの
・使用面は、白色
なので生理カップはこの基準に当てはまらず、医薬部外品として販売することも出来ないらしい。
とはいえアマゾンでも楽天でも買えるので入手は簡単。
私がamazonで買った時は日本語の簡易説明書もついていたので安心。
ぐぐればいくらでも日本語での取り扱い方法はヒットするしね。
ただ安価な粗悪品も出回っているのだそうで、安くてマイナーなメーカーのものは避けた方が無難かも?

生理カップは膣に挿入し、経血を体外に漏らさないようにするものなので、その意味ではタンポンによく似ている。

タンポンと比較しての利点は
1. 再利用可
使い捨てのタンポンと違い、医療用シリコンで作られたカップは10年は使えるらしい。生理カップは3000円くらいで購入したので、タンポンを使い続けることを考えたら数ヶ月で元取れそう。
そして何よりゴミが出ないので地球に優しい。保険の意味で着けているナプキンを布ナプキンにすれば生理によって出るゴミを0にできる。

2. 長時間使用可
カップはタンポンよりかなり多くの量を収納できる。もちろん人によりけりだが、多い日でも12-3回の交換で済むらしい。
さらにタンポンと違ってカップはTSSのリスクがない(低い?)らしい。
というわけで、タンポンより長時間の装用が可能。タンポンは最長で8時間までしか使えないが、カップは12時間入れっぱなしでもOKらしい。

3. 経血量がわかる
カップ内に簡易の目盛りがふってあり、経血量を計測することが出来る。
だからなんだって話だが、興味はある。
健康管理の一助にもなる。

4. 膣が乾燥しない
タンポンは経血の量が少なくなると膣内壁の水分まで吸収してしまう。すると新たなタンポンを挿入する際摩擦で痛い。なので私はしばらく待って、膣内が潤ってから再度挿入するか、ナプキンのみで耐えるかしている。
粘膜が乾燥するのは膣内環境……常在菌やpHの維持という意味でもあまりよろしくないと思う。タンポンの細かい繊維が膣内にひっつきそうだし。
カップはシリコン製で水分を吸収しないので、経血が少なくなっても使用可能。

乾燥とは関係ないが、経血は液体だけでなく粘度の高いゾル状の分泌物もあるため、タンポンの場合経血が子宮口から出てもすぐには吸収されず、逆に子宮口を塞ぐ蓋となって子宮内に経血を押し戻す可能性があるらしい。でそれが月経困難症の原因の一つかもしれないそうだ(婦人科医談)。
その点カップは膣口付近に装着され、またカップ状の形状から、子宮口を塞ぐことはあり得ない。

5. 外から見えない
タンポンは経血が外に出ないので、プールや温泉で他人に不快な思いをさせずに済む。とはいえ、タンポンの白い紐を股間からプラーンとさせて温泉をふらつくのはなんとも恥ずかしい。尻に挟むなどして隠さねばならぬ。
その点カップは体外に出ている部分がほとんど無い。せいぜいカップの底部についている細いつまみが1 cm ほど出るくらいだが、それすら陰唇に覆われて、外からは全く見えない。
どのみち生理中の公衆浴場やプール利用は衛生面であまりよろしくないが、それはまた別の議論。

次に欠点。

1. 着脱が難しい。
カップは折り畳んで挿入するのだが、このときの太さはタンポンより太くチン○より細い。ので、大人女子向けだと思う。
私の使用しているディーバカップにはサイズ130歳未満・未産婦用)とサイズ230歳以上・経産婦用)があり、私は30歳だが未産婦であり初心者なのでサイズ1を選んだが、これなら結構スルッといける。

取説には挿入した後「カップを開くために底部をつまみ、一回転させる」とあるが、私にはこれができない。「できない場合は正しく装着されていない」と書いてあるが、異物感はないし多い日でもモレないので、たぶん私の膣の形状が「回らない・回らなくてもカップは正しく開く」んだろう。知らんけど。
あと取説の「尾てい骨と平行に入れる」の意味が分からない。私は膣が左方向に曲がっているので、挿入後体外に出たつまみ部分も斜めになってる。

まあアプリケーター付きで股間に直に触れる必要がほとんどないタンポンと比べれば「着けにくい」と言わざるを得ない。

が、より難しいのは外す方である。
タンポンは膣の奥で使うがカップは膣の入口で使うものである。なので取説には「つまみの部分は 1 cm 程度体外に出すこと。膣口から 1 cm 以上押し込まないこと」とある。
が、私の場合膣の形状の問題か、浅く着けても徐々に吸い込まれ、膣の奥の方で安定してしまう。膣口から1 cm どころではない。
出産よろしく腹圧をかけ多少カップが降りたところを、親指と人差し指を第二関節までつっこんで引っ張り出すしかない。カップ内は陰圧になっているので、引き出すにも結構力が要る(一応空気穴はついているのだが)。爪を短く切っていても小陰唇が挟まると痛いし、いくら大人女子といっても指二本突っ込んでごちゃごちゃやるのはそれなりに痛い。指汚れるし。

膣の長さは10 cm未満で、カップ自体にそれなりの長さがあるので、最悪膣の一番奥に行ってしまっても「指が届かない!取り出せない!」なんて事態にはならないが、紐を引っ張れば済むタンポンに比べればかなり煩わしいことには違いない。

引き抜く時に勢い余って経血をぶちまける事故を危惧していたが、わざとそうしない限りは大丈夫そう。

2. 再装着の際に洗浄が必要
カップの大きなメリットは再利用が可能という点だが、その前に洗浄をしなくてはならない。
完全な液体ならトイレにポチャッと中身を捨てられるが、ご存知の通り経血には粘度の高いゾル状の物体やらわけのわからない固形物もたくさん含まれていて、それらが取り出したカップにこびりついている。
私は一人暮らしなので、トイレでカップを取り出した後尻丸出しの状態で風呂場へ駆け込み、そこで水道水と石鹸で洗浄し、カップを再装着しているが、問題は出先である。

