2012年5月25日金曜日

利き耳を立てる


蘇州でポスター発表したとき、相手の話を聞くのが右耳か左耳かでリスニングにかける労力が全然違った。

ポスターに向かって左側に立つと、左半身がポスター側、右半身が客側に向くので、お客さんの質問は右耳から入る。そのときは自分でも何かが降臨したのかと思うくらい、相手の話が理解できたんだよね。
で、ポスターに向かって右側に立ち、左耳で相手の話を聞いたときは、理解できなさすぎて冷や汗かいた。
なんだろう、音量は同じくらいなので聴力自体は変わらないと思うんだ。
音としては聞き取れても、言語として認識されないというか。

気になって、帰国してから敢えて左耳だけにイヤホン刺して動画見たりしたんだけど、日本語でもやっぱりちょっと違和感があるんだよね。聞こえるんだけどわかりづらい。英語の方が顕著だけど。

そういえば電話の受話器を当てるのも右耳だな。利き手が右だから右手で受話器とってそのまま当ててるだけかもしれんけど、メモを取るときも受話器を左手に持ち替えて右耳に当てるか、右肩で挟むか、いずれにしてもあまり左耳で聞くことはない気がする。

昔テレビで、右耳からの情報は論理的思考を司る左脳に、左耳からの情報は感覚的思考を処理する右脳に入るので、女を口説くには「僕の年収は○○円で、社内の出世頭なんだ」と右からささやき、「愛してるよ、一生離さない」と左からささやくと良い、なんてアホなこと言ってたけど(笑)意外と相関があるのかなぁ。

2012年5月23日水曜日

輪るピングドラム


以前から観たいと思っていたんだけど、この間ニコニコ動画で一挙放送をやっていたので視聴。ネタバレバレで感想書く。

一言で言えば、わけわからんけど面白かった。
あちこちに散りばめられた伏線が終盤でうまいこと回収されているらしい、というのはわかるが、如何せん比喩表現的なものが多すぎて、何が散りばめられてどう回収されたのか皆目見当がつかない。
でも全然わからないのに何故か面白い、引き込まれる、そういう作品だった。

『少女革命ウテナ』の監督の久々の作品とあって注目されていたアニメだけど、ウテナが苦手な私でも抵抗なしに見られた。確かにウテナっぽい点はあるんだけど(ロココ調とか、意図不明で華美な演出とか)、そういうのも含めて楽しめた。

わからないなりにまとめると、「愛」がテーマの作品なのかな。まあ愛がテーマの作品はありふれているのでもうちょっと限定すると
「愛と命、愛の分かち合い、愛の循環」
そこらへんにウェイトが置かれてる気がした。
もっと具体的に表現すると
「親に酷い目に遭わされた子どもたちが、愛し愛されることを知る話」
とまとめられるか。
本当にこの作品はまともな親が一人もいない。前半部ではリンゴちゃんの親ひでぇ……と思うんだが、後半部はリンゴ両親がまだまともに見えるくらい他の親がひどい。池辺の伯父さん夫婦が唯一の良心か。

物語が比喩的なもの、象徴的なもので語られていて、精神世界と現実が意図的にごっちゃになっていて、様々なカットに伏線や何らかのメタファー的なものが織り込まれているので、すごく難解。時系列も敢えて前後になっていたりして、「結局いつ何が起こってどうなったのか」を組み立て直すのが大変。でもそういう謎解きというか、作者の意図をパズルのように読み解いていくのがとても楽しい。

けど視聴者に謎解きさせたいなら、その作品は完璧でなければならないと思うんだよね。
「このカットのこの部分には、こういう意味が隠されているんだよ。」
って言われてもさ。
「じゃあ、あのカットでこれが描かれていないのは何か重要な意味が?!」
「ん?ああそれ、ただの作画ミス。」
とか言われたら謎解きする気が失せるじゃん。そういう類の詰めの甘さがこの作品には結構あったと思う。
まあ難しいこと考えなくても、絵を眺めているだけでぐいぐい引き込まれる、魅力的な作品だけどね。
作品に込めた隠喩が視聴者に伝わらない場合、それは視聴者が愚かなせいなのか、作者が独りよがりの中二病なのか、判断が難しいところだ。

