2011年5月28日土曜日

入院の思い出

病院内のSUBWAYで隣に点滴をつけた患者さんが座っていた。

500 ccくらいのタンクが吊るしてあり、タンクの下部には透明で円柱形のジョイントがついていて、そこからさらに長いチューブが繋がっており、患者さんの腕へと続いている。

そのジョイント部ではタンクの薬液?がポタッポタッと滴下していて、チューブに薬液が送られている様子が見える。

そのポタッポタッを見ていたら、ふと自分が入院したときのことを思い出した。

特に大きな病気も怪我もなく比較的健やかな人生を送っている私だが、3歳くらいのときに1度だけ肺炎で入院したことがある。

入院するほど酷い症状だったのだろうとは思うが、体が辛かった記憶はほとんど無い。ただただ退屈だったことが印象深い。親に尋ねると入院期間は2週間程度だったそうだが、今思い返してみても1ヶ月くらいは病みついてたんじゃないかというくらい時間が長く感じられた。この歳になると何もしないでぼーっとすることは最高の贅沢なのだが、3歳児では覚醒状態でベッドに縛り付けられることは拷問に近い。むろん飛んだり跳ねたりはできないし、絶対安静と決められた時間はお絵描きや折り紙も出来なかった。夕飯までひたすら横になっていなければならない。

そんなとき、私は自分の点滴のジョイント部で薬液が滴下する様子を観察していた。といってもSUBWAY の患者さんのようにポタッポタッとリズミカルに落ちるわけではない。一滴あたり数分はかかっていたと思う。ゆーっくり、ゆーっくり雫が成長していく。もうすぐ落ちそう、というところまで雫が成長してもなかなか落ちない。それをもどかしい気持ちで見つめる。やっとその雫がジョイント上部から離れ、チューブ側に落ちたときにはちょっと嬉しくなったものだが、また雫形成から始まるのにうんざりして、それでもずっと眺めていた。

元医者の相方にその話をしたら、「点滴の薬液を流すスピードはジョイント部のコック?で調節できる。SUBWAYの患者の場合短時間で流し切るタイプだったのだろうし、君のは1日中点滴をつけながら長時間かけて薬液を入れていたので滴下のスピードはゆっくりだったのだろう。」と言われた。

もう一つ点滴関係で思い出深い話。

時々看護師さんが注射器片手に病室を巡回することがあって、私ら姉妹の病室(私に肺炎をうつされた妹は気管支炎になってしまい、姉妹まとめて二人部屋に入院していた)に来た時、妹が怖がって泣き出した。すると看護師さんは「○○(妹)ちゃんじゃないよ、点滴へのお注射なのよ。」と言って、実際注射器を使って点滴に何かした後去っていった。

相方によると、長時間点滴をしていると針の中が詰まる恐れがあるので、ときどき注射器でチュッと液体を入れることで詰まりを予防しているらしい。

これらの会話で私が感動したのは、「あの現象や作業にはそういう意味があったのか」という24年間の疑問が氷解したのもさることながら、3歳児の記憶力がかなりアテになるという事実が判明したことが大きい。

3歳の頃の記憶ともなると夢と現実がごっちゃになってて、本当に自分の身に起こったことなのかいまいち自信が無いんだよね。でもそういうとりとめも無い記憶が肺炎で入院した幼児に対する治療となんら矛盾していないことがわかって、それがすごく驚きだった。

2011年5月15日日曜日

化粧

私はいい歳をしてほとんど化粧をしない。

ほぼ毎日すっぴんで出歩く。

さすがにこれは良くないよな、自分は良くても周りから変に思われるよな、と思って何度か化粧の習慣づけを試みるも三日坊主で挫折。

なので自分用のメモとして、なぜ化粧をしないのか、苦手なのかを箇条書きにしていく。そんで対策を練ろう。

1. 研究室ではすっぴんでも違和感がない。

  すっぴん人口は少ないものの、一般企業のように「すっぴんは失礼」という概念が(多分)あんまり無いので、必要に迫られない。

2. 実験がやりづらい。

  実験する人にとって、化粧ってあんまり良くないんじゃないかなって思う。マスカラでまつげ伸ばしたら顕微鏡見づらくなるし、脂粉をサンプルにコンタミさせたくないし。女性研究者でも化粧している人は多いので、そんなに神経質になることではないと思うけど。