誰が来るかもわからない職場のトイレで、経血がこびりついたカップを持って個室から出て、外の洗面台で洗って、また個室に戻って再装着なんて出来ない。
ウェットティッシュなどで拭き取り、帰宅後しっかり洗うという手段も取れるそうだが、拭き取っただけで膣に入れるって個人的になんかイヤ。手も汚れるし。やはり流水でしっかり洗いたい。

生理カップが普及している欧米列強では公衆トイレの個室内にも洗面台が備え付けられていることが多いらしい。それなら個室内でことが済むから良いんだけどね。

家にいるときはカップを、外出するときはタンポンを、と併用するのが良いだろうね。
タンポンの何本分かでもカップに置き換えればゴミは減るし。




レビューは以上。興味を持たれた方はおためしあれ。


ディーバカップ使ってる人に質問なんですが、パッケージの中のバッジと針金とシールのようなものは何に使うんでしょう?

10/3追記。
ディーバカップについている謎のシールは万引き防止のタグだそうです。




コメントで匿名さまが教えてくださいました。
ありがとうございました!

2014年6月30日月曜日

パーティーレポート4. 祭の後

・17時前にはブライズルームに引き揚げ、着替えとお片づけと金勘定。 
ビュッフェはほとんど手を付けられなかったのだが、会場スタッフが適当にピックアップして素敵な感じで盛りつけてくれたものを部屋まで運んでくれた。マジ有り難い。 

そうそう、会場に対する愚痴の筆が先走ってしまったが、「新郎新婦に快適に過ごしていただく」ということに関してはすごくこまやかな心遣いをしてくれた。パーティー当日ももちろんだし、それまでの打ち合わせ等でもそれを感じた。 


あと、料理が美味しくて本当に良かった! 
二次会にしては高額な会費だったので、これで飯がショボいとかだったらどうしようかと不安だったんだ。充分以上のクオリティで安心した。
量も不安だったんだけど、デザートビュッフェは余ってたので足りないってことはなかったのかな?そう信じたい。

・18時半頃会場を後にする。最後にお世話になったプランナーさん、マネージャーさんと記念撮影。

・その後恵比寿で飲んでいた夫の大学時代の友人達に混ざる。21時半くらいまで飲む。

・22時頃夫宅に帰宅、温かかったし汗もかいたので、久々に銭湯へ。
公衆浴場にて特濃の化粧とバリバリの髪の毛をとかす。迷惑な人。

何もかも完璧というわけにはいかなかったけれど、特に大きなトラブルもなく、ゲストの皆さんに会えて、やりたいことが全部出来て、素敵な時間を過ごさせてもらった。
一生に一度の思い出として、悔いのない一日を過ごせた。とても満足。

パーティーレポート3. お色直し入場〜お開き

・お色直し入場のタイミングを会場を出たところで待っていたんだが、ここでまさかの司会ミス(?)が! 

お色直し中座中に流す歓談BGMの最後の曲を『サンダーバード(テクノアレンジ)』にしてくれ、と妹夫婦やプランナーさんに頼んでたのね。 

それというのも、その『サンダーバード』の音源は、夫が大学時代に所属していた手品サークルにて、学祭のステージ開演前に流れていた曲なのね。 

ここで重要なのが開演のオープニングテーマではないこと。
『サンダーバード』は曲の長さが3分とそこそこ長いので、「あと3分で開演ですよー」という意味で使われる。

当然そのことを知っているのは夫の手品サークル関係のゲストだけなのだが、他のゲストがただの歓談中のBGMとして聞き流している中、彼らだけが「おっ?」「そろそろ入場か?」と反応する。そういう内輪ウケを狙ってたわけ。

だから『サンダーバード』再生のキューは司会のアナウンスではなく、お色直し完了の報告を無線で受けた会場スタッフが直接妹夫婦に指示してくれ。もし『サンダーバード』再生終了後新郎新婦が会場に間に合いそうになかったら、普通の歓談BGMに戻ってくれ。

ってプランナーさんには打ち合わせの初期から言ってたのよ。
間違いないように進行表も演出のキュー出しの表も作って、司会にも同じ資料が行くようにお願いしたのよ。
『サンダーバード』は歓談BGMのひとつに過ぎない。
『サンダーバード』再生終了後に司会から「新郎新婦入場です」とのアナウンスがあり、そこで改めて入場用の別BGMが流れ、新郎新婦が入場する、と。

なのにやられた。

司会が「新郎新婦のお支度が整ったようです。どうぞ!」みたいなことを口走り、会場内はサンダーバードのイントロ

ファーイブ!
フォー!
スリー!
ツー!
ワン!!!

Thunderbirds are go!!!

が響き渡る。

ちげーよ!
ちげーよ!

このやり方じゃ、まるで” Thunderbirds are go!!!”のところで新郎新婦が大登場するみたいじゃん。

まさか、会場照明も落ちてたりしないだろうな?
スポットライトが入口に当たってたりしないだろうな?