この作品で特にわからなかったことを2点挙げる。以下濃厚にネタバレ。視聴予定の方はBack

1. マリオとはなんだったのか。
(1)マサコの目的としてのマリオ
マサコはマリオの命を救うためにリンゴの日記を狙っていたんだよね?
初めはマリオもヒマリよろしく「生存戦略!」つってマサコにピングドラムを探させたのかと思ったけど、マサコを動かしていたのはマサトシで、マサトシの狙いは「日記」の処分だった。
でも彼女がマリオのために頑張ったのはフグ食ったこととユリと戦ったことのみで、彼女の他の行動はすべてカンバのためなんだよね。
その上彼女がなぜカンバに固執するのかは作品中で丁寧に描かれているんだけど、マリオに関してはほとんど描写されない。
別にマリオいらなくね?マサコの愛をカンバに絞った方がすっきりしてわかりやすいと思う。マサコに日記を狙わせたいなら、他に動機なんていくらでもつくれるし。日記の授受をかなり重要なモチーフとして扱っている割に、マサコからカンバへ日記が渡る描写が(たぶん)無かったのも手抜きに見えた。

(2)モモカの帽子を持つものとしてのマリオ
モモカの帽子を被ったマリオが「生存戦略!」って言ってるシーンが一回だけあったけど、あれなくてもいいよね?マサコを動かしていたのはマサトシであって、モモカの帽子はマサコに何もしてないよね?まあ帽子のおかげでマリオは延命したのかもしれないけど、マサトシはマリオの延命をダシにマサコを操っているんだし、帽子とマサトシは敵対に近い関係だし、なんで帽子がそこにあるのかわからん。帽子は無しにして、マリオはマサトシの魔法によってのみ生かされている方がわかりやすいと思う。仮にヒマリと同様、マリオも初めは帽子によって蘇生して、その効力が切れたところをマサトシに付け入られたんだとしても、物語中にその設定が活かされていないなら意味無い。

2. カンバはなぜ消えたのか。
ショウマが消えたのはわかるんだ。リンゴちゃんが運命改変を行ったことによる罰を肩代わりしたんだよね。でもカンバが消えた理由がわからない。
考察サイトではショウマに返してもらった半分の林檎と自分のもっているもう半分の林檎を合わせてヒマリにあげたから、って書いてあったりするんだけど、腑に落ちん。
林檎が有限で、持っていないと死ぬものなら、ショウマの死因も林檎が無いからってことになる。でもそれじゃショウマはリンゴの罰を肩代わりできないじゃん。ショウマの死因は林檎じゃなくて焼死でなければならん。
林檎を愛の比喩だとすると林檎は有限ではないか、少なくとも自分の持ってる林檎がなくなっちゃうってことにはならないと思うんだよね。林檎をあげるというのは全部あげるんじゃなくて分け与えるってことじゃないのかな。だって他人を愛した分だけ自分の愛が目減りするって変じゃない?
で、カンバは自分の命と引き換えにヒマリを救ったんだとしてもさ。運命改変にはヒマリの生存も含まれているんだよね?ショウマが焼かれたから運命改変は成立するし、ヒマリの生存にカンバの犠牲は不要だと思うんだよな。
だからカンバが消えたのは全然別の原理だと思うんだけど、それがわからん。
いや、兄弟が消えて世界が救われたっていうオチは良いよ。カンバが死んだのが気に食わないわけじゃない。あるはずの理由が見えないのが気持ち悪いだけ。

とまあ作者の回収不足か私の読解力不足か、納得できない点は多々あれど、面白かったことは確か。
地下鉄サリン事件をなぞらえたストーリー、オウムを彷彿とさせるカルト宗教団体、ネグレクトされた子どもを処分する「子どもブロイラー」、白骨化した両親の遺体、などのグロテスクな表現にゾクゾクし。
「死んだ姉と同化することに固執していたが、ショウマと出会って自分を取り戻したリンゴ」、「自分を犠牲にして弟妹をまともな世界に返したカンバ(まあ夏芽家も大概だが)」、「親に見捨てられても愛を見つけることができたユリとタブキ」に涙し。

まあでもよくわかんないのでもう一回見よう。時間できたら。
特に各組織のマークが混乱したから見直したい。ペンギンのロゴマークが3種類出てきて、それぞれ別の組織を表しているんだけど、全部ペンギンだから初見だと違いがわからんくてチンプンカンプンだったよ。

ちなみに、番付も更新済みなので、参考までに。
http://aqualerius.blogspot.jp/2012/01/blog-post_24.html

2012年5月21日月曜日

福岡小雨

日食……。・゚・(ノД`)・゚・。

2012年5月20日日曜日

今日のドール

昨日の日記の写真をうpし直したついでに、新作の方も。
あと、襦袢を作って襟を覗かせてみた。 というか、襦袢の襟だけ作って装着した。 
浴衣っぽさは軽減されたかなー。 














