2013年5月16日木曜日

5/16 とくダネ、慰安婦発言問題

終わりの方しか見ていないけど思ったことを。 
私は橋下氏の発言をくまなく押さえてるわけではないので、彼の話の本質(?)について賛同も批判もできない。言葉尻を捉えての感想に終始する。 

橋下氏が帰った後、女性コメンテーターが「男の欲望に対してなんで女が落とし前をつけにゃならんのだ」みたいなことを言っていて、私もまさにその通りだと思った。その前に男性コメンテーターが橋下氏に「あなたは女性を性の捌け口だと思っているのではないですか」みたいな質問をして、橋下氏は当然それを否定したわけだが、多分その男性コメンテーターの挑発的質問の大意も女性コメンテーターと同じ「男の欲望に対してなんで女が落とし前をつけにゃならんのだ」なのだと思う。 

橋下氏は「買春をしろなんて言っていない。ただ現実に強姦事件が多発していることから、米兵の性欲コントロールは必要ではないですか、その解決策のひとつに法で認められる範囲の性風俗利用があるんじゃないですか、と言っているだけ。彼女を作るとか、他の方法でも何でもいい、とにかく米兵の性犯罪をなくすための対策が必要。」と言っている。 

強姦被害者でも売春婦でもガールフレンドでもいいけどさ。なんで女性の使用が米兵の性欲コントロールの前提なんだ。もちろん動物には性欲があって当たり前。ムラムラするのは悪ではない。でもそれを誰にも迷惑かけずに処理してこそ理性ある人間でしょ?昨日のつぶやきにも書いたけどさ。 
アメリカ人はどうだか知らないけど、多くの日本人男性はそうやって自分の性欲を自分一人で処理してるよねえ。性風俗利用の有無にかかわらず、ガールフレンドの有無にかかわらず。 

それに性風俗の積極的利用が性犯罪抑止に繋がるのかというと、それもよくわからない。なんか客観的データがあるのかな。 

橋下氏が「性風俗というと短絡的に買春と結びつけてしまう人がいるようだが、そうではない。法に認められる範囲内の性風俗だって沢山ある。」と述べたのに対し小倉さんが「でも米兵の性犯罪抑止のために性風俗を利用すべきと言ったら誰だって買春だと思うじゃないですか。」と反論した。わたしもそう思ってたので橋下氏の発言に期待したが、適当にはぐらかして話題を変えたのでがっかりした。橋下氏自身も性風俗は買春を想定していたが、己の立場や世論の反応を省みて「法で認められる範囲の」を取ってつけたんだろうね。 

私は性風俗のホストにもゲストにもなったことがないのでよく知らないが、法で認められる範囲の性風俗って何? 
私の拙い知識による性風俗分類は 
キャバ→お酌してくれる、セクキャバ→お酌とお触り、ヘルス→ムスコをなんとかしてくれる、ソープ→交尾してくれる 
で、法で認められる範囲はキャバまでだと思うんだが、もっと性風俗には細かい分類があり、法も意外と大らかでムスコとの接触まではOKとかだったりするんだろうか。 

まあそれはどうでもいいとして、性犯罪を起こす米兵の性欲が、性風俗(それも「法で認められる範囲の」)程度でコントロールできるとは思えない。米兵の性犯罪抑止のひとつに性風俗利用をあげるなら、その効果を客観的なデータで示してほしい。 

お下の躾がなってない米兵の性欲を面倒みてあげなくても、性犯罪抑止の方法は他にあるじゃん。米兵を日本から排除するとか。それは無理でも、米兵が基地から一歩も出られないように物理的に制限するとかね。高さ50m以上のコンクリ壁とか高圧電流柵みたいなもので。米兵にも人権はあるが、現実に彼らによる性犯罪は起こっているわけだし、しょうがないよねぇ。 

コーナーの終わりで菊川怜が橋下氏に食って掛かったのがおもしろかった。菊川怜アホの子かわいい。「性風俗利用より前に戦争をなくすべきだと思います」とかww何分のコーナーだったか知らんけど、その間ずっとそこに座って話を聞いていたはずなのに何も伝わってねえww東大卒の才女なのに日本語通じてねえwwそれともアホな視聴者を代表してアホのフリをしてくれたのだろうか。でもそういうことされると「だから女はバカなんだ」って言われるからやめて欲しいな。かわいいけど。 

というわけで、米兵の性犯罪抑止の建設的手段のひとつとして性風俗利用を、という橋下氏の発言には賛同できない。 
だが私も米国にはそれを言ってやりたい。イヤミとして。 

