2013年11月29日金曜日

劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語 2

ネタバレ自重しない。未視聴の方は注意。

次はダラダラ感想を箇条書き。

・観ていてものすごく気持ち良い作品だった。内容はダークだけれども、マミVSほむらの爽快なガンアクションとか、絶望から魔女化のくだりとか、何度も観たくなる。中毒性高し。

・最初の登校シーンで、イチャイチャするさやか&杏子にため息をつくまどかを、なでなでするQBがかわいかった。

・新キャラなぎさ(べべ)について。
わざわざ新キャラを出す理由がいまいちわからん。さやかとなぎさで相互が保険だって話だけど、別にさやかだけでも良かった気が。シャルロッテファンへのサービスかな。
でもさやか以外の魔女を出すことによって、かつての魔女全員が円環と融合してる、という雰囲気は出せたかも?
あとマミさんの依存対象がQBではなくてべべなのは重要だな。
もっとも、べべがマミさんをQBからガードしてたと言うより、QBがまどかの監視で忙しかったのでマミさんの面倒まで見ていられなかった、ってことだと思うが。
ただほむらと面識のないなぎさはどうやってほむら結界に招かれたんだろう。シャルロッテなんてほむらにとっては排除しこそすれ招待したい相手では有り得ないからな。

・今回の話は前回のエピローグの、だいぶ穢れを溜めてまどかのエールを受けつつ最後の戦いに赴くほむらのシーンの続きだと思うんだけど、私はてっきりあのシーンの時は既にマミも杏子も円環されてたのかと思ってた。でもほむらが死ぬのはさやかの次なのね。やっぱマミも杏子も強いなー。

・変身BGMが各自のテーマソングのアレンジなのが良かった。杏子のテーマがオクタヴィア戦の曲で泣けた。

・マミ&まどか&ほむらのお茶会シーン、ほむらが紅茶がぶ飲みしてて笑ったwそりゃマミさんも不審に思うわ。

・マミ VS ほむらのシーンで、「私に勝てると思う?」と挑発するマミに「根比べなら負けないわ」と言うほむらのセリフで笑った。そりゃ根比べでは負けないなw

・二回目以降はOPから泣けた。さやかが「この世界は誰にとって都合がいい世界なの?」とほむらに問いかけるけど、それを踏まえて初めから観ると本当に切ない。初回観賞時は訳知り顔で語るさやかを不敵に感じたけど、二回目以降だと彼女のセリフの優しさがわかって切なかった。
まどかを守るために意固地になって、マミやさやかとは対立することの多いほむらだったけど、本当は「ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット!」とかみんなで言ってみたかったんだよね。
学校と魔法少女業の両立って大変☆でも私頑張る!だってみんながいるから!みたいなステレオタイプな魔法少女がよかったんだよね。
ほむらはまどかを魔法少女にさせないためにずっと頑張ってきたけど、彼女にとって一番幸せだったのは「自信に満ちあふれてキラキラしている魔法少女まどかと、お下げメガネで弱気な自分」の時代なんだよね。哀しい。

・記憶喪失にも関わらず、お下げメガネのほむらが最初に相談するのが杏子、というところに癒された。ほむらは「貴女が一番違和感があるから」と言っていたけれど、まあ確かに一番現実とかけ離れた生活を送っているのは杏子なんだけど、やっぱりほむらは杏子を信頼してるんだな。
ほむらにとって「まどか→庇護対象」「マミ・さやか→話通じないバカ」だから、杏子が唯一同じ目線で話せる相手なんだろうね。

いや〜、杏子たん良いわ〜。合理的だが情に厚い。感情豊かでありながら抜群の精神安定感。俺の嫁。
世界改変前も後もさやかとほとんど友人関係を深められなかった杏子が、ほむらの結界の中だけでもさやかとの楽しい日常が送れたっていうのが切ない。

「これは夢なんだな」と言った杏子に「あんたのために戻ってきた」と答えたさやか。さりげないシーンだけど、どんなに杏子が嬉しかったか、想像するだに泣ける。まあそれもほむらのせいで全部なかったことになっちまったがな。

・ほむらが、この世界が魔女結界であることに気づいてから、自分こそがこの結界の主である魔女なのだと気づく過程が陰惨で泣けた。

・ほむらがSG内部で魔女化し、マミ&杏子に倒されて結界を開くことにより、結界内に引き込んだ人間を解放&QBによる円環システム観測を防ぐことを覚悟するシーンは切なかった。よりによって自分が、まどかを唯一知っていて彼女に会える日を誰よりも待ち望んでいた自分だけが、救済を受けられずまどかとの再会も叶わず滅びるしかないという皮肉。まどかが液状に崩れて、そこに拳を叩き付けながら泣くほむらには毎度泣く。

