2012年1月28日土曜日

アニメ談5

B完成度はそれほど高くないが面白い作品

・新世紀エヴァンゲリオン

 言わずと知れた人気アニメ。いろんな意味でエポックメイキングな作品で、この後のSFアニメでエヴァの影響を受けていない作品はないと言っても過言ではない。でも完成度としてはそんなに高くないと思うんだよね。なかなか斬新で緻密な設定なんだけど、後半に行くにつれてどんどん杜撰になるのが残念。大風呂敷広げすぎて収集つかなくなった結果、「おめでとう!」で無理矢理オチをつけた感じ。その未解決な謎やら矛盾やらがいい感じに物議を醸し、アニメ終了から10年以上も人気を保っているんだけど、多分製作者はそこまでちゃんと考えてないと思う。そして製作者の自己陶酔臭にもちょっと鼻につく。思春期を乗り越えた大人が思春期の少年を描いたというよりも、思春期を乗り越えられず未だに悶々としている大人が自身を投影して描いた力作、って感じ。ちと押し付けがましいのと、女性への幻想がイラッとする。そこも人気の理由の一つなんだろうけど、

 ボロカス言ったけど、エヴァはものすごく面白い。小難しいことは抜きにして、観ているだけでワクワクする。

・涼宮ハルヒの憂鬱(第1期)

 第1話〜第6話(時系列)が素晴らしい。たった6話でよくまとめたなぁ、と思うくらい完成度の高いSF作品。原作はライトノベルなのだが、オチのつけ方がいかにも小説っぽくて好き。第7話以降は、第6話以後の主人公らの日常生活を一話完結で淡々と描いている感じ。面白い回もあればそうでもない回もあるので、全話を通すと若干完成度が下がるかな。「宇宙戦艦ヤマト」のパロディである「射手座の日」はものすごく面白かった。第2期はまだ観てない。

・魔法少女まどか☆マギカ

 タイトルから「少女が変身して悪と戦う」というありがちなアニメかと思いきや、全く違う。話の展開や演出が斬新かつ衝撃的で、全部見ずにはいられないパワーがある。

 しかし絵が好みじゃない。画風が好きじゃないのもあるんだけど、いろいろ雑なんだよね。顔のバランスが崩れたり、小道具の考証が適当だったり。下手でもいいから真面目に描け、と言いたい。でもアクションや魔女空間は素晴らしかった。マミが踊るように戦うところが美しい。

 設定もなかなか良いんだけど、ちょっと物足りない。魔女の因果とか、地球外生命体の目的とかはよく出来てるんだけど、例えば杏子の親父がダメ人間過ぎて受け入れ難い。もうちょっと練れば親父にも正義を持たせられただろうし、杏子への同情も深まると思うんだけど。

 「どんな願いごとでも一つだけ叶う」系の話は、その万能性をある程度限定しないと破綻しやすいと思う。「願いごとを増やして、という願いごとはダメ」とかさ。「まどマギ」にはそういう制限が無かったので色々腑に落ちなかった。特にオチが。諸悪の根源が魔女ではないとわかっていながら何故あの願いなんだ。少なくともあれじゃ魔法少女の受難の形が変わっただけじゃん。まどかは魔法少女の起こす奇跡とその代償自体は必要だと思ったのかな。でも新しい代償の方がマシとは思えない。どうせ神になるならもっとうまい方法があったんじゃないかな。その願いのおかげでほむらの孤独な戦いがまどかに伝わり、報われたのは嬉しい副作用だけれども。

 と文句は色々あるがすごく面白かった。人間の描き方がすごく練られていて、どのキャラクターにも共感できるし、後半部は涙無しには見られなかった。

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