え?性風俗利用なんて言語道断だって?性奴隷?女性蔑視?何の罪もない少女を陵辱するアメ公がどの口でwwwwご高説もっともですが、まず自分ちの飼い犬の躾をして下さいよwwwwいつもうちのスイカ盗まれちゃって困るから八百屋でのお買い求めを提案しただけなのにwwww親切で言ってるのにwwww世界の正義のアメリカさんよwwww基地内で掘り合っとけ。 



他に気になる橋下氏の発言が 
「法律上認められている風俗業で働く女性の選択の意思は尊重されなければならない。今法律上認められている風俗業を否定することこそ、当該女性に対する差別だ。」 

というもの。同時に彼は 

「法律上認められた風俗業の活用のどこが悪い。その業が、そもそも女性の人権を侵害していると言うなら、風俗業は全面禁止だろう。女性の人権侵害と言うなら、風俗業の全面禁止を主張すべきだ。」 

とも述べている。うーん、違和感はあるんだが、いかんせん私の頭が悪いので反論できない。
あれかな、「法律上認められた」という文言がいちいち邪魔なのかな。 
上述の 
橋下氏「法律上認められた風俗店は買春じゃないしwwww」 
小倉さん「いや、性犯罪の代替なら買春しかないでしょ」 
ってツッコミのように、確かに「法律上認められた」と付けると法律上認められてるんならしょーがないかーになるけど、その程度の性サービスにしか橋下氏が言及していないなら、彼の発言には何の建設的示唆もないと思うんだよな。 
「少女を犯すな、売り物の女を買えや」っていうのが彼の本心で、「オネーチャンと楽しくお食事をして、性欲をコントロールしましょう」って言ってるわけじゃないんだよな、明らかに。 

というわけで「法律上認められた性風俗」がめんどくさいし本質を意図的にズラしていると思うので「売春」と置き換えて読むことにする。 

「売春する女性の選択の意思は尊重されなければならない。売春を否定することこそ、当該女性に対する差別だ。」 

うん、だいぶスッキリした。いや、売春はあかんでしょ。頭が悪いので上手く説明できないけど、殺す勿れ、姦淫する勿れ、盗む勿れだよ。 
盗人が自らの泥棒稼業に誇りと責任を持っていたとして、彼の職業選択の自由は守られるべきか?個人の意志の尊重と特定の職業の是非には何の関係もない。 

「買春のどこが悪い。その業が、そもそも女性の人権を侵害していると言うなら、売春は全面禁止だろう。女性の人権侵害と言うなら、売春の全面禁止を主張すべきだ。」 

というわけで、女性の人権尊重やその他諸々の理由から、売買春は随分昔から全面禁止って建前なんですわな。 
キャバクラですら性の売買と解釈して嫌悪する人もいると思うし、そういう個人の感覚は他人には否定できない。法律上認められた性風俗の全面禁止を主張する人も少なくないし、私自身は共感しないものの「正しい」考えのひとつだと思う。 

「じゃあ何?キャバクラはダメでメイド喫茶はいいの?料亭の女将は?高級レストランのボーイは?単にあなた個人の気分の問題でしょ?論理的根拠を挙げて線引きできるの?ちなみに法律上は認められてるんですがwwww」 
なんて煽られそうだけどさ。宗教じゃあるまいし、法律は適切な手順を踏めばいくらだって変更可能な基準に過ぎないんで、それを錦の御旗よろしく掲げてもね。弁護士ならそれが仕事なんだろうが、政治家が、そこそこ多くの国民がなるべく理不尽を感じないよう法整備するのが仕事のひとつである政治家が、自分の価値基準の免責に法律を引用するのはどうかと思う。

2013年5月7日火曜日

人生設計考えて…妊娠いつする? 10代から「女性手帳」導入へ

ニュース本文はこれ。 
http://news.livedoor.com/article/detail/7648769/ 

まず、「女性手帳」なるものを10代女性に配布する、このこと自体は悪くないと思う。コスト相応の成果が得られるかはわからないが、女性が若いうちから婦人科に関心を持ち、子宮頸がん予防ワクチンや、子宮がん検診や乳がん検診の大切さを知っておくのは良いと思う。性病や望まない妊娠への危機意識を高めるのも重要なことだ。その中に卵子の老化と妊娠適齢期に関する知識、ライフプランに結婚妊娠を組み込んで考えることの大切さを説く内容が入っているのも賛同できる。 