3. 「すっぴんは恥」という概念が無い。

  女性の多くは「化粧大好き!」「もっと自分を美しく見せたい!」というよりも「すっぴんは恥ずかしい」という理由で化粧してると思うんだよね。恥ずかしい、というのは「ブサイクだから」という理由も少なからずあるけど、「女性としての嗜みが無い」「会う人に対して失礼」という方が大きいと思うの。それですっぴんで出歩く抵抗感って理性じゃなくて生理的なものなんだよね。化粧せずにはいられないというか。私の場合、すっぴんは恥だと頭ではわかってるんだけど、生理的なところまで降りてきていないので、なかなかやる気にならない。

4. めんどくさい。

  まあ、なんだかんだ言ってこれだよね。朝化粧するくらいなら1秒でも長く寝るよ。化粧作業だけじゃなくて、化粧している間中ずっと気を使うしなぁ。おちおち鼻もかめないし。

5. 金がかかる。

  女って男より損だなーと思うのは生理用品代と化粧品代。まあ私が持ってる化粧品はほぼダイソーブランドだけど。

6. ファンデーションを毛穴に詰め込むことに対する生理的嫌悪感。

  化粧はお肌に百害あって一利無し。20代前半をほぼすっぴんで通した効果は結構あると思う。

7. 常時鼻炎、常時涙目

  特に朝は鼻水と涙目がすごい。これからの季節はまだ良いけど、冬場は特に酷い。ファンデーション塗ったそばからティッシュで鼻をかみ、マスカラ付けた瞬間涙でパンダになり、朝研究室に着いた段階で既に化粧直しが必要となるんで、全くやる気しない。「涙で落ちにくいマスカラ!」でもかなり落ちる。そうやって目の回りについたマスカラ汚れは落ちないけどね!

8. 顔をいじる癖がある。

  何かと触っちゃうんだよね。ちょっと頬がかゆいとか、鼻がむずむずするとか、コンタクトレンズに違和感があるとか。で、手とか爪の間に脂粉が入っちゃう。

9. 化粧をするのはお利口さんじゃない気がする。

  昔おもちゃ屋さんで子供用化粧品セット?のようなものが欲しいと言ったら、母に「まだ早いからダメ」と言われたんだ。「化粧が」まだ早いのか、そのおもちゃの対象年齢より幼かったからなのか、今となってはわからないけれども。それがなんとなく残ってるんだよね。「まだ早い」どころか、「もう遅い」にも関わらず。

  あと中高では校則で化粧が禁止されていたので、私は化粧は「してはいけないこと、悪いこと」のように思ってしまっているんだ。別に酒タバコと一緒で「子ども」はしちゃいけないこと、ってだけなんだけどね。ただ酒タバコに関しては大人になっても「しなくてもいいこと」なんだけど、化粧は「しなければならないこと」に変わる。その発想の転換についていけない。頭ではわかっているんだけど、生理的に受け入れ難い。

10. きんさんぎんさんに感銘を受けた。

  9に関連するけど、子どもの頃の記憶。きんさんぎんさんは生涯すっぴんだったらしい。唯一結婚式の時のみ口紅を差したことがあるくらいらしい。それを「小学○年生」という雑誌で読んで、やたら感動したんだよね。長寿の秘密はすっぴんか。私も自分の結婚式以外では化粧しないようにしよう。

  今は当然そんな風には思っていないわけだが、子どもの頃の決意は深層心理に刷り込まれてしまうので、なかなか脱却できない。

11. 夕方の化粧崩れが嫌。

  午前中はいいんだ。でも夕方の化粧崩れの顔はすっぴんよりもみっともない。毛穴の中で皮脂とファンデーションが混ざり合い、浮いてくる感じ。それが肌理(キメ)の皮溝に入り込み、筋状になる。蛍光灯に照らされ、ギトギト光る額と鼻。剥げた口紅。目元にはマスカラのカスがこびりつき、目の周りが薄黒くなってる。化粧直後はマイナス5歳肌かもしれんが、化粧崩れはプラス15歳肌。あーやだやだ。化粧直しするったって限界がある。特にマスカラによる目の周りの汚れはトイレでちゃっちゃと拭き取れるような類いではない。お湯で洗顔しないと。

12. 自信が無い。

  化粧馴れしていないので、これで正しいのか不安になる。睫毛がギャルっぽくないだろうかとか、チークがおてもやんになってないかとか、唇がぼってりしていないかとか。客観視できないだけに難しい。自宅の照明と外光では化粧の見え方が全然違うしね。

ざっと書いてみたけど、7. は体質だから諦めるしかないし、あとはもう馴れるしか無いんだよな、結局。

2011年5月14日土曜日

原発17 1号機は「メルトダウン」…底部の穴から漏水

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110512-OYT1T01114.htm

あれ?随分前からメルトダウン起こってるって言ってなかったっけ?