あと3分は出ないんですが。

ダレる。
これはダレる。
客がダレる。

あー、最悪だ。マジ最悪。

あれだけ時間かけて作った進行表を、会場スタッフも司会も目すら通していないことがよくわかった。
初期の打ち合わせの内容もメールのやり取りも忘れられていることがわかった。

っていうか普通に考えておかしいだろ。
どうぞ!!!って煽っておきながら3分も出てこないって(ちなみにサンダーバードが3分であることも報告済み)。
段取りに違和感があるなら確認して欲しいわ。
「新郎新婦がそれでいいなら……?」で勘違いしたまま全てをスルーされるとか、たまったもんじゃない。

音響担当の妹夫婦も、私の言ってることと会場?司会?の言ってることが違うので、困ってしまったことと思う。申し訳ない。

・カーテン裏で夫と共に「やめろー!いっそサンダーバードとめろー!とめてくれー!!!」と悶絶しつつ無為な3分間をやりすごし、やっと本命の入場BGMがかかる。

そういえばこのとき、司会無言だったな。
ちげーよ。
サンダーバード後に「新郎新婦入場」のアナウンスをしろって言ったのに、進行表にもそう書いたのに、なんも見てねーのな。

ちなみに入場曲は父の所属する「カテリーナ古楽合奏団」の曲、「美しく優しい乙女」。個人的に思い入れのある曲。

今回の入場は夫もゆっくり歩いてくれた。

・そして本日のメインイベント、手品。
夫の手品サークル仲間K氏が新聞紙を使ってその場で作ったタンバリンのような筒から、信じられないくらい大量の物体を次々と取り出す。
そして最後に取り出した布には、ゲスト一人一人からのメッセージが!
このサプライズプレゼントには感動した。

チェキとかもやりたいなぁとは思っていたのだが、そのためにはゲストの誰かにカメラマンを依頼しなければならないし、なんとなく言い出せなかったんだよね。
だからシルククロスの寄せ書きプレゼントは本当に嬉しかった。
家宝にします。

もしかして受付時間にみんな書いてくれたのかな。だとしたらあの無駄に長い待ち時間も無駄ではなかったということか?そうだといいなぁ。

K氏の横に控えていたアシスタントの女性Dさんは、やはり夫とK氏の同期であり、K氏の手品の師匠でもあるらしい。あと道具の出し入れをしてくれたW氏も手品サークル仲間。
皆さんで夫のために一肌脱いでくれたということらしい。
有り難いし、素敵なことだね。夫の大学時代が偲ばれる。
あとその分業というか手際の良さが、アマチュアとはいえ舞台に関わってきた者の心意気を感じさせた。

・お次は新郎自ら手品を披露。
ただの紙を丸めたものを宙に浮かして、自由自在に操る。
すげえ。どうやって浮いているのかわからない。紐でも磁石でもないのは確かなんだが。

次は丸めた紙を一旦ほどいてお花を作り、それを浮かす。が、何かトラブル発生したらしい。どの辺がうまくいっていないのかわからんが、とにかく壇上の夫がテンパっている。頑張れ。夫超頑張れ。

しかし最後には、紙で作った花に火をつけ、本当の薔薇に変化させることに成功!
そしてその薔薇を客席で普通に手品鑑賞していた私にくれた。
キザだな!イッケメーン!

・そのまま夫に手を引かれてステージに上る私。
そして次の手品開始。
要するに夫が無作為に選んだカードと私が無作為に選んだカードが一致した!不思議!という単純なものなのだが、相性占いと絡めたりなど、夫のトークがうまかった。
紙を浮かす手品は初挑戦だったそうなのだが、カードの手品は何度かやったことがあるらしく、先ほどよりもだいぶ落ち着いているように見えたので安心した。

おそらく夫のカードと私のカードが異なると見せかけて、いつの間にか夫のカードが私のカードと同じものにすり替わっていた!ということだと思うのだが、私に引かせるカードの山をゲストに見せた時にだいぶウケていたので、そっちはそっちで仕掛けがあるんだろうなぁ、とは思った。けど、その仕掛けがなんだったのか、結局誰も教えてくれない。
ビデオの納品が待たれる。

いかにも披露宴余興っぽい、ラブイチャな手品を自演してくれた夫に感謝。

・手品後、また高砂をステージ中央に戻すと言うので、その間夫と二人で各テーブルを回ることになった。

この高砂の出し入れに関しても、会場には文句を言いたい。
というのも打ち合わせでは高砂は、『淋しい熱帯魚』の前にステージの左側に寄せて、新郎もその席から鑑賞する手筈になってたんだよね。
で、高砂はそのまま二度と舞台中央には戻らない。
お色直し入場も手品余興もその後の歓談時間もずっと高砂はステージ左側にあり、新郎新婦も基本的にはそこに座りっぱなしの予定だった。

ところが実際には、高砂は『淋しい熱帯魚』の時にステージ右側のスクリーン下に移動されてしまった。そっちは真後ろにスクリーンが迫っているため、当然ながら座ることが出来ない。

その結果『淋しい熱帯魚』では夫はステージに取り残され、所在無さげに立ち尽くすしかなかった。

しかもステージ右側では座れないからか、淋しい熱帯魚が終わったらまたステージ中央に高砂が出てきた。

んでお色直し入場後間髪入れずに手品余興なので、座りもせずに高砂は右側に移動。
んで手品終わったらまたステージ中央に移動。

打ち合わせでは「高砂移動」は1回で済むはずだったのが、実際には4回も行われた。
たった2時間のパーティーで4回も。
新郎新婦が何かしようとするたびにガタガタウロウロ、邪魔くさいったらありゃしない。

まあきちっと各テーブルを回ってご挨拶できたのは良かったけれど、それならそうと始めからそのつもりでやりたかった。
例えばビール瓶の一本も持ってお酌に回れば形になるじゃん。
ないわー。

で、テーブルを回りつつ、デザートビュッフェをつまみ食いしつつ、高砂に戻ったらもうお開きの時間らしい。はや!
乾杯からお色直し中座までしか高砂に座ってねえ!
激しく出し入れしてたけど、そのせいで一瞬たりとも座れなかったって本末転倒もいいとこだろ。
「高砂は始めはステージ中央、お色直し中座からはステージ左側」なんて複雑なオーダーはせず、「常にステージ左側」って言っとけば良かった。

でゲストからは「新婚ドリーム状態でイベント詰め込み過ぎた上、段取り悪過ぎでろくろく歓談時間も取れなかった新郎新婦」って見られるでしょ?

