2012年7月24日火曜日

The Amazing Spiderman


公開中だけどネタバレ自重せずに感想書く。

正直舐めてた。
シリーズ4作品目?ということで、「あの伝説のヒーローが帰ってきた!巨大組織の陰謀をぶっつぶせ!」って話かと思った。
スパイダーマンシリーズは一度も見たことがなかったが、要するにヒーローが悪をやっつける話なんだろうし、頭空っぽにして楽しむものだろうから問題ないと思ってた。

全然違った。思春期の少年の葛藤と成長を描いたハートフルヒューマンドラマだった。
結局最後まで謎の組織の正体も両親の死の真相もわからず、それが続編作る気満々なのか単に収集つかなくなったのか判別できないけど、そんなことがどうでもいいと思えるくらい爽やかなグローイングアップ物語だった。

後で調べたら、スパイダーマンシリーズは前作までが「三部作」という括りで、今回は別シリーズというか、リメイク版のようなものらしい。全然知らずに観に行ったけどラッキー。少年ピーターがスパイダーマンになる過程から見られて良かった。なかなかスパイダーマンにならないんでビックリしたけど(笑)。

養父母である伯父夫婦とピーターとの家族愛が素晴らしかった。難しいお年頃の男子高校生を厳しくも温かく見守る養父母がさりげなく、しかし丁寧に描かれていてじーんとしたし、それがあるからこそ家族を訪れる不幸の悲惨さが際立った。

最愛の伯父が殺されたこと、伯父の死にピーター自身が大きく関わっていることからピーターはいろいろな感情で苦しみ、その葛藤を犯人への殺意に置き換えてしまう。そして犯人に似た風貌のならず者たちを毎夜狩っているうちに、自分は街の安全を守る正義の味方なんだ、と思い込んでしまう。そこら辺が「勧善懲悪のヒーローもの」とは一線を画していて良かった。スパイダーマンはヒーローじゃなくて、浅はかで姑息で傷つきやすい、それでいて純粋で一生懸命で正義に心酔してしまう、そういうリアルな男子高校生だった。

 ガールフレンド、グウェンの父親がいいよね。ピーターにしてみればグウェンとの恋もスパイダーマンとしての活動も邪魔する存在なんだけどさ。彼はスパイダーマンの短慮や、私怨による犯罪者狩りを見抜いて指摘する。図星を突かれたピーターはハッとする。このグウェン家族とのディナーのシーンがすごく好き。でも私が子どもの頃に観たら全然わからずに、「ムカつくオッサンだな」と感じたんじゃないかな。これは思春期卒業しないとわからないよ、うん。
良い映画って、観る年齢によって受ける印象が全然違うことがあるよね。

敵役にも彼なりの正義や、破壊行動を起こすに至った事情を持たせてあるのも良いね。まあ最近そういうの多いけどさ。流行りだからって安易に取り入れるとなんだか中途半端になってしまうけど、この作品は充分説得力があった。

まだまだ良いシーン、好きなキャラについて語りたいけど割愛。

映像はさすがの迫力だった。アクションがすごく爽快!
でも「3D」である必要はあまり感じなかった。
単に2D映画を3D化しても、そのくらい2D観ているときに脳が勝手に処理して似たような立体映像に感じることができるわけで、あんまり感動しない。やっぱり3Dらしさが欲しいと言うか、いきなり顔面に銃弾が飛んでくるとか、手に届きそうなところに水飛沫が舞うとか、そういう演出を期待したいんだよね。
最後スパイダーマンが客席に蜘蛛の巣飛ばしてきてたけど、あんな感じの演出をもっと多用した方が良いと思う。
今までいくつか3D映画を観てきたけど、なんだかんだ言って一番感動したのはディズニーシーのジーニーのアトラクションだし。


思わぬところで( ;∀;) イイハナシダナーって映画に出会えたので大変満足。

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VPS