メルトダウンの定義って何だ?一応ウィキペディアでは↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/炉心溶融

だそうだけど・・・うーん、わかるようなわからないような。

メルトダウンが(多分2ヶ月前から)起こってたからとて、直ちに首都圏が危険になるとかそういう話ではない。前にも書いたけど

http://aqualerius.blogspot.com/2011/03/14.html

この最悪の事態以上のことは起こってないと思う。これを書いたときはいつまた放射性物質が東京に飛んでくるかわからない、という見方だったけれど、結局3月中旬に(爆発が原因で)数値が跳ね上がって以来徐々に下がってきて、再び上がることなく4月中には平常値に戻っている。こういう報道もあるけど、

http://news.livedoor.com/article/detail/5553513/

もう3月に浴びちゃった放射線はどうしようもないんで、これから関東に住み続けるとしたら食べ物に気をつけるくらいしかない。まあ殺人ユッケと違って直ちに健康に害はないしね。ガンになったらなったで、不妊などになったらなったでしょうがないか。

で、詳しい人に教えてほしいんだが、メルトダウンが起こると何が困るの?

「メルトダウン→圧力容器底に滴下→熱で底に穴があく。」

これが今1号機で起こっている、と東電が発表していることだよね?

・融けることにより燃料棒の回収が困難or不可能になる→事故収束は不可能。人類滅亡のその日まで、福島から発散される放射性物質とつきあっていかなければならない。あるいはチェルノブイリみたいに石棺とかでなんとかなるのか?

・メルトダウン→圧力容器底に滴下→再臨界、圧力容器に穴があく→圧力容器から格納容器底に滴下→再臨界、格納容器に穴があく→→→そのうちチャイナシンドローム(この場合アルゼンチンシンドロームら辺になるのか?)

・格納容器に穴が空き、土壌海水に高濃度放射性物質が漏れだす(土壌海水の汚染は今更って気もするが。放射性物質のヤバさが全然違うのか?)。

・圧力容器or格納容器底にたまった燃料が再臨界→膨大な発熱→冷却水が沸騰→水蒸気爆発→広範囲に高濃度放射性物質が飛散(格納容器の気密性はなきに等しいから、かえって爆発は起こりにくい?)

こんな感じ?このうち関東に直ちに影響を及ぼす最悪の事態は水蒸気爆発ってことかな。おせーてくだしあ。

2011年5月9日月曜日

3月のライオン

最近読んだ漫画。すごく面白かったので何人か友達に宣伝したら、既にみんな読み終わってた(笑)。

内容は「中学生にしてプロの将棋棋士デビューした男子高校生が、思春期の葛藤に苛まれながら、様々な人々とふれあうことで乗り越え、成長していく物語」ってとこかな。まだ連載中なんだけどすごく面白い。先が気になる。完結してから読み始めれば良かった。

この作品のレビューはまたの機会にするとして。最新刊で中学生のいじめの描写があり、それに触発されて自分のいじめのことを書きたくなったので、今回はそれを書くよ。以下「3月のライオン」のネタバレ含む。

 

 

 

中学3年生のひなたちゃんはクラスでいじめられている友達を庇っていたが、その友達が不登校を経てとうとう転校してしまったことをきっかけに、いじめの対象がひなたちゃん自身に移ってしまったというもの。詳しく書くと、

加害者達はクラスの女子の一部。

他の女子は遠巻きに眺めつつ関わり合いを避ける。友達を庇うひなたに「そんなことしてると次にあなたがいじめられるよ」と忠告。

男子がどういう立場を取っているかはわからない。

いじめの内容は靴を隠すなど所持品への危害が主。暴行、暴言については覚えてない(コミック返しちゃったんで読み返せない)。

ひなたと友達は小学校からかなり親しかった。

友達と加害者達との関係は忘れた(もとは仲良しグループだったのか、疎遠なクラスメートだったのか)