・魔女化のカウントダウン中、頭蓋が無くなったほむらの頬を撫でる杏子が切なかった。この作品はほむらと杏子の友情がいいね。

QBの目をごまかすからくりで、まど神さま頭いいなあ!と思った。
ほむらが作る結界には人間まどかも引き込まれてしまうわけで、結界と現実を比較すれば「まどか」が鍵であることは一目瞭然だが、さやかとなぎさは現実にも存在したからQBは気づかないんだな。だから円環組の二人に神成分を預けて、自分はただの人間として、ほむらの導きに応じまんまと干渉遮断フィールドをすり抜けたと。後もう一つ、上にも書いたけど、マミの依存対象をQBからべべにしたのも重要。ただ、なぎさがどうやってほむらに招かれたのかはわからない。

・オクタヴィアがホムリリーの手を握っているシーンで泣けた。

・オクタヴィアが杏子の槍で結界を貫くシーンに泣けた。

まどか神がほむらと二人で干渉遮断フィールドを打ち破る時、ほむらに「怖くない?」って訊ねるけど、これは単に「フィールドを壊したら私が貴女を迎えに行く、つまり貴女は死ぬけど怖くない?」って意味に過ぎない。
対して「ううん、大丈夫」と答えたほむらは、「貴女が来たら、私は貴女を取り戻す。その結果自分や世界がどうなろうと構わない。貴女を守るためなら怖くない。」って気持ちだった。これだけ思い合ってる二人の、思い合っているが故のズレが切ない。

あーでもどうかな。前作でまど神は、過去現在未来のあらゆる可能性を認識していると言っていたから、この時間軸のほむらが何をしでかすのか、まど神さまにはお見通しかもね。

・人間まどかに対するほむらのセリフ、「久しぶりの故郷はどう?」に込められた万感の思いに泣けた。

・髪が重要なメタファーだと思った。まどかもほむらも髪が力の象徴で、それを結うことは力を封じることなのかと。花畑でまどかはほむらの髪を結おうとしたが失敗し、エンディングでほむらはまどかの髪を結うことに成功した。「目覚めないで、傷つかないで、どこにも行かないで」っていう二人の想いが表れてた。

・最初のナイトメア退治のときの歌、「まだだめよ♪」が映画全編に渡ってBGMとして様々なアレンジがなされていて、作品の世界観の表現に一役買っていた。
この曲とほむら救済時の挿入歌以外はほとんどテレビ版のBGMかそのアレンジを使っていたと思う。「まだだめよ♪」のBGMが叛逆の物語独自の不安定感を表していて、物語を牽引しているような。
杏子とのバス停のシーンの不気味な感じとか、魔女化シーンのズンドコズンドコした感じとか、最後の月夜に踊るほむらのシーンの静かに狂気じみた感じとか。「まだだめよ♪」の中毒性で映画を3回も観てしまった、と言っても過言ではない。

劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語 1

3回観た。ネタバレバレで感想書く。未視聴の方は注意。

まずは作品の総括。

TVシリーズの焼き直しであるところの「[前編] 始まりの物語」「[後編] 永遠の物語」の続編で、完全オリジナルの「[新編]叛逆の物語」。
前作までの感想はTV編も合わせて超長文の感想を書いた。

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編1

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編2

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編3-1:曲など

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編3-2:マミ・さやか

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編3-3:杏子

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編3-4:ほむら

劇場版魔法少女まどか☆マギカ総集編 前後編3-5:まどか

で、上記文章の締めに、

>ところで、どんな願いでも叶うなら、「全ての魔女を生まれる前に消し去りつつ、私という個体を保ってこのまま人生をエンジョイしたい。」にすればよかったんじゃ?