最悪だわ。マジ最悪。恥ずかしい。

・まずは新婦からの謝辞。原稿なしで話せて良かった。笑いは取れたものの、本当に面白かったのか、笑いどころだと察してくれたのか、はたまた苦笑か失笑かはわからない。ビデオが待たれる。

・トリはもちろん新郎謝辞。私のふざけたトークと違って、夫は真面目なスピーチでビシッと会を結んでくれた。

・そして一足先に退場した後、ゲストのお見送り。
プチギフトは紅茶。パッケージがカワイイのと、ドラジェ以外のものを配りたくてこれにした。ちょっと高い。まあ一個あたり数十円の違いだけど。
「ドラジェ以外」という意見は夫と一致していたが、彼の一押しは「ツボ押しグッズ」だった。
私はそういうこまごまとした捨てにくいものが増えていくのが嫌なので消えものにこだわったのだが、もしかして疲れたサラリーマンにはツボ押しの方が有り難かったり?紅茶は好き嫌いが分かれるしな。うーむ。

改めてゲストの皆様とお話しできて嬉しかった。
こんなに無条件にちやほやされることは一生ないだろう。

パーティーレポート2. 開宴〜お色直し

・というわけで約15分押しての入場。 

「なるべくごゆっくりお進みください」と会場スタッフから口を酸っぱくして言われたにも拘らず、ガツガツ進んでいく新郎。
それにしても、ドレスアップしたみんなが会場にいるのを観た時の感動は何物にも代え難い。

・早速ケーキカット、そしてファーストバイト。
新郎から普通に食わせてもらった後、私は新郎にトングでネームプレートのチョコレートを食わせることに。
ゲストの笑いが取れてよかった。

大概新婦はケーキを大盛りにすくって新郎の口にねじ込むのだが、それは夫が激しく抵抗。あと、私の妹夫婦の時は、あえて小さいティースプーンでちょびっとしか新郎に食わせなかったのがゲストにウケていたので、私も何かやりたいなーと思ってたんだよね。

BGMはPerfumeによる “Lovefool” のカバー。
PEPSIのCMで使われてたやつ。

https://www.youtube.com/watch?v=L0iiOMvNv1Y

すごくかわいい編曲で気に入っていたのと、予定していたPerfumeダンスが中止になってしまったのでせめてBGMにはPerfumeを使いたかったので。 

 
・乾杯スピーチ
乾杯スピーチは新郎友人のI氏に依頼。
彼は国内では唯一結婚前の新郎新婦両方に会ったことのある人物。
素敵なスピーチに感謝!

・会食
ゲストをだいぶお待たせしてしまったが、やっと会食開始。
その間、司会者が祝電の紹介をしてくれる。
惜しくも参加できなかったアメリカのあいあい&にっしん夫妻からの祝電のせいで羞恥プレイをやらされる。いや、ありがとうございました。

自作のウェルカムベアと、妹夫婦のハネムーン土産であるウェルカムコアラと、あいあいからのウェディングリカちゃんと、東北大の友人からのアルパカさんのぬいぐるみと、ウェルカムスペースがやたら賑やかになる。

あと、だいぶ前に愚痴った似顔絵ウェルカムボードも結局飾ったんだけど、どうだったかな?似てたかな?自分では似てないと思うんだが、第三者の客観的意見を求む。

あとゲストの皆様が高砂に遊びにきてくれて嬉しかった!
自分が一番奇抜な格好してると言われればその通りなんだが、普段着でしか会ったことのない友人のドレスアップした姿に惚れ惚れ。九大時代の後輩の男の子のスーツ姿に萌え萌え。
しかし完全にテンパっていたため、せっかくの会話の内容を全く覚えていない。何か失礼なことを口走っていないか心配だ。
夫の友人にもご挨拶できて良かった。なんだか濃い感じの友人に囲まれている夫を見て、ほっこりした。

・お色直し中座
パーティーの裏メインイベントと言っても過言ではない、お色直し中座。
中座のエスコートを私の妹にお願いすると見せかけて、2人でバブルのアイドル Wink の “淋しい熱帯魚” を完璧に踊りきり、そして会場を去る。

https://www.youtube.com/watch?v=X4jlKvEbVrs

もともと余興でPerfumeを踊るつもりだったのだが、あいあいがやんごとなき事情で参加できなくなってしまったので断念。
そんでしょげていた私を見かねたのか、妹が「千葉姉妹でなんかやる?『淋しい熱帯魚』とか。」と発案してくれたので、飛びついた。
なぜWinkなのか、なぜ『淋しい熱帯魚』なのかは不明。

司会のアナウンスの後、客席から進み出ると思われる「新婦妹」とやらを待って会場がざわつく中、突然『淋しい熱帯魚』のイントロが流れ、そしてまさかのステージ袖から満を持しての妹登場(単に直前までそこの音響ブースで働いてただけ)。

しかもその衣装がヤバい。一部妹自作のコーディネート。
私のドレス選びに付き合ってくれた彼女は、ウェディングドレスのデザインに合わせて黒スカートを自作してくれたらしい。おまけにベールやイヤリングも、私がつけるものを確認してからの手作り。

黒ベール+黒い羽根?花?のヘアアクセで葬礼の雰囲気を醸し出し、腹を革製のゴツいコルセットで編み上げ、網タイツ風の黒ストッキングに包まれた美脚を惜しげもなく晒した妹はあたかも花嫁をかどわかす悪魔のよう。

白と黒!光と闇!婚と葬!なんという中二!