今のところわかってるのはこれくらい。今後もっと掘り下げられるかもしれないけど。

で、ひなたは泣きながら

「ひとりぼっちになるのはこわい。ほんとはずっと恐かった。でもっ・・・後悔なんてしないっっ。しちゃダメだっ。だって私のした事は絶対まちがってなんかない!!」

と叫ぶわけだ。そして10年間もがき苦しみ続けた主人公の零君が、その言葉に救われるんだ。感動のシーン。

感動はするんだけどさ。いまいち共感できないんだよね。もし私がひなただとしたら、傷つきはするだろうが、そんなふうには傷つかない。

だって、友達を庇ったら次は自分がいじめられることくらい初めからわかってたじゃん。それでも傍観なんて出来なかった、自分がいじめられてでも彼女を庇いたかった、で案の定自分がいじめられることになった。それってそんなに悲しいかな。いや、「ひなたのいじめ被害は自己責任、同情に値しない」って言ってるんじゃないよ、もちろん。ただ自分がひなたの立場だったとき、それは毎日泣くほどかなぁ?

学校のいじめで辛いのは、

A.味方がいないこと、

B.学校生活で色々困ること(班活動など)

C.他人の理不尽な悪意に日常的に曝されることに対しての筆舌に尽くし難いストレス

に集約されると思うんだ。まあいじめにも色々あるけど、少なくともひなたのケースはそうだし、私のケースもそうだった。

B は他の2つほど辛いわけではないが、侮ってはいけない。ダメージは精神よりも通知表に来る。課題のプリントが配布されないのも提出したノートがえんがちょされて返ってこないのも本当に困る。次の授業の教室が変更になったことを教えてくれないのも困る。理科実験や調理実習も困る。「じゃあ適当に4, 5人で班作ってー」とか死刑宣告並みの威力を持つ。

でもまあ本質的なところはやっぱA, Cだね。ACはそれぞれ違う苦しみだと思うけど、合わさると相乗効果でもんのすごい破壊力を持つ。

A, C の合わせ技の代表例は仲間にいじめられること。そもそもいじめてくる時点で仲間でもなんでもないんだが、思春期はその辺があやふやだし、小規模のグループで固まりそれ以外の人間関係が皆無ということはありがちなので、自分の属するグループでいじめられるのは地獄に等しいと思う。その点で言えば、ほとんど話したことない男子達に攻撃されていた私も、親友を転校まで追い込んだ敵に攻撃されたひなたも幾分マシじゃないかな。

あとひなたの場合、同じクラスには傍観を決め込みつつ「あの子を庇ったらあなたがいじめられるよ」って言ってくれた女子はいるんだよね。マンガの中でひなたにどれだけ友達がいるかはあまり描かれていなかったけど、少なくとも傍観者である「大多数の女子」はひなたがなぜいじめられているのかを知っている。間違っているのは加害者グループであり、友人を守ったひなたが強くて正しかったことをみんな知っている。一番良いのは誰かが正義の味方よろしく加害者グループを糾弾していじめを止めてくれることだろうけど、たとえ傍観者でも「ひなたは正しい」と思ってくれていること、それをひなた自身が知っていることで、C の辛さは相当軽減されると思う。

中学1,2年の私にはクラス内にそういう味方がいなかった。加害者グループに快活で人気者の男子が何人かいたことと私が学級委員や生徒会立候補などで悪目立ちしたことで、「あの子はいじめられても仕方がない」という空気が出来てしまった。少なくとも私は傍観者達にそう思われていると感じていた。だから味方がいなかったし、学級や学年の中では逃げ場がなかった。そういう意味ではひなたより辛い状況だと思う。

ただ私には何の救いもなかったかと言えばそうではない。部活の先輩方には本当に良くしてもらったし、世界史の先生にはとてもお世話になった。彼らがいたから、私は自分に何のメリットもない登校を続けることが出来たんだと思う。

あとひなたにも私にも温かい家族がいた。これがあるかないかで、いじめの悲惨さは全く違う。学校の寮住まいだと逃げ場が無くてシャレにならない。ひなたも私もいじめ被害者としてはまだマシだと思う。

ちなみに私は中学3年のとき、クラス内に女の子の友達が出来た。というか、女子数人のグループに入れてもらった。そうすると潮が引くようにいじめが無くなった。初めのうち男子らはその女子グループごと攻撃しようとしてたみたいだけど、うまく行かなかったみたいだ。ざまあ。

