「ノートルダムの鐘」のDVD借りた。
何回か見ている作品なので、今回は英語字幕に挑戦。
英語が理解できているかはわからないけど、内容は理解できた。
私はディズニーアニメの中でノートルダムの鐘が一番好きなんだけど、改めて観てもやっぱり素晴らしい作品だ。以下ネタバレ自重しない。
なんといってもオープニングがすごい。これだけで映画一本観たかのような充実感。
歌詞もいいね。韻を踏んでいるところとか、「~~~ノートルダーム♪」ってところがいい。日本語吹替も頑張ってるけど、やっぱりこの歌詞の良さは英語ならではだね。
この作品は何と言っても音楽が素晴らしいね!一曲一曲も素晴らしいし、全体の統一感がいい。
ストーリーに関しても全体のまとまりっぷりがすごい。完成度が高い。鑑賞後の充実感がヤバい。
ディズニーアニメなのでもちろん全年齢対象なんだけど、その割にこの作品は包み隠さずえげつない。血も涙もない。だがそこがいい。
悪役フロローがあまりにも悪役なのはいいんだけど、それよりパリの愚民が怖い。主人公のカジモドが公開暴行ショーされてるときは大喜びではやし立て、ラストシーンでカジモドが大聖堂から出て来たときには喝采して迎える。えげつないわー。
あと今回見直してみて気づいたけど、カジモドもちょっとおかしい。精神遅滞気味というか。それが先天的なものなのか、20年間の監禁によるものなのかわからないけど。
パリの街が燃えているというのに、好きな女性が自分に惚れているかもしれない、また会いに来てくれるかもしれないと妄想炸裂してるのがグロい。「千と千尋」のカオナシを彷彿とさせる。聖なる愚か者。
人並み外れた怪力の持ち主っていう設定も、精神障害から脳のリミッターが切れてるせいだとすると重い。
フロローは弁解の余地なく悪役なんだが、自分の正義を盲信しているところが逆にリアリティーを感じさせる。
ディズニーに限らずお子様アニメの悪役は自分が悪いという自覚があるというか、別に正義であろうという気もなくて自分の欲望に忠実なだけなんだが、フロローは違う。
パリのためだから、それが正しいことだから、やる。
パリを汚すジプシーを炙り出すためにパリ中を燃やすという本末転倒っぷりに気づかない狂気。
ヒロインに対する情欲を止められない。自分がこんなに苦しんでいるのはあの女が魔女だからだ。だからあの女を火炙りにしよう。でも彼女が悔い改め、自分のモノになると言うなら赦してやる。パリの判事として、下々の者には寛容にならねばな。
きもいわ。だがそこがいい。
あとヒロイン・エスメラルダはイイ女。ディズニーのヒロインは大概清らかなお姫様である一方世間知らずな少女なんだけど、エスメラルダは大人の女性。
物を知らないから清らかでいられる少女と違って、エスメラルダは世の中の汚い部分を色々経験しつつ、それらを飲み込んでなおも清らか。
エスメラルダは主人公カジモドでなく別のイケメン・フィーバスを恋人として選んでしまうんだが、そりゃそうだよなと思う。別にエスメラルダが面食いだからじゃない。カジモドは未だ自我が確立していないお子様だから、恋愛対象になり得ないのだよ。
エスメラルダは守るべき弱者として、あるいは信頼できる友人としてしかカジモドを見ていない。カジモドにとっては思いっきり性の対象だがな。
子どもの頃に観たときは、カジモドに感情移入するばかりでフィーバスにはあんまり関心がなかったんだけど、改めて観てみるとエスメラルダ&フィーバスの恋模様もかなり丁寧に描かれているんだね。フィーバスは普通にヒーローだ。いわゆるディズニーアニメの王子様って感じ。カジモドに対して人として男として対等に向き合っているし。イイ男だ。
ずっと鐘楼のてっぺんに閉じ込められていて、パリの街を見下ろしながらずっと自分も「普通の人間」として交わりたいと思っていた彼が、少女に顔を触れられたことで涙するシーンに号泣。
やっぱり汚いシーンを汚く描くからこそ、感動が心の奥まで届くんだと思う。
2 件のコメント:
ノートルダムって画的にもオープニングも圧倒的にグロイよね。今見てもちょっと怖い。
僕も大学の頃にディズニーにハマって映画借りまくった時にノートルダムも改めて見たけど、子供の頃の印象と違ってすごく腑に落ちる大人な作品だったなぁ。
>画的にもオープニングも圧倒的にグロイよね。
そうそう。死の描写は珍しくないけど殺人の描写は結構稀だよね。
画的にもグロいし、オープニングは合唱もグロい。
オープニングの最後で、影絵のカジモドが段々成長して、”Bells, Bells……”のところで実際のカジモドが鐘を撞くシーンに切り替わって、タイトルが出る流れがヤバい。泣ける。
>すごく腑に落ちる
そうそう、まさにこれだね。腑に落ちる。良くできてるなぁ!って思う。
ラプンツェルすごくいいよ!いろんな意味で王道ディズニーアニメ。
画面が美しいのも、音楽がアラン・メンケン色なのも、小ネタが効いてるのもいい。
でも私が一番感動したのはやっぱり、王子がどうやって悪の魔女と戦うかってところだな。王子が魔女と戦って姫を救うというのは王道なんだけど、「そうきたか!」って感じ。お勧め。
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