つーか、その格好で音響作業してたのね……お疲れ様……

イカれた衣装の妹登場で会場がザワッとした時が快感だった。
そして妹にマイクを渡し、二人腕を組んで回転し始めた時のゲストの反応が超気持ち良かった。踊るんかいwwみたいな。

ステージで踊り、花道を踊りながら移動し、最後は扉の前で決めポーズ。
練習ではほとんど失敗したことのない腕を絡めるところが上手く絡まなかったのが残念だったが、まあそれもご愛嬌。
二人での練習は実家で一回、会場で一回だけだったので、少ない練習時間にしてはなかなかのクオリティだったと思う。
ダンスの出来はあとでビデオを確認したい。

・お色直し
ティアラやベールをスコスコ抜き、ビスチェ・インナーを外して解放感にホッとする間もなく、母によるお色直し着付開始。

お色直しの衣装はインドのサリー。
母が40年前仕事で渡印した時に購入し、30年前に彼女の結婚式で身につけたもの。
また9ヶ月前の妹の結婚式でもお色直しで母が着付けた。
というわけで私も着ることにした。

母がネット仕込みの知識でサリーを着付けてくれる中、アテンドさんがヘアアクセとピアスを装着してくれた。
このヘアアクセはもともとネックレスとして売られていたのをピアスとセットで購入。
学会でシンガポールへ行った時にインド人街で買った。シンガポールではあるが一応現地のインド人がリアルで身につけるもの。だと思う。
買ったはいいが派手すぎて一度も使わず、存在すら忘れかかっていたのが、ここへ来てまさかの日の目を見る。

さらに母が結婚式の時につけたブローチとネックレスも追加。しかしこの日のために仙台で買ったブレスレット(¥1600)をつけ忘れた。痛恨の極み。

ちなみにエスコートの妹もそのままブライダルルームまで一緒に来て、イカれたゴスロリコスから無難なお呼ばれ黒ドレスに着替えてた。 すげえ。

いつのまにか会場を抜けてきた夫と共にチャペルで写真を撮り、再び会場へ。

・ちなみに中座の間、会場ではなれそめムービーを流していたんだが、どうだったかな?感想求む。

パーティーレポート1. 開宴前

6月某日、東京にて私と夫の結婚披露パーティーを開催いたしました。 
結婚式は既にGWにやはり東京で挙げ、その日に入籍も済ませたのですが、こちらは親族のみだったので、今回のパーティーは友人への結婚報告会という感じ。 

ご多用の中来てくださったゲストの皆様ありがとうございました。 
またご招待できなかった方々ごめんなさいm(_ _)m 

というわけで忘れないうちに当日の新婦視点でのレポートをば。

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・ 8時半起床。パーティー終了まで何一つ口にできない可能性を鑑みて、朝食をしっかり摂る。

・荷造りは昨日のうちに大体済ませていたものの、なるべくシワにしたくない新郎タキシードと新婦ベールとお色直し用のインナーは吊っていたので、忘れずにキャリーケースへ。あと昨日のうちにつけておいたネイルチップが、慣れないせいでポロポロ落ちるので、両面テープやハサミなどの爪グッズもバタバタと収納。10時過ぎ出発。

・11時前会場到着。ウェルカムグッズの設置などを済ませて、早速新婦メイク開始。

・新婦グローブを家に置き忘れたと勘違いして、一旦新郎が家に戻るか?などバタバタしてしまった。結局ちゃんと荷物に入ってた。お騒がせして申し訳ない。会場を出る前に新郎が気づいてくれてよかった。

・なんやかやであっという間に12時半。新婦ヘアメイクが終わったので、次は新郎のヘアメイク。その間私は最後のお手洗いを済ませ、剥がれた爪(って書くとなんか怖い)をつけ直す。
この頃には音響担当の妹夫婦と余興担当の新郎友人K氏が会場に来ているはず。

・15分ほどで新郎のヘアメイクと着付け終了。新郎は余興の手品グッズを持って会場へ。余興準備とスタッフとの打ち合わせに赴く

・その間私はいよいよドレスの着付。アテンドさんに「容赦なく締め上げてください」と言ったら本当に容赦なかった。

一部足が見えるアシンメトリーなデザインのドレスは余興のためであって、決して三十路BBAの勘違いミニスカではない。

通販で8000円で購入したティアラ、ピアス、ネックレスが思いの外安っぽくなく、キラキラゴージャスな感じで良かった。
レンタルだとこれだけで1万数千円〜数万円するからな。

・13時過ぎ頃、母がブライダルルームに到着。母には会費等現金の管理とお色直しの着付けをお願いしてある。先週実家に忘れたメガネを届けてくれた。母会場へ。

・カメラマンがブライダルルームに到着。式の撮影は妹夫婦に頼んだのだが、今回は奮発してプロに依頼した。9万円も取りやがる。値段分のクオリティを期待したい。
リップを入れるところとベール装着を撮影される。うふふ。

・というわけで新婦完成。新郎も会場から戻ってくる。と、手にはリポDが。なんでも、会場にて妹夫婦に差し入れてもらったそうで
これは嬉しかった。というのも、昨夜は興奮のためか目が冴えてしまい、4時間くらいしか眠れなかったのよね。会場への行きがけに栄養ドリンクを買おうと思ったのだが、種類がいろいろあって迷ってしまって、結局面倒になって買わなかった。なのでこの差し入れはマジでありがたかった。
新郎と共にキューッと飲み干し(ちなみに新婦はリップが剥がれるのを防ぐため、全ての飲み物は直径3mm程度の細いストローを介して飲む。リポDも飲もうとしたら、アテンドさんが慌ててストローをさしてくれた)、ついでに昼食のつもりのゼリー飲料も一気飲み。
戦地に赴く前に酒をかっくらう兵士の心境。

