2015年10月13日火曜日

思い出のマーニー

妹夫婦の新居に遊びに行って、先日見逃した「思い出のマーニー」の録画を観せてもらったので、感想をば。

まずは以前書いた我的ジブリランキングを更新。

------------------------------------------------------------
神作: ラピュタ 豚 トトロ 魔女宅
良作: 風立ちぬ ナウシカ 耳すま 千尋 もののけ
凡作: 狸 火垂る ポニョ かぐや姫 ハウル
駄作: マーニー←new! アリエッティ ゲド

同じカテゴリー内では左の方がより好きな作品。
------------------------------------------------------------

というわけで、マーニーは「アリエッティやゲドよりはマシだけど、うーん。」って感じ。
マーニー・アリエッティ・ゲドが好きな人ごめんなさい。

良かった点は釧路湿原の風景。この描写はさすがジブリと言わざるを得ない。釧路行ったことないけど、すごく行ってみたくなった。

次に気に入らない点。

1. 長くて浅い導入部。

まず、主人公アンナが好きになれなかった。
「いじけた主人公がマーニーや田舎の人々との交流で成長する」という話なので、序盤の主人公が幼いのは仕方ないんだけど、
・先生に「スケッチを見せろ」と言われて被害者意識を持つ
・せっかく見せてやろうと思ったら先生が他の子を構いに行ってしまい、被害者意識を持つ
って、いくらなんでもいじけすぎだろ。
スケッチを見せるんだか見せないんだかグズグズしてる子なんかほっといて、怪我人が出たかもしれない方に先生が駆けつけるのは当たり前じゃん。

で、そのストレスで喘息の発作起こして早退したアンナのところにクラスメイトの女子たちがアンナの鞄を届けに来るんだけど、この女子たちがまた凶悪だった。
普通、クラスメイトのお母さんに「うちの子と仲良くしてくれてる?」って訊かれたら、それがたとえ「特に仲が良いわけでもなく、家が近いから担任に言われてイヤイヤ来た」んであっても、「ハイ」って言うだろ。
大して親しくもない同級生の親に向かって、わざわざ積極的に悪意ある発言をする女子中学生って、全くリアリティがない。
女子中学生らしからぬ悪意と浅慮を合わせ持つ特殊なキャラクターをあえて描き出したというならいいんだけど、明らかにそうじゃないよね?製作陣はあのモブ女子らを普通の、イマドキの女子中学生として描いてるよね?
中学生舐め過ぎ。

その点、魔女宅は素晴らしかった。キキが、トンボとつるんでるリア充集団を見て、孤独感を募らせるシーン。リア充集団はキキに悪意ある人格攻撃なんかしてない。多少思いやりには欠けていても、充分常識的な範囲で、仲間同士楽しく青春を謳歌してるだけ。普通の若者。それでもキキはつらい気持ちになる。それが、すごいリアリティをもって観客に伝わる。主人公が孤独になるために、非現実的な悪役は必要ないんだよな。

養母も頭悪い。娘の在宅中に、いくら別室とは言え、往診の医者に娘の相談をするっておかしいだろ。「娘が何考えてるかわからない」「娘が何も話してくれない」って娘に聞かれても良いの?むしろ聞かせてるの?

で、その医師のすすめに従い、アンナは一人札幌を離れ、釧路にある養母の姉妹宅へ、静養のために向かうわけだ。
ここからメインの釧路へ、舞台が移る。
だからここまでは「都会の子が田舎に行く羽目になった前説」に過ぎない。
でも私はこの導入部ですっかり気持ちがアンナから、アンナの周りの人物から、離れてしまった。全く感情移入できない。

釧路への疎開もさ、昔の室蘭辺りならまだわかるけど、現代の札幌って喘息の子が住めないほど空気悪いの?
疎開が大気汚染ではなく、ストレス源から離すためなら余計理解できない。人間関係の構築が苦手な子が、知り合いの一人もいない田舎で、養母すら不在で、ほとんど会ったことのない血のつながりもない他人の家で、どうやったらストレスフリーな生活を送れるんだ。

むしろ、「都会の子が田舎に行く羽目になった前説」って要らなかったんじゃないかな。
トトロや千尋みたいに移動シーンから始めても良かったのでは。
千尋は引っ越しに至る理由にはほとんど尺を割いてなかったけれど、それでも当初千尋がかなりぶすくれてたのはわかるし、彼女が物語を通して成長したことに感動できた。

「いじけ」「コミュ障」「なんか複雑な家庭環境」は釧路への移動シーンとか、居候先のおばちゃんとのやり取りでそれとなく匂わせるだけで良かったんだよ。なまじ具体的で、その内容があまりに浅くて非現実的だから、もう導入部でげんなりしてしまった。