しかしながら私の「いじめてもいい人」認定は高校卒業まで続いた(中高一貫で、高校から編入する生徒が割と多い学校)。高校生になると学校一の部員数を誇る吹奏楽部に所属したことで味方が大幅に増え、学校では大概友人と一緒に行動してたのでいじめられることはほとんど無くなった。一旦友達ができると、あとは友達の友達という感じでねずみ講のように増えていくしね!友達と呼べるまでの仲になれるかはともかく、悪い人ではないと思ってもらえるのは良い。仮にいじめが起こったとしたら、味方寄りの傍観者になってくれるだけありがたい。それに友人が多いとBの悩みが一気に解消されるのね。学校生活が捗る捗る。実験も実習も友人と一緒だと楽しい。教科書忘れても他のクラスの子から借りれば良いから問題なし(←おい)。中学2年時の臨海学校は拷問のようだったけれど、高校2年時の修学旅行ときたらまさに青春そのものだったよ。

とそんな健全な高校時代だったんだけど、センター試験の帰りに友達と別れて一人別方向の電車に乗ろうとしたら、そのホームで中学時代の加害者グループにバッタリ出くわしたんだな。彼らは私を視認するや否や(一人だってことを確認してから?)火がついたように爆笑しだした。私を指差して。すごく嫌な嘲笑。わかる?「ノートルダムの鐘」でカジモドが群衆に嘲笑されるシーン。ああいう感じ。

え、何?私まだいじめられてるの?つーか約3年間一切手出せなかったくせに、「いじめてもいい人」認定は続いてたんだ。愛され過ぎだろ自分。意味わかんね。貴様ら全員落ちろ。大学にじゃなくて地獄に落ちろ。と思った。

で話を戻すと、「C. 他人の理不尽な悪意に日常的に曝される」のは本当に苦しいし、悔しいと思う。でもひなたには素敵な家族や零君がいるじゃん。それに少なくともクラスの傍観者達はひなたが悪くないってこと知ってるじゃん。高橋君がいじめと関わっているのか書かれていないけど、彼もきっとひなたが良い子だってわかってるよ。だからあんなにも泣きじゃくるひなたに共感できないんだよなー。まして彼女は誇りを持って友人を庇ったわけでさ。その結果のいじめなのに、そんなに泣くほど辛いかな。

あんたはともかくひなたにとっては泣くほどのことなんだヨ、と突っ込まれたらそれまでだけど。作者羽海野氏は姪っ子が実際に受けたいじめをモデルにしているそうなんだが、本当にわかってるのかな?いじめで一番辛いのはCだと勘違いされてたら嫌だなぁ。本当に苦しいのは「A.味方がいないこと」との合わせ技なんだよ。そしてひなたには味方がいるのに、Cだけでピーピー泣いているようにしか見えないわけよ。

あ、もしかして、それこそ高橋君がらみでなんかあったのかな。これはあり得る。あとは川本家のことでなんか言われたとか?うーむ、次巻以降に期待だな。

原発16 浜岡原発全原子炉停止へ

http://www.asahi.com/politics/update/0506/TKY201105060230.html

これは本当に良いことだと思う。菅のパフォーマンスだの思いつきだのいろいろ言われてるけど、とにかく実行することが大事。全国の原発も止まればいいのに。エネルギー源の世代交替が不可欠だけども。

とくダネ見てて違和感を覚えたのは「浜岡原発を止めるのは英断だが、そもそも地震大国日本に原発ぽこぽこ建ててきた政府はおかしい。」という論調。いや、私もその意見には賛成だけどさ。「原発止めろ」と言った菅政権の政府と、原発建てまくった政府をごっちゃにしてはいけない。

私は民主党支持者ではない。政権交替の前から。民主党がマニフェストなるものを実行できるとははなから全く思ってなかったし、唯一期待したのは自民党時代の膿を白日の下に曝し、既得権益やらなにやらで身動き取れない日本の政治に風穴を開けることだけだったけれど、それすらもてんでダメだった。というか民主党自身既にズブズブだった。自民党時代の方がマシだったこともあるだろうし、尖閣問題とか沖縄基地移設問題とかいろいろ酷い。大震災や原発事故への対応に関しても民主党の対応には糾弾されて然るべきものが少なくない。それにマスコミが現政権に批判的立場を取るのはある意味健全なこと。でもね。

原発を建てたのは自民党。原発建設で甘い汁を吸ってたのは自民党。これは忘れちゃいけない。民主党に原発とのしがらみが全く無いかは知らんけどさ。とにかく、原爆のトラウマなんのそので地震列島を原発列島にしたのは自民党なんだよ。