・チャペルで撮影などをしつつ、入場のキューを待つ。
今回のヘアメイクは、今まで何度かプロに作ってもらったものの中でも改心の出来だった。
挙式は和装もあってかびっくりするほど濃かったし、今回のためのメイクリハでも「ん〜、まぁこんなもんかな?」という感じだったし、他にも妹や友人の挙式などでメイクしてもらったことはあるが、今回初めて「私キレイ……♡」と思えたよ。
まあ他人の目から見ればどれも大差無いんだろうがw

・ふと時計を確認すると、開宴時刻の14時を越えている。慌てて会場スタッフに訊ねると、遅刻のゲストがおられるようで、それを待っている状態らしい。

これには正直イラっとした。遅刻のゲストではなく、会場に。
というのも事前打ち合わせでは、遅刻者がいた場合新郎新婦に相談の上開宴時間を繰り下げるかどうか決める、という話だったのよね
現場がどういう状況なのかこちらは知る由もないが、勝手に開宴時間を変えるのはいかがなものか。

仮に開宴時間が遅れたのにお開きの時刻がそのままならプログラムに大きな支障をきたすし、遅れた分お開きの時刻を繰り下げるならそれはそれで困る。
遠方からのゲストは飛行機や新幹線の時間があるから。

あと遅めのランチという時間設定なので、このビュッフェでたらふく食うつもりの人もいるだろうに、お預け状態で待たされちゃゲストは空腹でイライラしてしまうだろう。
何やってんだよ新郎新婦、早くしろよって思われてしまう。

遅刻者が誰なのか、連絡はつくのか、あとどのくらいで着くのかによって、やはり開宴時間を遅らせた方が良いということになるのかもしれないが、その判断は新郎新婦がすべきだろ。事前の打ち合わせではそうなってたろ。

確かに会場スタッフはその道のプロなんだろうが、仮にパーティーが押したせいで飛行機に乗り遅れたなんてことがあったら、責任を取るのは会場ではなく新郎新婦なのだから、そこはきちっとして欲しかった。

遅刻者を待つ優しさも結構だが、時間厳守で来てくれた大多数のゲストに失礼だ。
時間ぴったりに始めたからとて、遅刻者を含む誰にも恨まれないだろうに。

受付を閉めた後遅刻者が来場したらどうするか、という段取りも事前に打ち合わせていただけに、この開宴時刻遅延は遺憾だ。

2014年5月8日木曜日

結婚式クラフトワーク3

3. リングピロー
友禅風の千代紙で六角形の箱を作り、そこに指輪を納めることにした。このアイディアを夫に語ったところ、「それはいいね!」と反応が良かったので、「もしかして折り紙好き?」と訊いたら「好き。」とのことだったので、千代紙の箱作りは彼に任せることにした。
で、その箱にちょうど収まるような、白のサテン地で綿をくるんだピローを作り、中央に赤い江戸紐で作った「几帳結び」をパールビーズで縫い止める。指輪は几帳結びの左右の輪っかに通す。
The 和テイスト!

ついでに余った千代紙を先述の席札に流用することで、席次表・席札・リングピローのデザインが統一できて良い感じ。

4. なれそめムービー
自作が大変だし、かといって外注すると何万もかかるし、おまけにこっぱずかしいムービー作製に、夫はあまり積極的ではなかったようだ。
でも私は友人や妹のプロフィールムービーに感銘を受け、iMovie での動画製作を楽しみにしていたので、「大丈夫だから!私が作るから!」と主張。
というわけで夫分の写真・コメントとBGMを受け取り、自分パートと二人パートも合わせてシコシコ作った。友人や妹からもらった彼女らの作品も穴が空くほど見て、”iMovie プロフィールムービー”でyoutubeサーフィンして、いろいろ参考にしつつ完成。結構大変だったけど、我ながら改心の出来。
8拍で写真を切り替えることにこだわったので、一部コメントが読み終えづらいのが難かも。

私は常々自分をブサイクだと思っているのだが、なれそめムービーを作る過程で嫌という程自分の写真を見るうちに、なんだか自分の顔面がゲシュタルト崩壊して、「そういう顔の人」として認識するようになった。

以上、自慢終わり。

結婚式クラフトワーク2

2. ウェルカムグッズ
・ウェルカム行灯


和装婚であることと、挙式が夜なので光を使いたいということで、いわゆる「ウェルカムボード」を行灯に置き換えてみた。手作り行灯キットをネットで購入し組み立て、和紙は付属のものではなく席次表のものを流用。4面のうち1面には「○○家 ××家 御婚礼会場」と江戸勘亭流で印字した和紙を使用。
行灯はほぼ全て夫が作った。休日午後、一心不乱に紙を折っている(席次表)私を尻目に、日曜大工に没頭する夫。楽しい。

・ウェルカムベア
ウェルカムベアの手作りキットは3000円くらいで出ているのだが、私のこだわりはそれらに頼らないこと。
テディベアは中学生の頃よく作ったので昔取った杵柄でいけるはず、と型紙作りから挑戦。しかしボアというの?ファー?そういう毛の生えた生地をちゃんと扱うのは初めてなので、意外と手こずった。あと組み立てるのにジョイントを使ったのも初めてで、勝手が違っていて思ったような出来にならなかった。
まあいい。それも素人の味というものだろう。 新婦熊の首がもげやすいのもご愛嬌。


白くてモコモコの毛並みなのだが、足裏だけ黒なのがポイント。これは夫が着古して破けてしまったコートの生地。成人式の時に買って、10年愛用してきたコートだそうなので、捨てる前にダメージの少ない部分を切り取って使わせてもらった。 そこに式の日付と名前の書かれたバッジを作って付けたのだが、服を着せたら座れなくなってしまったので、結局当日は誰にも見てもらえなかった……下手に触ると新婦熊の首が飛ぶし……。

ドールアイは青い虹彩のものを使ってサムシングブルーを演出。といっても青いアイは売ってなかったので、透明のアイの裏に青いマニキュアを塗って代用。ラメも入っていい感じ。