ちなみに 

振袖→350円の和柄布 
襦袢襟→100円のダイソーハンカチ 
帯→210円/mのリボン 

となかなかリーズナブル。

2012年5月19日土曜日

またドール・後編


続き。 

え?ドールの全裸写真?なんのことだか。 

で、ドールの髪は化繊製で、熱を加えることでクセが取れます。 
でも温度が高すぎると融けます。 
なので給湯ポットにお湯を沸かし、そこに縦ロールを一房ずつ浸けてみた。 

半分くらい進んだところ。 


違いが一目瞭然。 
でも一房ずつはまだるっこしくなったのでこんな有様に。 


虐待?いいえ、ヘッドスパです。 

で、お湯に浸けたり髪をといたりを繰り返した。 
髪をとくのもなかなか大変。ロールどうしが絡まって何度梳いても引っかかるし、縦ロール維持のためにもともとついているスタイリング剤?糊?のようなものが意外と頑固で取れないし。 

最後にはお湯を沸騰させた鍋に、髪と頭部をラップでくるんだ状態で、脚を握って突っ込んでみた。その状態で10分ほど釜茹で。 
なるべく顔にお湯がかからないようにしていたけれど、それでも高温多湿であったことは間違いないので、メイクが剥がれなかったのは良かった。 

で、出来上がりがこちら。 

緩いウェーブの黒髪に。つやっつやだね。 
もうちょっと伸ばしたいとも思ったんだけど、お湯ではこれが限界だし、ヘアアイロンはいけるかな?と思って実家から持ってきたジェニー(20年もの)で試したら一瞬で髪が融けたので(←融かしたんかい)、断念。 

顔アップ。 

かわいいなー。何かもの言いたげな表情が良い。 


ちなみに衣装は自作。かなりでたらめな和服。
裏地つけたり、襦袢着せたり、半襟や帯揚げを突っ込んだりしたらもっと振袖らしく見えるはず。帯は片蝶結び風。 

というわけで、うちの新たな同居人、燿子(ようこ)さんです。 
よろしくね。 

またドール・前編

ついに来たよ! 
先日お話ししたJ-doll/Promenade des Anglais (プロムナード) 



かわうぃーね!花嫁さんだね! 

7700円は安くはないが、衣装込みでこの値段というのはなかなかお得でないかい?素体から組み立てるんでも1体3000円以上するし。 

で、楽天でポチッた時からやると決めていたのが、ゴージャス縦ロールをほどくこと。 
縦ロールも悪くないんだけど、櫛を通せないせいでメンテが難しいんだよね。箱を開けたが最後ボサる一方。 
あとこういうドレスなら縦ロールも映えるんだけども、私の腕ではそんな姫衣装は作れないので、もうちょっと常識的な頭にしたい。 

そういうわけで、まずはそのゴージャスな衣装を脱いでもらおう。 

スカートを脱いだところ。 


バレリーナのように、レオタードの上からスカートを穿いてたのね。 
えろい。 

続いてそのレオタードも脱いだところ。 


パンツがガーター+ストッキングと一体型だったとは。 
すごく良いと思います。 
というか作り込みハンパないな。 
細かすぎて、再度着せられる自信がない。 

残すところ下着のみとなってしまったねフッフッフ。 
お楽しみはCMのあとで!後半に続く。

2012年5月14日月曜日

趣味の話

あんまり人に話したこと無いんだけど、私はドールが趣味だ。 
子どものときからリカちゃん人形とかジェニーとか好きで、思春期以降もときどき「人形に服を作って着せ替えたい」という願望が再燃しては冷めることを繰り返している。 

燃えるのはいいとしてなんで冷めるかというと、正直ジェニーの顔が好きじゃないんだ。子どものときから。いまいち納得のいかない人形に服を作るというのも熱が続かないというか、飽きちゃうというか。 
でも着せ替え人形が欲しいならジェニー系かバービー系しかいないじゃん。バービーみたいなどぎついメリケンガールよりはジェニーの方が好きだな、と思ってたんだよ。 

しかし2年くらい前にネットサーフィンで「ドールカスタム」という趣味が存在することを初めて知ったんだ。世の中にはジェニー、バービーだけじゃなくて、実に様々なメーカーが様々なお人形を作っているらしい。しかも完成品だけでなくパーツの状態で販売されていたりして、理想のお人形を組み立てることも可能。また完成品のお人形のメイクを剥がして塗り替えたり、ウィッグを変えたりして楽しむこともできる。そうやって、「ドールをいじって自分好みにする」という趣味を「ドールカスタム」というらしい。 