が、気に食わない。「医学的に30代前半までの妊娠・出産が望ましいことなどを周知し「晩婚・晩産」に歯止めをかける狙い」ってとこが気に食わない。 

1. 
こんなもんが少子化の歯止めになると思っているってことは、晩婚晩産化は「卵子の老化に関する知識がなく、後先考えずに仕事を頑張ってきたものの、気づけば30代半ばで後悔している愚かな女ども」が原因って設定なんだろうね。もちろん一部には「卵子が老化するって知っていればもっと早くに妊娠したのに……」という女性もいるだろうから、全く意味がないとは思わない。でもね、人生設計を真剣に考えれば考えるほど「子どもを産むタイミングは存在しない」ってことに気づかされるわけよ。 
学生時代は産めないでしょ?就職してすぐ産休取るなんて白い目どころの騒ぎじゃないでしょ?かといって経験積んだらある程度重要なポジションについてしまうでしょ?そこでの頑張りが生涯収入を左右するなら、子ども産んでる場合じゃないでしょ?そんで気づいたら30半ば。 
妊婦や産婦に現金を渡すのもいいだろう。産休育休の制度を徹底するのもいいだろう。でも結局産んだことが生涯収入を大幅に引き下げるから「産めない」ってことになるわけよ。キャリアアップしたい女性だけの問題じゃなくて、ガチで「産んだら生活できない」ってカップルもいっぱいいる。一時的に現金をもらっても、子どもが成人するまでの養育費、親の介護、自分の老後を考えたら焼け石に水。男女関係なく、安定した収入を引退するまで得られる見込みがないんじゃ、とてもとても子どもなんて産めない。 

で、どうしたらいいかと言うと、結局一人一人の意識を変えなきゃいけないと思うんだよね。産休育休があっても、「子持ち女性社員は使えない」って本音がある限り、仕事を頑張りたい女性は子を持つリスクを回避する。学生結婚やら新入社員が一年目で産休やら、そういうものを「めでたいめでたい」って言いながら受け入れられるような、そういう意識が社会の偉い人たち……おっさんおばさんに根付けば少子化に歯止めがかかるんじゃないだろうか。 

つまり「女性手帳」は10代の少女だけではなく、おっさんおばさんにも配るべきなんだな。 
ってかこんな微妙なものに金をかけるより、産婦人科や保育施設などを整えた方が少子化ストップには効果的だと思うんだけど。 
まあ制度を整えるのは大変だけど、冊子を配るのは楽だからな。 

2. 
百歩譲って社会的原因には目をつぶろう。しかし老化するのは卵子だけじゃない。精子も老化する。以前も日記に書いたけどさ。それに加齢によって衰えるのは卵子精子だけじゃない。子宮の妊娠維持機能や造精機能、その他諸々妊娠出産に関わる様々な部分が加齢と共に衰える。だから体ができた成人なら、妊娠出産は若いに越したことは無いわけよ。男女共に。当たり前だけど。 

なんかしたり顔で「卵子は産まれた頃から数が決まっているから老化する一方。ところが精子は毎日新しく作られるから老化しない。」とか言ってるバカがいるけどさ。毎日作られるからなんだ?毎日作られる皮膚は乾燥して皺ができたりしていないかい?毎日作られる髪は徐々に薄く細くなっていないかい?なんで毎日作られる精子が、精巣だけが、「若い頃と変わらない」と信仰できるんだ。老化のメカニズムが違うだけで、卵子も精子も等しく老化するんだよ。 

女性の年齢が上がるほど、生殖医療の成功率は下がる。これは確かだ。 
男性の年齢が上がるほど、生殖医療の成功率が下がる。これも確かだ。 
なんで後者の知見はメディアでほとんど周知されないのか不思議。 

男性の方が高齢でも生殖可能ではあるかもしれない。60や70の爺さんが孕ませた話もたまに聞く。でもそれは「高齢でも妊娠は不可能ではない」という程度。ヨボヨボの爺さんが出した薄くて運動性も低くて奇形精子が多い劣化精液の中から、たまたま、本当にたまたま「受精可能な精子」が卵子に辿り着いただけ。不可能ではないからって打率まで維持してると思うなよ。それに、信憑性のあるデータはあまりないけど、男性の年齢と産児の先天性疾患発症率に相関がないとは言えない。女性の年齢とダウン症リスクの相関はよく言われるけど、男性に関しても同じことが言えるかもしれない。 
いずれにせよ、「妊娠出産適齢期」は男にもある。 
ってか、それは本当に爺の子どもなのか?(笑) 

だから女性手帳で高齢出産の注意喚起をするなら、男性手帳も配って男性における妊娠出産適齢期と高齢出産のリスクを周知すべきだと思うんだ。「女と違って男は爺になっても孕ませられる。だから少子化の原因は女。」なんて馬鹿な男が減れば、少子化にも歯止めがかかるんじゃないだろうか。 