羽織袴と白無垢もお手製。和服型紙はネットを参考に仮縫いを繰り返して調整した。
特に袴は自信作。ひだの構造や十字結びなど頑張った。羽織は紋を付けるに至らなかったのが心残り。
白無垢の方は羽織袴に比べると作る過程も見た目も簡素だったが、帯締めと髪飾りを付加したら華やかになったので満足。
新婦熊は顔の非対称っぷりが酷かったのだが、髪飾りを付けることによってある程度ごまかせた。

結婚式クラフトワーク1

Twitter FB でさんざんアピールしましたが、結婚しました。
今後ともよろしくお願いいたします。

結婚式が終わったので、結婚に際して手作りしたアレコレをここで自慢しようと思います。

1. 席次表、席札





親族のみ、列席者は20人に満たないということで、最初は席次表そのものが要らないんじゃないかという話だったが、やはり両家親族は初対面だし、「新郎の斜め向かいに座っている人は誰だろう」なんて思ったりもするだろうから結局作ることに。
ついでに式次第やメニューも席次表に記載。どうせ持ち帰ったらゴミになるしな!配布物は少ないに越したことはない。エコだエコ。

研究発表で培ったイラレ技術でそれっぽく作った。やっぱイラレはいいね。素人でも既製品のような仕上がりになる。
梅はネットで拾った無料素材だが、松は地味に自分で描いた。

もし研究職でなかったら、そもそも私はPCに滅法弱いので、Wordとかで無理矢理作ろうとして半泣きになっていただろう。結局外注することになったかもしれない。イラレ超高いしな。この仕事じゃなかったらソフトの存在すら知らなかっただろう

で、それらをB5の和紙に印刷し、三つ折りにして中身は完成。和紙にしたのは衣装が羽織袴&白無垢だから、和風にしたかったので。

中はできたので次は外。
A4サイズの黒い紙と赤い紙を重ねて三つ折りにし、中身を挟んで完成。外側を黒、内側を赤にして、微妙に内側の赤がチラ見えするよう三つ折りの幅を調節。この黒・赤の紙には超こだわった。新宿の世界堂で真剣に物色した。結局黒は布地を模した紙、赤はレザック紙にした。

会場装花等のテーマカラーを赤にしたので、黒地に赤の差し色が入った席次表は映えるかなー、と思って。で、三つ折り開いたら裏地が真っ赤!みたいな。


で余った黒紙と、中身に使った和紙と、リングピロー(後述)で余った千代紙で席札も作った。

紙と金の節約と共に、席次表・席札・リングピローのテイストを合わせるというアイディア!

ちなみに写真に見切れてるのはリングピロー作成中の夫。

2014年4月15日火曜日

Frozen

「アナと雪の女王」観てきた。ネタバレバレでとりとめなく感想書く。あと私はこの作品の良さを全く理解できなかったので、「素晴らしかった!」「感動した!」という方の気分を害すかも知れないので、スルー推奨。



まず良かった点。映像が素晴らしかった。音楽も素晴らしかった。アナとハンス王子のデュエットとか、エルサ・アナの掛け合いとか、お腹から共鳴させられる気がした。
そして何と言ってもエルサの「Let it go」。迫力ある歌唱と氷の城を建設していく壮麗なCG映像との融合が圧巻。自分の力を恐れ、他人に知られること、他人を傷つけることを恐れてきたエルサが「やってられんわッハーーー!!!」「っしゃああああああ、自由じゃあ!!!」と開花していく様が良かった。固かった表情や仕草もどんどん変化して、ワルそーな化粧をしたセクシー美女、でもすごく生き生きしてる、そこら辺の表現が良かった。

しかしストーリーがなぁ……。正直なんであんなにもてはやされているのか、人々がどこに感銘を受けているのか、全く理解できない。今作よりも「ラプンツェル」の方が格段にクオリティ高かったと思うんだけど、あんまり流行ってなかったよね?なんでだろ。震災とバッティングしたからかな。

私はディズニー映画が好きだ。「白雪姫」「眠りの森の美女」等往年の名作も好きだし、「アラジン」や「リトルマーメイド」は小学校の頃母に映画館に連れて行ってもらった思い出の作品だし、最近の「魔法にかけられて」や「塔の上のラプンツェル」も安定したエンターテイメント性と音楽の素晴らしさに「さすがディズニー」とため息が出る。一番好きなのは「ノートルダムの鐘」で、何度見返したか知れない。

ご都合主義の大団円?それがどうした。それがおとぎ話ってもんだろう。野暮なことを言うな。

と、ディズニー好きであると同時にディズニー臭さに耐性があると自負していたんだが、「アナと雪の女王」はどうもピンと来ない。

まず初めから腑に落ちない。
魔法の力をコントロールするには精神をコントロールしなければならない。だから平静を保つこと。恐れを抱かないようにすること。

とアドバイスされた結果、なんで幼女を幽閉することが解決になると思うんだろう。逆効果に決まってるじゃん。
アナの頭に直撃した魔法を取り除くために魔法の記憶を消去するのはいいが、その後もアナに対してエルサの魔法をひた隠しにする理由が分からない。
実際、一連の事件はアナが魔法のことを知らなかったことで起こっている。魔法を秘密にすることはデメリットしかない。
だからアナが意識を取り戻したらすぐに事情を説明して、これまで通りエルサと遊ばせれば良かったんだよ。そしたらエルサも余計なプレッシャーを感じずに、ときどき失敗することもあるかもしれないけど、充実した家庭生活の中で精神的安定を得て、心身の成長と共に魔法のコントロールも覚えていくんじゃなかろうか。
夜尿症の子どもにプレッシャーを与えたって夜尿症が治らないのは常識じゃないか。「おねしょが治るまでこの部屋から出しませんよ!」と躾けた結果、おねしょを恐れるあまり逆に頻度が増え、家から出られないせいで他人と関われないものだから精神が全く成長せず、結果大人になってもおねしょが治らない、みたいな。

