5. 暗部
みんなで楽しくフネをつくりました。
では終わらないのがこの作品。
激務のせいで睡眠時間が全く取れず、ヒロポンが手放せなくなっていく主人公。
ヒロインを完全なる「部品」とするために、薬(これもヒロポン?)を使おうとする大人。
身体の一部をフネに捧げた穂村。
フネ建造に際して決してゼロにはできない死亡事故や重篤な健康障害。
フネはヒトを喰わずには完成しない。
そういう暗部も丁寧に描いているからこそ、この作品は立体的なんだと思う。
6. おまけ
アケミさんがカナメさんと結婚してホムラになっていることにニヤニヤ。
アケミさんの思いがパラレルワールドで遂げられたのだね。おめでとう。
穂村くんの来歴は、書籍化に際して加筆されたものかもしれないけど、もし初出の2011年夏からあったのだとしたら、驚異的なスピードで作品が書かれたことになる。
だって元ネタのまどマギが放送されたのは2011年1月〜3月。
特にアケミさんとカナメさんの因縁が明らかになるのは物語の最後の方で、しかも東日本大震災のおかげで最後の2話が放送されたのは4月以降だった。
だからこのネタが初出時からあったなら、ものの数ヶ月でこの大作が書かれたことになる。
しかも被災しながら。
原稿のデータは津波に持ってかれなかったってことかな……それにしたってすごい。
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