今の政権の体たらくを見るに、民主党の支持が落ち、反比例して自民党の票が増えるのは仕方がない。でも「原発が事故を起こしたから民主党やめて自民党にしよう」っていうのは間違ってる。先日の統一地方選挙での自民の大勝には、そういう勘違いしてる人の票が少なからず影響したんじゃないかと思う。「原発事故もあったけど原発は日本に必要なものだからしょうがない、そんなことより民主党色々酷いから自民党カムバック。」って言うならまだわかるけど。

先日の野依さんの発言(NHK)もよかった。要するに「自然エネルギーをもっと開発して、徐々に原子力とバトンタッチし、最終的に全国の原発は停止するべき」というちっとも目新しくない非常に常識的なご意見だったんだけど。ノーベル賞受賞者が発言すると大衆への影響力が違うからね。

2011年5月6日金曜日

お化け屋敷

常々入ってみたいと思っていたのだが、家族や友人で遊園地に行くと必ず一人はお化けが苦手な子がいるもんで、一度も入ったことはなかった。文化祭の出し物とか、場末の観光地にあるようなしょぼいのとかならあるんだけどさ。いかんせん「ちゃんとした」お化け屋敷に入ったことがないもんで、怖いのかも面白いのかもよくわからない。それでずっと興味を持っていたんだ。

で、このあいだ生まれて初めて行ってきた。後楽園のお化け屋敷。なんかホラー映画とのタイアップイベントだそうで、たぶんこれが「ちゃんとした」お化け屋敷なんだと思う。

あれは・・・どうやって楽しんだらいいのかわからんね。お化け屋敷にいるのは確実にお化けではないので、そういう霊的な恐怖は全く無いんだよね。じゃあ何が怖いかというと、偏に「突発的な出来事に心底びっくりする」ってことだと思うんだ。だからお化け屋敷が楽しい、というのはびっくりするのが楽しい、ってことだと思うんだ。たぶん。で、びっくりするのかというと案外そうでも無い。後楽園のお化け屋敷は仕掛けがほぼ全自動なので、「何かが起こる」というのが事前にわかるんだよね。全ての仕掛けはこちらの動きをセンサーが感知するところから始まるわけでさ。ここ開けたらなんか出るんだろうな、ここ通ったらなんか出るんだろうな、みたいにさ。まあ何が起こるかまではわからないんだけど、心の準備ができていると何が起こっても大してびっくりしないんだよね。文化祭とかの出し物の方が人間がやってる分びっくりするかもしれない。

ということは、お化け屋敷を楽しむには「驚かされる」ことに受け身ではいけないわけで、自分から「キャーこわいっっ!」「イヤーやめて!」「もうやだぁ、早く出たいぃ」と雰囲気を盛り上げねばならないのかな。絶叫マシンも絶叫するほどで無くても絶叫すると気持ちいいもんね。そういうものなのかな。お化け屋敷はそれ自体が怖いわけではないのかな。

いやでも一緒に入った相方の怖がりっぷりはガチだった。本当に動けなくなっちゃってた。出てくるのはお化けじゃなくてハリボテなのに。しかも出てくるタイミングはこちらでコントロールできるのに(センサー式)。しかも一緒にいる人間(私)は平気なのに。原始的な恐怖っていうのはそういうもんじゃないんだね。理性ではわかってても本能的なところはどうしようもないんだね。でも「動かない」っていうのは恐怖を避けるにはいい方法だ。動かなければお化けは絶対出てこないからね(センサー式)。お化け屋敷からは出られないけど。

お化け屋敷を怖がれる(楽しめる)人間と怖がれない(楽しめない)人間がいて、私は後者だってことか。むー。

いやしかし、人の恐怖を煽る様々な演出はおもしろかったよ。いきなりガラス戸に死体がべちゃっと貼り付くところとか、ガラスに鼻や指が接触しているのを向かい側から見るのは結構気持ち悪いんだよね。小さな演出だけどなるほどなーと思ってさ。

あとは最後の最後でスタンプラリーの台からにゅっと手が出てきたところとかね。まったく警戒していなかったのでこれはかなりびっくりした。やられた〜と思った。

でも一番びっくりしたのは、後楽園で遊んだ次の日に例のジェットコースターの死亡事故が起こったことだ。こわいこわい。

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