親が悪い。

そう思いながら鑑賞してたので、「そしてエルサは愛を知り、みんなは魔法を受け入れ、幸せに暮らしましたとさ」というオチにも、だから最初からそうすりゃ良かったじゃん、としか思えなかった。

あと王国に王女の魔法を隠蔽する理由も分からない。まぁ王室はスキャンダルを嫌がるものだから仕方ないのか。王女の魔法を知った結果国民がパニックになるとして、それをコントロールする国力がかの国にはないのかもしれない。
でも最後に魔法の力を国民が受け入れて楽しくやってる様を見ると、やっぱり初めからこうすればよかったんじゃないの?と思ってしまう。

で親が死ぬんだが、親が死んだあとは誰がエルサを幽閉していたのか?あるいはエルサが自ら引きこもってたのか?
どっちにしても、城に残った数少ない使用人がエルサの魔法を把握していないのはおかしい。王位継承者が本人の意思であれ三年も引きこもるとか有り得ない。

あとアナというスペアがありながら、明らかに欠陥があるエルサを「長女だから」という理由で女王に据えるのはあまりに非合理的。もちろん本人も王位を望んでないし。

魔法を克服するまで外に出ないという方針を取るなら親の死後もそれを貫くべきだし、克服できていない以上王位はアナに継がせるべきだった。エルサに王位を強いた周囲が魔法のことを知らなかったのだとしても、十数年も自室から出てこない引きこもりを王位に据えようとするのはおかしい。「姉」であることがアナ戴冠への障害なら、人里離れた雪山にエルサ王女を放り出して死んだことにでもした方が現実的。結局似たような状況になったしな。

あと両親が死んだあと3年空位でも国が回っていたのに、エルサが遁走しアナが追いかけるにあたって、どうしてハンスに仮の王権を委譲する必要があったのか不明。

序盤でこれだけの疑問が浮上してしまったので、結局最後まで感情移入できなかったんだろうなぁ。

エルサを抑圧的環境に置きたいという製作上の意図はわかる。エルサが女王にならなければ話にならないし、ハンスが国の権利を委譲されないことには後半のどんでん返しが作れない。
わかるけど、そこへの持って行き方がものすごくヘタクソ。稚拙で不自然。何の必然性も感じられない。「そうするより他に仕方なかった」という状況が作れていない。

ディズニー作品に、おとぎ話に、そこまでガチガチの世界設定を要求しているわけではないが、これはちょっと酷すぎると思う。

あと全体的に盛り上がりに欠けるんだよな。なんでだろう。
テンポが速くて次から次へと色々なことが起こるんだが、そのくせストーリーが進んでいないというか……うまく言えないけど。緩急に欠けるというか。
結局始めからずっと姉→拒絶・妹→懐柔の繰り返しだから飽きるのかな。雪の女王化の前後でエルサにもっと変化を付けた方が良かったと思う。変化を付けた上で、「でも自分を恐れ他人を恐れ、心優しさの裏返しで他人を傷つけることを酷く恐れるエルサの本質は変わっていない」っていう展開とかさ。それはそれでベタだけど。でも変身の前後で見た目しか変わってないってのもどうかと思うよ。

あと時間の感覚と距離感が全く無いのも、いまいちのめり込めなかった原因だと思う。
結局王国と氷の城間の往復しかしてないのだが、どのくらい遠いのかとか、一日二日で辿り着くのかとか、ハンスたちが王国を出たのはアナが出発してから何日後なのか、とか。
あとエルサ遁走まで国の季節が夏だとは言ってなかった気が。そこらへんも行き当たりばったりすぎる気がするんだよな。

あとオープニングの氷を切り出す男達の存在価値が不明。ディズニーのことだからあとで何かあるのかと思った。クリストフのバックグラウンドも特にストーリーには関わってこないし(孤児である、トロールにコネがある、くらい)、あのシーン要らなくね?

なんというか、物語全編を10等分してそれぞれのパートを一人ずつスタッフが作ってあとでくっつけたみたいな、そういうつぎはぎ感があるんだよな。ネタバラまいてる割に結局その場限り。サウナも使わなかったし。

アナが心臓に魔法を受けて、早くなんとかしないと死ぬ!っていうのが一応物語の山場のひとつだと思うんだが、全く緊迫感がなかった。こう、死ぬまでの期限を切ってくれないことには、「どうせ物語的に都合のいいところまで引っ張って、都合良く死ぬか助かるかなんだろ」って思ってしまう。実際そうなったしな。
「今まさに死んでる最中」とか「っていうか殺人者が目の前に」とか「っていうか既に死体」とかなら、たとえ大団円が予想されるディズニーでもハラハラするのに。

ハンスが悪役で良かった。いかにもハンスが咬ませでクリストフが本命なのだが、アナがハンスからクリストフに乗り換えるにあたって、ハンスが実は悪者だった!ってのは実に都合が良い。
その点「魔法にかけられて」のジゼルは潔かった。何の落ち度も無い王子を振って、子持ちの男に乗り換えたわけだから。

あとディズニーなのだから、おとぎ話なのだから、悪者には相応の報いを受けて欲しいね。王子や姫を殺そうとした魔女は、たとえ未遂であっても報いを受けて滅びる。
ならハンスやジジイも死ぬべきでは?まあ所詮奴らは小悪党であって、滅びるほどの価値も無いわけだが。
一国の女王を殺そうとした男を国外追放で済ませるなんて非現実的すぎる。

というわけで、「アナと雪の女王」つまらなかったです。


でもハンスと見せかけてやっぱりクリストフかと思いきやまさかの姉!!!って展開は個性的で面白かった。
VPS