以下どんどんマニアックになるので、読み飛ばし推奨。 

ジェニーが気に入らない、と言ったけれどじゃあ私がどんな人形をご所望なのかというと 

・身長 27 cm (いわゆる1/6 ドール。ジェニーもこの類) 
・目はドールアイ(義眼)
・球体間接
・顔が可愛い

以上が条件。 
ドールは概ね1/3(身長約60 cm)と1/6(身長約27 cm)の2種類が主流で、完成品は1/3ならドールアイ、1/6ならプリントアイしかない。なので1/6でドールアイが欲しいとなると自分で組上げるしかない。 
というか完成品は1万円以上が普通なので、なるべく費用を抑えるためにも自分で組み立てたいところだ。 

で、学位審査が終わったのを機にVolksのドルフィープラスの素体を購入し、カスタムのための道具類も揃えてつくってみた。けどやっぱりドルフィープラスも私の好みじゃないんだな。 
アニメ風というか、鼻と口が小さすぎるし、頭部の体積に比して顔貌の面積が小さすぎる。あと着替えるたびにヅラがズレたり手首がもげたりするのがめんどくさい。 
いや、自分の処女作だから愛着はあるよ。美人じゃないけど我が子は可愛い的な。 

他のドールアイタイプの1/6ヘッドはParaboxのグレーテルとフェアリーしかなくて、グレーテルは顔が好みじゃないし、フェアリーはまあまあなんだけど耳が人外なので却下。 

で、次は「ペイントアイ」用のヘッドを目玉をくりぬいてドールアイを嵌められるようにすることに挑戦してみた。 

購入したのはオビツのヘッド01番。このヘッドは顔が人間に近くてすごく私好み。成功したら、きっと素敵なお姉さんになるだろう。 
成功したらね。 
失敗したけどね。頭部が2個、貞子もブラウン管に逃げ帰るホラーな状態に・・・ 

やっぱりあんな小さい頭の、あんな肉厚な塩化ビニールの皮膚を、理想の形にくりぬくなんて無理だよ〜。いや、ネットでは綺麗にドールアイ型にカスタムしている人がいるし、ナイフやヤスリを何種類も揃えて頭部を何個か犠牲にすればできるようになるかもしんないけど、しばらく無理だわ。時間的に無理だわ。 

というわけで何度目かわからない私の中のドールブームが去った。ように見えた。 

が、見つけたんだよ!やっと見つけたんだよ! 
 
J-doll 
http://groove.ws/?p=2820外部リンク 

ネットサーフィンしてたら、個人のブログに載っててさ。 
ドールアイ型の1/6ドールの完成品って存在してたんだね。 
顔がモロ好み。超カワイイ。てか美しい。 

ジェニー(タカラ)とかドルフィープラス(Volks)とかえっくすきゅーと(アゾン)とかいろいろ見てきたけど、こんなに私の好みと合致するドールは初めてだよ。 
メーカーを調べたらプーリップを出してるグルーヴというところだった。 
プーリップは有名だ。でも巨頭のお人形は趣味に合わない。 

プーリップはわりとどのお店でも売っているんだけど、J-doll は見たことなかったわ。 
ドール関係の雑誌も他のドールのことしか書いてないし、2chのまとめスレもDDかSDかえっくすきゅーとばかりだし。 

顔の造形の精緻さとは裏腹にボディが貧相なのも私好み。 
Volksやオビツのボディは乳や尻が立派すぎるんだよね。 
ドール好きは男女共にいるんだけど、女性は着せることに楽しみを覚えるのに対して、男性は脱がすことに悦びを覚えるからだろうか(笑)

でも乳小さい方が着替えやすいし、服も作りやすいしね。尻の割れ目や乳のふもとの線などJ-dollは他の人形に見劣りするが、顔さえよけりゃいいんだよ。うん。 

問題はお値段なんだが・・・定価10500円が、楽天で7700円になっているのを発見。J-dollだけでなく完成品の1/6ドールは普通1万以上なのを思えば割と安い方。 
まあそれでもジェニーの2, 3倍・・・たかだか人形だと思うとやっぱり高い・・・。 
しかしオビツヘッドの開頭手術に今後7700円を費やしてもこれほどのクオリティの人形は手に入らない。 
それに将来また人形を自作することになったら、市販の見本があるのと無いのじゃ上達のスピードが全然違うと思うんだよね。 

うん、買っちゃおう。 

こういう「ムダな買い物」は久々なのでわくわく。品物が届くのが楽しみ。
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