と書いたんだが、叛逆の物語のオチはまさにそういうことだったね。
ほむらが円環の理からまどかの個体を引き剥がした。
限界まで濁ったSGを抹消するシステムはそのままに、「まどか」が存在する世界として宇宙が書き換えられた。
結果、まどかは家族や友人のもとに帰ってこられてハッピー、ほむらもまどかを救えてハッピー、円環システムは残っているから魔法少女は魔女にならずにハッピー、これまで通り世界の歪みや負の感情は魔獣が引き受け、それらを処分したい人類とエネルギーを回収したいQBの利害一致でハッピーハッピー。

前作の、「魔法少女が魔女にならない世界になってめでたしめでたし、ただしまどかの自己犠牲を除いて。」というオチが、今作ではその自己犠牲すら無いことになったのだから、大団円ではないか。

なのになんであんなにバッドでダークな感じなんだw

前作の感想にも書いたけれど、まどかが神になることで、ほむらがどれだけまどかのために頑張ってきたかがまどかに伝わったんだよね。そこでやっとほむらが報われ、同時にまどかが消えてしまったわけだ。

今回ほむらがまどかを引き戻したことで、前回やっと伝わったほむらの思いも全部無かったことになってしまった。人間を辞めてSGになった彼女だけれども、そのSGさえGSですらない何かに変質してしまい、円環の理による救済も受けられず、前回のまどかとは別の意味でこの世のものではない存在になってしまった。「悪魔とでも呼ぶしかないわね♡」ってテンション↑↑だったけど、結局まどかという人間が被った犠牲を丸ごと肩代わりしただけなんだな。

そう思えばほむらは可哀想だし、あの据わりの悪いハッピーエンドにも一応納得が行く。でもな、「たとえまどかに忘れられようと、自分の存在がどんなものになろうと、まどかを救う」という確固たる意志で行動し、首尾よく望む結果が得られたのだから良いではないか。もっと割り切ろうぜ。相変わらずほむらは繊細だなぁ。

さやかもなんであんなに怒るんだろうね。まどかを現世に引き戻した立役者であるほむらに感謝しこそすれ、罵倒するのはいかがなものか。まあさやかは単純だから、苦悶の表情を浮かべて引き裂かれるまどかを見てほむらを悪者認定したのかもしれないし、さやかはさやかでありながら円環システムの一部でもあったわけだから、そのシステムを破損させた存在は彼女にとっては悪なんだろうな。

世界改変は、破格のポテンシャルを秘めたまどかがQBの力を使って初めて成し得たのであって、魔法少女としては凡庸なほむらがQBとは無関係に世界を変えたってのはどうも腑に落ちない、と一度目の鑑賞では思ったのだけど。
でもほむらは別に大したことはしてないんだよね。円環の理に触れただけ。世界改変とほむら悪魔化は、まどか実体化の帳尻合わせに過ぎない。
で、円環の理に触れられるのはほむらだけなんだよね。秀でた魔法少女ではないが、まどかを知っている魔法少女は彼女だけ。円環システムを根底から覆すことはできないけれど、ほむらのまどかへの愛をもってすれば、まどか本体を円環システムから抉り取るくらいは可能だったと。
ただ、まどかはちょっと気を抜くとまた神化してしまいそうになるし、それを止めるにはほむらが一人で頑張る以外ないわけだから、非常に脆弱で不安定な世界なんだな。

あとほむらはQBを奴隷化する、みたいなことを言ってたけども、結局あれは魔獣という負の存在を処分したい人間と、エネルギー回収をしたいQBとの相利共生関係を継続するってことだよね。QBとしては「人間の感情は確かに魅力的なエネルギー源だが、制御不能すぎて無理。」と逃げ出したかったけれども、ほむらと違って彼らは改変前の世界を認識できないから、やっぱり人間からの搾取を継続していく。でも別に奴隷ってほどでもないけどな。原発事故を起こした過去を忘れたから、性懲りも無く原子力発電を続けているだけで。
だからQBは今後も円環システムを解明しようとするだろうし、それを監視するほむらの存在にも気づくだろうし(エピローグを見るに、もう知ってるのか?)、まどか本体のない円環システムがちゃんと機能するのか、QBたちに乗っ取られずにいられるのかもわからない。

まあほむらとしてもまどかが天寿を全うできればあとは人類や宇宙がどうなろうと知ったこっちゃないだろうからな。そこまでQBが大人しくしてくれればいいが。

というわけで暫定的ハッピーエンドだけども、どうにもまやかし臭い、バッドエンドの予兆を孕む後味悪ーい仕上がり。

続編作り放題だな!

2013年11月25日月曜日

カップヌードルミュージアム

行ってきた。
妹に倣って私も作品を公開。

















相方の作品も無許可で掲載。

















チキンラーメンのヒヨコが上手すぎる。
VPS