2012年11月28日水曜日

自画自賛3

これで最後。自画自賛1、2の続き。 



4. 俳優がすごい 

特に次郎と組長のはっちゃけっぷりがすごい。この作品であれだけ客席をどっかんどっかん言わせたのはこの二人の功績と言っても過言ではない。普段の温和な二人の姿からは考えられない豹変っぷりだ。
乙姫役の私は自作パペットで亀役も担当し、一人二役でなんとか次郎&組長ばりの存在感を保ててた気がする。 
「僕は次郎、浦島次郎だ。」
の、何もかもから解き放たれたような満面の笑みがヤバい。
あと次郎&乙姫からそこはかとなく愛を感じるのが良いね。特に「学園天国」。二人とも役者だわ(自画自賛)。

5. 声優がすごい 

定期演奏会の第2部では演技をする俳優とセリフを言う声優が分かれている。俳優の人数分ピンマイクを揃える財力も無ければ、地声を張るほどの技術も無いんで、舞台袖にある2本のスタンドマイクに向かって声優が入れ替わり立ち替わり、アニメのアフレコよろしく俳優の演技にセリフを吹き込むわけだ。 
で、この声優陣の技量がすごい。私はこの代の演出長になれて超ラッキー。 

次郎役は吹奏楽部部長。声優2回目のベテランで、安定のイケメンボイス。何より本人にイケメンボイスの自覚があるんで、演技に迷いが無い。 
対する乙姫役は2年生のフルート女子。まるで女優のようにエロ可憐な美しい声で、迷わず配役した気がする。 
それから何と言っても亀役、巻き子さんの怪演……もとい熱演。いやホント、亀あっての浦島次郎だったよ。 
組長の声優も良かったなー。彼は声優2回目の2年生で、なかなかドスの利いた悪役声を出してくれてた。かと思えばところどころで浪々と歌声を披露したりね。次郎役とのコンビネーションも良かった。 
あと個人的に推したいのが、悪者Cの「てめえ、口の利き方に気をつけろってんだ!」ってセリフ。2年生の彼のセリフは確かこれだけだったと思うけど、なんかわけわからん魅力があって好きだったな。 

声優の技量は彼らのものだが、その演出は私の功績でもある。やってよかったと思うのは、今まで「俳優の演技に合わせて声優が話す」だったのを「声優のセリフに合わせて俳優が演技する」に変えたこと。俳優の演技を待ってしまうと妙な間ができたりテンポが悪くなってしまったりするんだよね。声優が勝手に話を進めて、俳優がつられて動く方が自然だし楽になったと思う。 

6. 1年生がかわいい 

うん、1年生がかわいかった。男の子も女の子もかわいかった。 
海の仲間役の子達には無理難題を強いてしまったな。曲に合わせて手品とか、舞台上でセーラー服生着替えとか。彼女らのパフォーマンスなくして浦島次郎の成功は無かったよ。組長の子分役もサングラスにアロハシャツorジャージで、なかなか良い演技してたw 
ダンスも良かった。振付けを2年生の後輩に丸投げしたんだけど、本当に素晴らしかった。後輩を信頼してよかった。 
あと1年生には縁の下の力持ち的役割をすごく頑張ってもらった。次郎の放置した楽器を定位置に持っていったり、マンボウ持ってうろうろしたり、手品グッズの出し入れしたり、本当に大活躍だったな。彼らのおかげで劇をスムーズに進めることができた。そしてその采配をしたのは私だ。 

あと10年経って客観的に見てみると、高一と高三て全然違うね!高一はまだ中学生っぽいというか、体もできていないし、若いというかあどけない感じ。高三にもなると身長も伸び、体もがっちりして、若さに欠けるが貫禄が出るというか、ただならぬオーラを放っている。次郎、乙姫、組長という主要キャラを3年生が謎のテンションで演じ、周りをかわいい1年生が囲む図は絵面的に成功していたと思う。 

7. 会場の使い方がすごい 

浦島次郎では俳優が積極的に客席に出たり、舞台裏をかけずり回って上手袖と下手袖を往復したりなど、会場を広く使った。 
冒頭乙姫とチンピラが客席両端から会場に入って、全速力で舞台に登り上手袖に抜ける演出はまさに神だね!これでいきなり客を惹き込んだね。歓声も上がったしね。つーか、客席両端でどうやってタイミング合わせて入ったんだろう。 
ヤングマンで客席に出て「Y!(Y!) M!(M!) C!(C!) A!(A!)」とやったのも受けたなー。 

あとドリル時の1年生のダンス、曲の要所要所でステージに出て踊ってもらい、あとは引っ込んでもらうことにした。その振付けも2年生にお願いしたんだけど、彼らは出番が少ない代わりに袖に引っ込んだら舞台裏を猛ダッシュして、次の出番のときには反対側の袖から出たりなど、かなり凝ったことをしてたんだよね。で、ドリルのコーダ部分ではジャンプしながらステージに入り、ドリル隊に合流するという。素晴らしい演出だったわ。 
次の年、3年生になった彼らが作った第2部は本当にレベルが高かった。 

8. ドリルがすごい 

ステージドリルの強豪校でも何でもないうちの部は、もちろんドリルの指導者もおらず、歴代演出長が見よう見まねで振りつけるわけだが、その割にはなかなかの出来だと思うんだよね。
そしてこの年のドリル、「オーメンズ・オブ・ラブ」は傑作だったと思うよ(自画自賛)。 
特に19-26小節目の8小節、43-46小節目の4小節がいいね(細かすぎて伝わらない)! 
ドリル作成に当たって気をつけたのは、観客は上からでなく前から見るということ。どんなに複雑な図形を描いても、前から見てぐちゃっとしてるんじゃ何も伝わらない。 
だから「どんな隊形か」ではなく、「どうやってその隊形になるか」ということに重点を置いたわけさ。高速移動も無理矢理交差も全ては動きを魅せるためなのだよ。無茶させてごめん。そしてありがとう。 
Cl & A.Sax の Soli の後の動きなんか、10年ぶりに見て鳥肌立つくらい感動しちゃったよ。 
観客の拍手に対してお辞儀した Soli の 4 人が、待つことも急ぐこともなく列の流れに同化し、そして全員で大きな二重円を作る過程が見事だったわ。 



ここまで読んでくれた人ありがとう。本当にわけのわからない自慢話で申し訳ない。 
アラサーになった自分の心を動かす作品を高校時代に作れた自分は、すごくいい青春を送らせてもらったんだなとつくづく思う。

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