2012年10月11日木曜日

とくダネ(10/9)の感想 1

10/8 のノーベル医学生理学賞受賞に関して、翌 10/9 とくダネで早速特集が組まれていたんだけれども、その内容に思うところがいろいろあったので書く。 
なんかすごく長くなったので小分けにして掲載する。 

・iPS細胞命名の由来 

「iPodにちなんでつけられた」との説明だったけど、それだけだと「PS細胞」で足りるのに「i」をつけたって誤解を招いてしまうんじゃないかな。 
iPS cell は induced pluripotent stem cell (人工多能性幹細胞)の略。 
「IPS」ではなくあえて「iPS」と表現した点で「iPod」にちなんでいるわけだね。 
“pluripotent stem cell (多能性幹細胞)” は自然界に普通に存在する細胞で、それを「人工的に誘導(induce)した」のがノーベル賞を授与されるに至った彼らの功績なので、「i」があえて小文字なのはシャレの意味でも彼らの成果をアピールする意味でもシンプル且つハイセンスなネーミングだと思う。 

・基礎研究 

番組では山中先生が基礎研究の大切さを説いておられたことを取り上げてたけれども、その舌の根も乾かないうちに「臓器移植が」「オーダーメイド医療が」「不妊治療が」と言い出していたのには笑った。誰も基礎研究に興味ねーwwww 
いや、当然だけどね。「たった一つの受精卵から、どうやって多種多様の細胞が生まれ個体を形成するのか」を知ったところで腹が膨れるわけでなし。そんなことより「自分が臓器移植の必要な病気になる前にiPS細胞の医療への応用はなされるのか」「病気の家族はiPS細胞で助かるのか」の方がずっと重要だ。 
おまけに科学研究には多くの税金が投入されている。我々が汗水垂らして稼ぎ、苦しい生活の中でやっと納めた税金なのだから、早く我々に還元してくれ。これもまた当然だ。 

お金がいくらあっても足りない日本、民主党に政権交替し、おまけに大震災と原発事故があって、科学研究に割かれる国費は目減りする一方。 
私は他のすべてを犠牲にしてでも基礎研究を推し進めるべきだとは考えない。役に立つかどうか、そもそも結果が出るかどうかもわからない博打に潤沢な国費を充てられるのは余裕のある国だけだ。 
基礎研究なんかより「原発に替わるエネルギー開発を進めるべき」「超少子高齢化社会に向けてのシステム作りが目下の急務」「尖閣・竹島等領土問題が噴出する昨今、国防を強化すべきでは」などなど至極ごもっとも。待ったなしの課題は枚挙に暇がない。 

そして何を優先し、どこにどれだけお金を配分するかを決めるのが国の仕事。
天下り先を確保して老人どもの既得権益を守ることが基礎研究よりも大事なら、思う通りにしたらいい。
国が優先事項の最下位近くに基礎研究を置くなら、それはしょうがない。 
しかしその結果、日本の優秀な研究者が海外に流れていくのもしょうがないことだ。 

今回の山中先生の受賞で重要なのは日本人であることはもちろんだけれども、日本の研究施設で出した成果だってことだと思う。山中先生の「国の支援がなければ受賞できなかった。日本という国が受賞した。」という発言はその意味で本当に重みがある。 
「これからもノーベル賞をいくつも取りたい!」「世界一の科学先進国でありたい!」と国が思うんだったら、地道な基礎研究を地道に助成するのが一番の近道だと思う。

話はそれるけど、限りある国家予算のうち何を捨てて何を優先するのかをはっきり示している政党や政治家は今存在しないと思う。私が不勉強なだけ? 
「Aを優先してBを捨てます」という政党αと「Bを優先してAを捨てます」という政党βがあって、有権者が「どちらが政権を取ったら自分が暮らしやすくなるか」を選んで多数決で決めるのが民主主義じゃん?で、αが当選したらβの支持者は割を食う、と。 
でも今はみんな「AもBもやります!」って言うだけで、何の方針もないじゃん。「みんな幸せ」「国民の生活が第一」これじゃ選びようがない。 
「日本をこうしたい」という方針がない。彼らの方針は次の選挙に勝つことだけ。 
誰でもいいから仕事しろ。 


京大の山中教授らにノーベル医学生理学賞、iPS細胞を開発 
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&from=diary&id=2180720

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