あと「喘息」って設定も要らなかったと思う。
普通に、「いじけたみなしごが夏休みに養母に言われて渋々田舎に行った」でいいと思う。


2. 雑なタネあかし

「マーニーの正体」という物語のキモを、久子の長ゼリフで終わらせたのはいくらなんでも……もうちょっとどうにかならなかったのか。

伏線を立てて立てて、風呂敷を広げて広げて、途中で回収するそぶりは全く見せず、終わりかけになって大急ぎで畳む手法、私は好きじゃない。
もうちょっとこう、徐々に収束させていって欲しかったなぁ。久子一人が駆け足で語るだけってのはなぁ。

あと「マーニーの事情」と「アンナの事情」の謎が両方とも最後までわからなかったので、二人の気持ちに全く共感できなかった。

マーニーがアンナにとって何者だったのか、というタネあかしを印象づけるには、アンナの謎の方は早々に明かした方が良かったのでは。

映画を見終わって、私が理解しているアンナの事情は

1. アンナの両親死亡
2. 祖母に預けられるが短期間で祖母も死亡
3. アンナ養育(と遺産相続?)について、親戚間で揉める
4. 結局アンナは施設へ
5. 血縁のない養母に引き取られる
6. 養母宛の「アンナに対する公的手当」の書類を見て、アンナがいじける

なんだけれども、「マーニーの事情」がわかった段階で開示されているアンナの情報は1, 3, 6だけだったのよね。
だから「マーニーの事情」がわかっても「そうか!そういうことだったのか!」という感動は全くなく、「ふーん。で、アンナは何?」って感じだった。
その後ようやく「アンナの事情」「アンナとマーニーの関係」がやっとわかったけど、単に好奇心が満たされただけで、そこに何の感慨も無かった。

アンナと養母に血縁が無いことは初めからはっきりさせといたほうが、アンナのいじけ癖にも孤独感にも共感できたと思うんだよな。
なまじ「親戚が揉めてるっぽい葬式シーン」が繰り返されるから、養母はなし崩し的に押し付けられた親戚かと思ったよ。
それに養母が親戚なら釧路の居候先も親戚。養母が他人なら釧路の居候先はアンナへの義務も責任もない本当の他人。釧路で暮らすアンナの気持ちは両者で全然違う。
どっちかわからないから、共感のしようがない。

両親死亡と養母引き取りの間に祖母との生活があったことも、もっと前に匂わせておいた方が良かったと思う。アンナ自身が忘れていたとしても。
一応一度だけ「アンナが誰かに寝かしつけられるシーン」が挟まってたけど、あれで伏線を張ったつもりなんだろうか。

あと繰り返し出てきた、いかにもな「マーニーっぽい人形」には特に何のいわくもなく、ぽっと出の「ヘアピン」の方がキーアイテムっていうのが、えー???って感じだった。
それならそれで、「養母に引き取られる前から大事にしてきた宝物」とか、「マーニーとおそろい」とか、そういう伏線は必要だったんじゃないかなぁ。

もう一つ、アンナと養母が親戚じゃないなら、「養母の姉妹が住む釧路の家の近所にアンナゆかりの洋館がある」って、なんぼなんでも唐突過ぎないか?
遠い親戚とかならまぁ、似たような地域に住んでるのもあり得るかとは思うが、そうすると「しめっち屋敷」の正体を釧路の夫婦が知らないのは変だし。
アンナのルーツが釧路にあることくらい、どうにか伏線を張れなかったものか。


3. 好き好きうるさい

「友達になりたい」「大好き」「愛してる」って言い過ぎ。

多くのジブリ作品は初対面の少年少女が体験を共有したり、共に困難を乗り越えたりすることで、信頼と友情を育む。そこで初めて「好き」という感情が描写される(セリフの有無は関係なく)。現実もそうだと思う。初対面で好感を持ったとしても、「好き」という気持ちを持つには、まして言葉に出すには、かなり時間がかかる。

でもアンナとマーニーは何かを共有する前から「好き好き」言いまくってるし、逢瀬を重ねるようになったとはいえせいぜい身の上話を語り合ってるだけなのに「会いたい」の「永久に秘密」の大盛り上がりだし、「信じてたのに裏切った!!!」と怒り狂ってるけど、そこまで怒れるくらいマーニーを信じることが出来たってのが不思議。アンナはマーニーの何を信じたんだろう。常に出たり消えたりしてるんだから、サイロからだって消えるだろうよ。マーニーからパーティーに誘ったくせに、アンナを放置して男とイチャついてたし。