3. 
百歩譲って男性の老化には目をつぶろう。少子化の原因が女性の社会進出に伴う晩婚晩産化のみであるとしよう。 
でもその注意喚起を女性だけにしても意味ないよね?結婚は一人じゃできない。妊娠も一人じゃできない。ツイッターにも書いたけど、仮に女性手帳によって女性が結婚妊娠のタイムリミットについて真剣に考えるようになったところで、 
「最近彼女が結婚結婚ってうるさいんだよね。もうちょっと独身でいたいし、仕事もこれからってときなのに。まあ女ってのは結婚願望高いもんだからしょうがないんだけどさ。こうもうるさく言われるんじゃ結婚生活も思いやられるよ。別れようかな。いや、俺もいつかは結婚して子どもも欲しいけどね。」 
ってなるのがオチだ。 
男性が結婚妊娠を現実的に考えないと状況は変わらないわけよ。 

いつかは子ども欲しいけど今じゃない。 
妊娠出産は女の仕事、俺は関係ない。 

そうやってモラトリアムを延ばし延ばしにしている男がどの口で「少子化の原因は女の社会進出」なんて言う? 
やっぱり女性手帳配るなら男性手帳も配るべきだよ。うだうだしているうちに自分も彼女も35歳を超え、やっと結婚して数年頑張ってみたものの子どもに恵まれず、不妊治療を始めたがアラフォーのカップルでは成功率も低く、結局「いつか子どもを」の夢は叶わない。そういう可哀想な男性を作らないためにも、10代の少年に男性手帳(笑)を配るべき。 
女性だけでなく男性にも、ライフプランに結婚妊娠を組み込んで考えることの大切さを説くべき。

2013年5月3日金曜日

呪い系


コトリバコの日記書いてて思ったけど、呪い系の物語っていいよね。
「呪い」といっても誰かの誰かに対する害意にはあんまり興味がない。
なんというか、悪意がないというか、ベクトルのない負のパワーみたいな呪いが好き。
で、呪い自体は負のパワーってだけなんだけど、それが生まれるに至る過程に切ない物語があるといい。
それが社会や世界の理に組み込まれてるとなおよし。
そして主人公らが何故呪いが生まれたのかを解き明かしていくという物語の運びが好き。

そういう観点で私が知ってる「呪い系」の物語をまとめてみる。
作品のネタバレをしていくので、そういうの嫌いな方はご注意。



・風の谷のナウシカ(漫画版)
[呪いの内容]
旧人類復活のために生かされ滅びる設定。腐海やナウシカらの生の否定。
[呪いの生まれたいきさつ]
戦争とか色々で世界の汚染がやばくなり、人類滅亡は必至になった。旧人類は世界浄化システムを構築することで未来に希望を託し、自身は滅びた。
[呪いのもたらしたもの]
世界浄化システム(腐海)と人造人間(ナウシカら)
[話のオチ]
人造人間が旧人類の卵を破壊し、自らの生を肯定した。

・魔法少女まどか☆マギカ
[呪いの内容]
魔法少女が魔女を食い、そのうち自身も魔女になるという生態系。
[呪いの生まれた理由]
QBらのエネルギー事情
[呪いがもたらしたもの]
少女の希望と絶望、人類の歴史
[話のオチ]
まどかが願いを叶える代償を「魔女化」から「死」に変更した。結果、魔法少女の精神衛生状態がかなり改善された。

FF8
[呪いの内容]
「神の力」が女性に憑依する。「神の力」に憑依された女性は魔女になる。魔女が死ぬと「神の力」は別の女性に乗り換える。
[呪いの生まれたいきさつ]
神に大量の子どもを殺された人類がぶち切れ、神を殺そうとした。追いつめられた神が肉体だけ人類に投げ与え、精神体は女性に寄生することで生き存えることにした。
[呪いがもたらしたもの]
魔女への偏見・迫害と、魔女による破壊の歴史
[話のオチ]
瀕死の魔女(ラスボス)が最期の力で過去へタイムスリップし、そこで主人公の養母に「神の力」を渡して死んだ。結果、「神の力」が時間ループに固定され、人類が神の呪いから解放された。

FF10
[呪いの内容]
究極召喚獣がシンを倒す→究極召喚獣が次のシンになる
[呪いの生まれたいきさつ]
ベベルの侵攻でザナルカンド滅亡が必至になった。首長エボンは市民と共に「夢のザナルカンド」を召喚し、幻だけでもザナルカンドを永続させることにした。エボンはシンを纏い、ザナルカンド召喚装置に変容。エボンの娘が究極召喚でシンを破り、究極召喚獣が次のシンになることで召喚装置を維持するというシステムを完成した。
[呪いのもたらしたもの]
人や建造物の大量破壊、召喚士・ガードの人柱的犠牲、夢のザナルカンド
[話のオチ]
全ての召喚獣を滅ぼし、炙り出されたエボンジュを撲殺し、千年続く呪いから世界を解放した。
VPS