そんで

アンナ「許さん!」
マーニー「許して!」
アンナ「じゃあ許す!」


とか、ついて行けない。ムダに情緒的なんだけど、そこに至る過程が雑すぎて、「この子たちは何を騒いでるんだろう」と呆然と眺めるしかなかった。

たぶん製作陣は「好き好き」言わせときゃ「好き」が描けると思ってるんだろな。でも表現ってそう簡単なもんじゃないと思うよ。
「好き」ってセリフは好きじゃなくても言えるからね。
「好き」ってセリフだけでは「好き」という気持ちは表現できないし、ましてや「好き」と言った回数で「好き」レベルが上がるってもんじゃないのよ。
「好き」という気持ちは二人の体験の共有や表情・行動の変化を描かなきゃ表現できないし、そこを描写した上で初めて「好き」と言わせるから観客の心に響くんだと思う。
それを省略して、言葉だけで「好き好き」言わせても白けちゃうんだよな。

2015年9月16日水曜日

製作過程5 完成

そんなこんなで完成しました。
夕飯のあとにチマチマ進めてたので、二着で三週間くらいかかったかな?
ちなみに靴とストッキングはデフォルトのもの。
まあまあ合うかな?




製作過程4 ヘッドドレス

本体ドレスは試作して型紙や手順を確認したけど、ヘッドドレスの方はいきあたりばったり、野生の勘で作った。


布にレースを縫い付ける。


リボンで編み上げる。


別のレースの端を縫い合わせて輪にする。


輪にしたレースを縫い付ける。


あご紐のリボンを縫い付ける。


別の布を中表に合わせ、開口部を残して縫い合わせる。



引っくり返し、開口部を綴じて完成。

製作過程3 ファスナーつけ

ドール服のファスナーって 10 cm もいらないんだけど、そんなに短いファスナーは売ってないので、 20 cm のまとめ売りのものを買って自分で直した。

一応ドール服用ファスナーってのもあって、それは短いだけでなくてムシも取手も小さくて良いのだが、いかんせん高い。商品自体はさほどでなくても送料が高い。

ファスナーを短くする方法はこちらのサイト様を参考に。
http://blog.livedoor.jp/tanepuri/archives/1567212.html


適切な長さのところに下から計って印を付ける。


ファスナーを下げる。


上の留め具を目打ちなどで開いて外す。


印のところにはめ直す(ムリヤリ)。


もう片方もはめ直した。ちなみに最初の留め具は金属疲労で折れたので、瞬着でダマしダマし付けた。

あとは留め具から 1 cm 上を切断し、いらないムシをペンチなどでむしった。
まあ、そんなに邪魔ではないからあえてむしらなくてもいいかも。

ファスナーの付け方はこちらのサイト様を参考に。
http://imaoi-kiyo.jp/how-to-zipper-sewing/


製作過程2

スカートのベースと1段目は120度の弧形。
2段目は長方形。
ベースに1段目と2段目を縫い付ける。
下の写真は2段目にギャザーを寄せるためにミシンを走らせているところ。





スカート表から。



スカート裏から。



スカートに上身頃を合体させたところ。



スカートは主にミシン、上身頃は手縫いで縫った。
上身頃はかなり立体的なので、ミシンだと刺した針が予想外のところに出てしまうんだよな。
ミシンと同程度の細かさで本返し縫いをしたので、時間かかったー。

スカートは2段目がいい感じにふんわり出来たのに1段目のボリュームが控えめだったので、結構ぴっちりした感じになってしまった。1段目は180度以上でも良かったかも。

製作過程1

まずは型紙作りから。


烏玉さんの頭髪と腕をむしり、アルミ箔を巻く。ところどころマスキングテープで補強。


形を崩さないように切り開いて(ダーツにも切り込みを入れる)、


型紙として起こす。


別布で試作。ヨークを深くしたり、スカートの構造のミスを修正するなど、型紙を直していざ本番。

ドレス作った。



ユザワヤで良さげな柄の生地を見つけたので、我が家の烏玉さんと青丹さんに色違いのドレスを縫いました。

良さげな柄というのは、絵がかわいいのはもちろんなんだけれども、何より重要なのは細かいこと。
人形の洋服に使う面積は小さいので、大きい柄だと何の絵なのかわかんなくなっちゃう。

でも、この布柄は良いんだけど、すごく分厚いのね。
J-dollは人間の1/6サイズなので、布の厚みが相対的に6倍になっちゃうのよ。
ヨークの繫ぎ目のところなんか、最大で

・リボン
・白フリル
・白ヨーク
・柄フリル
・柄フリル
・上身頃

と6枚重なってるからさ。手縫いでごり押ししたけど。

まあ、型紙から自分で起こしたわりには、それなりに見られる仕上がりで満足満足。
あとやっぱり2体で対の作品は「対だ!素敵!」というところに目がいって、個々の粗が目立たないので良い。
AKB48がみんなかわいく見えるけど、一人一人になると十人並なのと同じ原理。

本体ドレスだけでけっこうモチベーションが尽きかけてたけど、やっぱりヘッドドレスもつけて正解だった。
VPS